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プロマネのお仕事

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主に中小規模のプロジェクトを上手く進めていくための「プロジェクトマネージャ」の仕事について、自身の経験を交えながらまとめていきたいと思います。
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記事一覧

#103 PMBOK第7版 - 第6版からの主な変更点

(本記事は2021年10月に書いています) 世界中のプロジェクトマネージャが参考にしている(?)といわれるPMBOKですが、 今年、大幅に改訂されて第7版になりました。 日本語版は10月までリリースされないようなので、英語版を取り寄せてちょっとづつ読み始めています。 あまりに第6版からの変更内容が多く、ちょっと途方に暮れています。 これまで作った研修資料も、大幅に修正しないとまずそう。 とはいえ、すごくわかりやすく、かつ実践的になっているので、この改訂は良かったと思います

#099 「4つの品質」を意識して、上流で品質を作り込む

品質を上げるために何か施策を打とうとする場合、上の絵のような工場の製造工程ばかりに目が行きがちですが、そこだけに注目していても、なかなか成果が出ないことがあります。 4つの品質 ここでは、「品質」を、以下の4つに分けて考えてみたいと思います。 こうすることで、自分たちの仕事のどこに本当の問題がありそうかを把握しやすくなります。 (1) 企画品質 (2) 設計品質 (3) 製造品質 (4) 使用品質 (1) 企画品質 「企画品質」とは、製品やサービスの企画書の品質のことで

#097 プロジェクトマネージャの資格を取得しました

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 先週12月25日(金)は、今年10月に開催された「情報処理技術者試験」の合格発表日でした。 昨年の「ITストラテジスト」に引き続き、今回「プロジェクトマネージャ」の区分を受験し、無事合格することができました。 IPA とは この「情報処理技術者試験」を主催しているのは、経済産業省所管のIPA(情報処理推進機構)という独立行政法人です。 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 https://www.ipa.go.jp/

#096 ダブルチェックの限界 - 「社会的手抜き」はどうやったら防げるか

(本記事は2020年12月に書いています) 今月の初め、ある個人情報が誤って名古屋市の Web サイトで公開されてしまうと言う事案が発生したそうです。 感染者と接触の可能性ある人の氏名 HPに掲載 名古屋市が謝罪 | 新型コロナウイルス | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012756051000.html ----- 9日、名古屋市がホームページに掲載した新型コロナウイルスの感染者の年代など

#091 内外製分析を効率的に行うためのフレームワーク

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 前回の note でグッドスマイルカンパニーさんの事例をご紹介しましたが、今回は、その中に出てきた「内外製(ないがいせい)分析」について、どうやって進めたら良いかを解説したいと思います。 以下のフレームワークに従って分析することで、かなり頭の中をスッキリさせることができると思います。 そもそも内外製分析とは 前回紹介したように、商品の生産を自社で行う(内製)か、外部の協力会社に委託する(外製)かを決めることを「内外製分析」

#068 プロマネのお仕事(補遺編4) - 意図的にエラーを埋め込んでテストの進捗を測る

先日まで連載していた プロマネのお仕事 https://note.com/yukio_tada/m/m49d2c80ad937 というマガジン、 一旦終了したつもりだったのですが、その後もいろいろと書き足しておきたい内容を思いつくことがありまして。 今後、これらの記事を補足するような内容がかけたら、その都度記事を追加していきたいと思います。 今回は、 #057 プロマネのお仕事(本編7) - 品質マネジメント(ちょうどいいテスト工数を見つけよう) https://

#063 プロマネのお仕事(補遺編3) - 誰を見て仕事するのか

プロジェクトマネジメントについて書いてきたシリーズも今回で最後。 プロマネには PMBOK という教科書があることはこれまで書いてきたとおりですが、同じ教科書を使ってもプロマネのポリシーによってプロジェクトの進め方は全く違ってきますね、というお話です。 プロジェクトを進める上でジレンマは避けられない 「ジレンマ」とは、2つの選択肢のどちらを選んでも何らかの不利益が発生する状態のことを言います。 例えば、 ・プロジェクトの途中で新しい仕様の追加を要求された。 → 仕様

#062 プロマネのお仕事(補遺編2) - 「失敗の本質」とPMBOK

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 日本全体が大変な状況になっていることに関連してか、今あらためて「失敗の本質」という本が注目されているようです。 (小池都知事も、過去、この本を座右の書としてあげられたとのこと) 小池百合子都知事の“座右の書”『失敗の本質』が見据える、組織的な失敗が起きる理由 https://biz-journal.jp/2017/02/post_18093.html 今回は、この「失敗の本質」をベースに、今のような未曾有の状況に対してプ

#061 プロマネのお仕事(補遺編1) 「正射必中」 - アウトプットの85%はプロセスで決まる

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 前回まで 10回にわたって PMBOK の内容をまとめてきましたが、 あと数回、ちょっと違う視点からプロジェクトマネジメントの重要性について書いてみたいと思います。 初回は、デミング博士という方が提唱したプロセス重視の考え方について。 デミング博士はアメリカの方ですが、日本の弓道で使われる「正射必中」という言葉が博士の考え方を上手く表現しているように思います。 そもそもプロマネって必要なの? 前回までプロマネの仕事を見

#060 プロマネのお仕事(本編10) - スコープ・マネジメント(今やらなくていいことを明確にしよう)

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 いよいよ今回でプロマネのお仕事(本編)は最終回となりました。 最後はスコープ・マネジメントです。 # 051: 資源マネジメント # 052: コミュニケーション・マネジメント # 053: ステークホルダー・マネジメント # 054: リスク・マネジメント # 055: スケジュール・マネジメント # 056: コスト・マネジメント # 057: 品質マネジメント # 058: 調達マネジメント # 059: 統合マネジ

#049 プロマネのお仕事(序章1) - なぜプロジェクトは QCD で管理できないのか

今回からしばらくの間、「プロジェクトマネジメント」について書いていきたいと思います。全部で13回くらいのシリーズになる予定です。 (実は、自分自身の学び直しという意味も大きいのですが) なにかしら日々の業務の見直し、例えば「工場の生産効率の向上」みたいな検討を行う場合、「まず QCD それぞれを数値化・見える化しましょう」みたいな話になることが多いと思います。 しかし、こうした QCD による管理が役に立たないケースがあります。 「プロジェクト」と呼ばれる業務を管理

#050 プロマネのお仕事(序章2) - PMBOK とは

今回は、「プロマネのお仕事」の第2回。 具体的な仕事の進め方に入る前に、PMBOK という、世界中で使われているプロジェクトマネジメントの教科書を紹介したいと思います。 PMBOK とは PMBOK とは、"Project Management Body of Knowledge" の頭文字をとったもので、プロジェクトマネジメントに関する先人達のノウハウをまとめた本のこと。「ぴんぼっく」と読みます。 要するに、世界中の優秀なプロマネさんがどういう仕事のやり方をしている

#051 プロマネのお仕事(本編1) - 資源マネジメント(メンバーを集めよう)

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 いよいよ今回から、プロジェクトマネジメントの具体的なお仕事についてまとめていきたいと思います。 PMBOKの「10の知識エリア」を、1つづつ順番に紹介していく予定です。 # 051: 資源マネジメント ← 今回 # 052: コミュニケーション・マネジメント # 053: ステークホルダー・マネジメント # 054: リスク・マネジメント # 055: スケジュール・マネジメント # 056: コスト・マネジメント # 0

#052 プロマネのお仕事(本編2) - コミュニケーション・マネジメント(チャットツールを導入しよう)

こんにちは。中小企業診断士の多田と申します。 本編2回目は「コミュニケーション・マネジメント」について。 # 051: 資源マネジメント # 052: コミュニケーション・マネジメント ← 今回 # 053: ステークホルダー・マネジメント # 054: リスク・マネジメント # 055: スケジュール・マネジメント # 056: コスト・マネジメント # 057: 品質マネジメント # 058: 調達マネジメント # 059: 統合マネジメント # 060: スコー