愛情の分散って大切。って思った話 映画「ひらいて」感想
クラスの人気者でかわいらしい主人公の女の子愛は、クラスメイトの”たとえ”に恋をしている。けれど彼には美雪という秘密の彼女がいることをひょんなことから知ってしまい…。愛は美雪に近寄って彼女のほうを奪ってしまおうと計画を立てる、というドロドロの高校生恋愛物語。
結論から言うと、めちゃめちゃ引っかかる点があって話に没入できず…。
好きな人に彼女がいて悲しい→わかる
彼女から彼を奪おうとする→わかる
彼が見向きもしないので彼女を彼から奪ってやろう→結構ぶっ飛んでる発想だがまあわかる
彼女である美雪が受け入れる→???????????
そう、たとえの彼女、美雪の気持ちがまっっっっったく理解できなかったのです…。
美雪はおとなしくて、守ってあげたくなるような女の子。病弱が故に友達もできず、いつもひとりぼっち。
たとえ君とは5年も付き合っているのにキスもしたことない純情っぷり。たとえとの話を愛に話すときも、まるで付き合ったばかりの彼氏のことを話すように照れ臭そうに話しているのが印象的でした。
まあそんな美雪ですから、自己主張が苦手で流されてしまうというのも理解できなくはない…、のですが!
突然キスしてくる愛を受け入れ、されるがままに服を脱がされ…。って、さすがにちょっと自己主張なさすぎじゃないですか?異性とか同性とか関係なく、自分には彼氏がいてその彼氏のことが大好きで、でもまだキスもしたことない清い関係で…。ってとこに急に近づいてきた、自分は恋愛感情で接していない女がそれだけ好き勝手してるのを受け入れた上で友達でいようとか思えなくないですか??彼氏かわいそうじゃん。って引っかかって、全然そこから頭に入ってこなかったんですよね…。
一緒に映画を観に行った友達にこの感想をそのままぶつけたら、「だってゆきちゃん3年間で1人も友達出来なかったことないでしょ」って言われて、やっとなるほど、となりました。私が高校3年間1人も友達のできない女だったら、突然現れた女でも仲良くしたいし、離れてほしくない、また1人になるのが嫌って思ってたが故の行動なのかも…?と、理解はできないしやっぱりぶっとんでるけど、納得はいくかな…。と同時に、周りに友人がたくさんいて、そういった気持ちを分散できる環境にいるということは幸せなんだなとぼんやりと思わせられた映画でした。
あと、たとえに夢中でほかのことなんかどうでもよくなっちゃって彼女まで奪おうとするほどの執着を見せる愛と、そんな愛を手放したくなくなる美雪はどこか似た者同士だったのかなあと今この文章を書いていてふと思いました。愛もたとえのことを好きなのは誰にも言っていないところを見ると、人気者だけど誰にも心を“ひらいて”いないように見えるなあと。
ちなみに愛は狂ってるけど、それでもどこかにある普通の高校生っぽさが最高によかった、好きな人のノートを1番下に持っていって最後に配る感じとか、宿題わからないフリして教わりに行くところとか「あぁわかるめちゃめちゃある〜〜〜〜〜!!」って共感してしまいました。(みんなにはなかったんだとしたら私がただキモい学生だっただけなので聞かなかったことにしてください)あと総じて山田杏奈ちゃんの演技は最高でした。
勝手に公式サイト載せておくので気になった方は是非。
Twitterでも感想書いてみたのでよかったらみてね。