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虚妄の夢と恋

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#恋愛

なにくそ!

なにくそ!

ゴミだのクズだの言われてもいいんだ
私は価値のある人間だと信じているから!
そのために他人の承認などはいらない!

自分は自分、他人は他人なんだ
私は誰に何を言われても生きてきた
これからも寿命尽きるまで生きる

誕生日おめでとう!
誰も祝ってくれない、みんな自分の記念日ばかり祝って欲しそうにする
私は嫌われ者だけど自分のことが好きだよ

それでいいんだよ、それで
最後に頼れるのは自分だけ!
それ

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運命を感じてる

運命を感じてる

心配させて不安を取り除いてもらうことで愛情を感じていたいの
私のことが嫌いになるのは当たり前だから
死にたいなら死んでもいいと私の意思を尊重してくれる気持ちに驚く日々

誰かのためにしていることはすべて自分のためだということは分かってる
誰かが私にしてくれていることはその人自身のためだということも知ってる
「あなたのためだけに!」なんて詐欺師の手口に惑わされるほどウブじゃない

何かが私に侵入して

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失恋5

失恋5

意気地なしの花びらが言えないことを乗せて君の唇に触れている
話かけられたことすべて肯定か否定かで判断するなんて
あいまいな結末を望まないのは自殺しようとしているようなものだよ
いつだって君にとって春は燃え尽きた冬の屍でしかないから埋めてしまおう
地中から芽吹くのは新しい命かもしれないけど道化師は空から落下するだろう

心も身体も踊る広場で目を交わせば始められたかもしれない
心も身体も眠る個室で目を

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失恋4

失恋4

死んでほしいと願えないくらいに
愛と交換しながら君を想っている
傷つくから言わないようにしてほしいという言葉を知るたびに
優しい人以外になれない理不尽さを君は分かっていない
その理不尽さを、かわいいと思えたなら、
私のことを、かわいいと、思ってくれただろうか

君のことを100%否定する言葉を持てるだけ
一緒にいられたならよかったのに
君のことを100年かけて嫌いになるほど
一緒にいられたならよか

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失恋3

失恋3

濡れない雨に乾かされて重くなる服を脱いだ
ふたりで傘をさして歩く夢は寝言のようだ
あなたの眼差しは温かいが床は冷えている
わたしの震えは予感だったのかもしれない

黒い雲に青い空が抵抗することはできない
ふたりは空を飛べたなら大地に抵抗できた
あなたの青い空を信じていたが黒い雲を数えた
わたしの黒い雲は測れなかった

数えることはまるで愛を失うための儀式のようだ
愛するためにはなにもかも数えてはい

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失恋2

失恋2

私は嘘つき
それは真実を知っているから
嘘をつける

嘘がばれたとしても
真実はばれないから
嘘をつける

みんな真実なんて望んでいない
嘘つきの私を嫌悪して
乾杯なんてしている

みんな優しいのね
だから特別に
教えてあげるわ

彼の愛を失ったことが真実
言われてみれば納得するでしょう

失った愛を私が失うために
彼の愛を求め続けた
彼もみんなのように私を嫌悪した

私はようやく失うことができた

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失恋

失恋

失恋はけっしてふたりがバラバラに散ることではない
失恋はふたりの最後の共同作業なのである

明るく振舞いあって
幸せだと言いあって
楽しげに歌おう

別れの悲しみを抱えているふたりにとって
失恋した者は失恋した者としての演出をこらす

別れ続けるふたり
失ったものを失うために求めて過ちを繰り返したこともある

頬を伝う雫が絶え間なく流れ出て
言葉でない言葉が口から漏れ出る時

怒りや憎しみや恨みや

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