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解除されて、初めて気づいたこと

自らもセッションを受け続けて一年半が経ち、癒着した筋膜と固まった筋肉でガチッと「ロック」された箇所が浮き彫りになってきた。ここが変われば全体も大きく変わるかもしれない。ある月は頭を悩ませながらセルフケアをやってみたり、他の月には体の微細な変化を感じることに集中したりしたけど、あまり大きな変化は見られず。

そうして半年が過ぎた頃、その箇所は「ここだよ!」と更に主張してきた。うん、そこだよね。わかってるよ、わかってはいるんだけどね。全身の筋膜の流れを見ると、まだ他に解除されなければならない箇所があるんだよねと、申し訳ない気持ちで優しく撫でる。

そう、自分の体は、どうしたって「施術」することができない。

でも唯一できることは、セッションの合間に感じた変化と現時点で感じている違和感を説明したら、あとはセラピストさんに身を委ねること。こうして少しでも適切な箇所にアプローチできるように、互いにコミュニケーションを取りながらセッションを創っていく。それはとても地道だけれども、絶対に欠かせない作業だ。

すると、つい先日のセッションで、そのタイトな箇所がフワッと解除される瞬間があった。時間をかけてすり合わせてきたものが一つになった、奇跡ともいえる瞬間だった。そして、それまで骨格に代わって踏ん張って支えていた筋肉がお役ごめんになったので、立つと支点が定まらず、自分の意思とは関係なく体が勝手にゆらゆら揺れたのには驚いた。それほどまでに筋肉に頼りきりだったのだ。ロックされた箇所が解除されて初めて気づけた感覚だった。

その後すぐに関節を締めながら筋膜をリリースしたことで、支点が関節に戻り、しっかりと地面に立つことができた。人に身を委ねるのは怖さがあるけど、そこを乗り越えて初めて感じられる開放感があるのもまた確かだとわかった。




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