詩 あの子のイヤリング
さびしいけど、虚しくはない
怒ってるけど、嫌いではない
付き合ってるけど、セックスはしない
死にたいけど、生きたくないわけじゃない
好きだけど、愛していない
ゆらゆら
どっちでもないが
こころのいたるところに散らばっている
そのかけらは
3分ごとに色を変える
世界はたくさんの色で まばゆいている
うさぎとねこは 夜中に集まって
たんぽぽの葉っぱについて
語り合っているのかもしれない
あの公園のクスノキは
その話を聴きながら
丁寧に珈琲を淹れているのかもしれない
ゆらゆら
ゆらゆら
あの子がしているイヤリングが
気持ちよさそうに揺れている
わたしはここにいるけど
ここにいない