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『ALDI』と『こんまり』の流行は人類への警告⁈

それは、日本の人気YouTuberであるバイリンガールちかさんの動画を、コーヒー片手にのんびりと観ている朝だった。
「メルボルンに移住なんだ」と思いながら差しかかった10分54秒。
赤ちゃんを抱えるちかさんの、その背後に私はあるものを見つけた。
当時311,712人が視聴済みだった、この動画。そのことが気になったのは、全世界でも私だけだったはずである。

この赤い四角の部分。↓

これは紛れもなく、私が大の苦手とするスーパーマーケット『ALDI』のロゴであった。

ヨーロッパ諸国、アメリカでの展開は知っていたが、オーストラリアにまで進出しているとは思わなかった。
おまけに、聞いた話では、今ではColes(コールス)、Woolworth(ウールワース)と並んで、オーストラリア三大スーパーマーケットのひとつとなっているらしい。

オーストラリアに住んでいたときに、痛いほど肌で感じたオーストラリア人が自国ブランドを大切にする精神
そのオーストラリア人が、遥か遠い国ドイツのスーパーマーケットを受け入れたのだ。
これには、ただただ驚いた…

ディスカウントスーパーアルディは、とにかく価格の安さが魅力
安く商品を提供するために、あらゆる無駄を省いている。
(以下、私の個人的な見解)

1.ダンボールやパレットのまま陳列
・小さな商品は、ダンボールの一部を切り取るだけの陳列
・大きな商品は移動に使用したパレットのまま、店頭に並んでいる
・陳列にかける時間、および人件費削減
2.PB(プライベートブランド/自社ブランド)を多く取り扱う
・自社ブランドであるのでパッケージデザインも自由自在
・デザインのように見える商品全体に広がるバーコード線、これによりレジ係が商品をどの角度からでも一瞬の時間も無駄にせず、必ず一度で効率良くスキャンできるようになっている=時間と人件費削減
3.期間限定商品
・子ども服から、テレビやコンピュータ、布団や家具まで、狭き店舗中央部分で販売
・量は多く作らず、売り切る戦略=売れ残り削減
・チラシで前もって宣伝するので、顧客は欲しいものをあらかじめチェック可能
・数が限定されていることで、逆に顧客の購入意欲をそそる=売り残り削減
4.店舗が狭い
・狭い店舗=安い賃貸
・従業員の商品陳列にかける移動時間も削減
・少ない商品量でも、商品が充実しているように見える
・効率的で管理しやすい
5.基本的に商品の質は良い
・問屋などを通さず、直メーカーに自社商品を依頼するためコスト削減
・実は有名ブランドのクオリティで、自社ブランドとして店頭に並んでいるものもあり、質は悪くない

さてこちらは、先月アカデミー賞のレッドカーペットに登場した近藤麻理恵(こんまり)さん
現在アメリカでは、断捨離することを「Konmaring」というほど、爆発的な人気を誇っている。

彼女のお片づけメソッドは、どうやって片づけをするかという方法を、単に外から強制するものではない。
私たちが、自分のモノたちと向き合う術を伝授してくれている。

『モノがどのように幸せを与えてくれるかという外側からの幸福をもとめるのではなく、自分自身がモノに対してどのような感情を抱くかを問うことによって自分のワクワクに出会う楽しみ』
そんなことを、こんまりさんは私たちに教えてくれているように感じる。

モノに溢れかえっている現代において、今私たちはやっと気づき始めているのではないだろうか。
必要最小限の、今の自分にとって大切なモノに囲まれて生活していくことの重要性に。
そして、自分を満たしてくれるのは、モノではなく、自分自身だということを。


無駄のない合理的ドイツのディスカウントスーパー『アルディ』と、ときめくモノだけに囲まれる生活を伝える『こんまりさん』、この両者が今注目されているのも納得がいく。
シンプルに生きていく精神が、時代のニーズにぴったりだったのだと思う。

経済的に豊かになり、物理的に恵まれている私たちが、いつの間にかどこかに忘れてしまっていた内なる幸せ
心の豊かさ精神的に満たされるための模索をし始めているのではないだろうか。

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