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古森夕子
2018年2月10日 11:15
濡れない雨に乾かされて重くなる服を脱いだふたりで傘をさして歩く夢は寝言のようだあなたの眼差しは温かいが床は冷えているわたしの震えは予感だったのかもしれない黒い雲に青い空が抵抗することはできないふたりは空を飛べたなら大地に抵抗できたあなたの青い空を信じていたが黒い雲を数えたわたしの黒い雲は測れなかった数えることはまるで愛を失うための儀式のようだ愛するためにはなにもかも数えてはい
2018年2月10日 11:14
私は嘘つきそれは真実を知っているから嘘をつける嘘がばれたとしても真実はばれないから嘘をつけるみんな真実なんて望んでいない嘘つきの私を嫌悪して乾杯なんてしているみんな優しいのねだから特別に教えてあげるわ彼の愛を失ったことが真実言われてみれば納得するでしょう失った愛を私が失うために彼の愛を求め続けた彼もみんなのように私を嫌悪した私はようやく失うことができた
2018年2月10日 11:13
失恋はけっしてふたりがバラバラに散ることではない失恋はふたりの最後の共同作業なのである明るく振舞いあって幸せだと言いあって楽しげに歌おう別れの悲しみを抱えているふたりにとって失恋した者は失恋した者としての演出をこらす別れ続けるふたり失ったものを失うために求めて過ちを繰り返したこともある頬を伝う雫が絶え間なく流れ出て言葉でない言葉が口から漏れ出る時怒りや憎しみや恨みや
2018年2月10日 11:00