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海鳥のサンクチュアリは楽園にあらず(天売島にて)

 海鳥の楽園、と言われる日本海に浮かぶ孤島、天売島に行ってきた。札幌から高速バスで、日本海オロロンラインといわれる日本海に沿った北に向かう国道を走ること3時間、羽幌に到着、高速船に乗り換えてさらに1時間。到着後、民宿で出された海鮮尽くしの豪勢な夕食を平らげ、日没前の岬を目指す。善知鳥(うとう)の帰巣を見に行くのだ。  天売島は善知鳥が80万羽生息する日本最大の繁殖地。子育ての時期、夕方、一斉に何千という鳥たちが、島の高台にある巣穴で待つヒナに餌を与えるために海から戻って来る。

    • 「先生の白い嘘」を観る

       主演女優からリクエストされたインテマシー・コーディーネーターの配置を監督が拒否した、ということで炎上した「先生の白い嘘」を観てきた。他にも見たい映画はあったが、これは大好きな脚本家安達奈緒子の手による原作マンガの脚色作品、というのが一番の理由で、終映直前らしく朝8時40分からの1本だけとなった今を逃すと見そびれる恐れがあったため。 元々関心があったため、上記炎上したネット上の論議を折に触れてチェックしてきたが、鑑賞し終わって思うのは、これら炎上が映画の内容と関係のない、映画

      • 映画「わたくしどもは。」を観る

        自宅近くのミニシアターで、「わたくしどもは。」を観た。公式サイトのURLを貼っておくが、何の先入観も持たずに観るのがおススメ。以下、ネタバレなので、これから鑑賞を予定する方は観てからご覧いただければ、と思う。映画『わたくしどもは。』公式サイト (watakushidomowa.com) 小松菜奈、松田龍平のダブル主演。脇を大竹しのぶ、石橋静河、田中泯といった大物が固めているのに、なぜ初回上映がシネコンではなくミニシアターなのか。良く使う映画サイトのレビューは異常に低く、高評

        • 悔しいぜ!

          今、私は札幌に暮らしている。先日、東京に出張した折、東京で仕事をしていた時代によく通った、家族経営の洋食屋に足を運んだ。元部下とランチすることになり、「おいしい洋食屋があるからそこに行こう」と誘ったのだ。久しぶりにあった店のおばさんに席に案内される。おばさんは私のことは覚えていない風だった。仕方ない、前回の訪問から3年近く経っているのだから。それでも常連客とおばさんの掛け合いを聞きながら、昔懐かしい気分に浸っていた。  しかし、この部下、食べるのが遅い。後から来て相席した向か

          今夜の夢は

           NHKのEテレ、「100分de名著」は良く見る番組だが、今月はフロイトの「夢判断」。自称、心理学オタクの私としても、この分野はずっと興味はあったが全く未開拓。もっとも、私はフロイトより「ユング派」であるが。  何よりそそられるのは、夢は無意識、つまり自分でも気づいていない世界の入り口であり、知らない自分に会う旅でもある、ということ。また、夢判断は、「夢占い」と何が違うのか、という問いに対して、指南役の京大の立木教授いわく、夢分析は、「なぜそのような夢を見たか自分で判断するも

          今夜の夢は

          幸福感って所詮は・・・

           まだ私が30代の若かりしころ、イスラム原理主義政権が崩壊し、カルザイ大統領のもとで新しい政権が打ち立てられたばかりのアフガニスタンに出張を命じられた。  当時、夢だったマイホームを建築中。自ら図面を引いて、入居の日を心待ちにしていた。出張命令を受けた日、果たして、俺は新居に入れるかな、と真剣に思った。  成田からまずタイのバンコクに飛び、パキスタン航空に乗り換えてパキスタンの首都、イスラマバードに向かう。暮れなずむイスラマバード空港に着き、「タクシー」「タクシー」とまとわり

          幸福感って所詮は・・・

          創作の愉しみ

           それは確か3~4年前のこと。突然ドラマのシナリオが書きたくなった。当時放映されていたNHKの朝ドラ「おかえりモネ」を見ているときに、それは強烈な思いとして押し寄せてきた。主人公はじめ登場人物が抱える様々な屈折、夢、葛藤など、紡がれる物語。自分もそんな世界を創ってみたい、と強く思ったのだ。  もともと飽きっぽい性格である。ピアノやギターの演奏、週末の瞑想など、少しハマって放棄したものは数知れない。今回もそうかも、と思いながら、シナリオライティングの通信教育に申し込み、届いた山

          創作の愉しみ