年金財政が維持できないため、70歳支給開始が不可避になる
公的年金の財政検証が発表された。
多くの人は、所得代替率が今後低下していくことを問題視している。確かにそれは大問題だ。ただし、「保険料を引き上げず、所得代替率を引き下げることにより年金財政を維持する」という基本方針は、既に15年前に決めたことだ。
本当の問題は、その決めたことをさえ実現できないことである。
財政検証は、現実にはありえないほどの楽観的な経済前提に基づいている。現実的な前提をおけば、このとおりにはならない。
とくに問題なのは、
(1)物価上昇率が想定ほど高くはな