ある冬の日のカーテン
街路樹の葉がようやく紅葉して舞い落ちている。まだパーカー一枚羽織っただけで十分な気温に疑問を感じながらも午後五時には空が真っ暗になるから、【やはり冬なんだなあ】と実感するにはそれだけで、いいようなよくないようなで迷ってしまう。落ち葉の葉一枚一枚の葉脈だけ荼毘に付した後の骨のようにまばらに残っている。それがまるで黄色いレースのカーテンのように歩道に敷きつめられているので、私はふと、このカーテンを開けて地球の窓から世界を覗いてみたい衝動にかられる。もしかしたら日本の裏側が覗ける