初等教育についてASD女による雑感
雑記
いま小学校と呼ばれているものは、制度ができた当初は尋常小学校とよばれていた。この尋常小学校といまの小学校はまったく同じではないけれど、児童に初等教育を施すという意味では似たようなものだと思う。
なぜ尋常小学校なる教育システムができたかというと、ひとことで括ってしまえば一番の理由は軍人や兵隊の育成である。つぎに優秀なビジネスマンを育成するためである。
江戸時代、児童の教育には藩校や寺子屋というシステムがあった。そのお陰で日本人は世界的に見ても驚くべき高い識字率や算数の知識を有するになった。ただ、此の寺子屋というシステムは幕府が制度化したものではない。藩校には武士の子息、寺子屋には教育に関心がある親の元に生まれた子供しか通うことができなかったわけである。
明治という時代になり。日本は近代国家という今までとはまったく違う方向に舵を切った。それも船がひっくり返るぐらいの勢いで思いきり切った。
こうなると真っ先に必要なのは農業などの一次産業だけではなく、商業や工業、それから強い軍隊であった。これを富国強兵といった。
こういう背景に制度化されたのが尋常小学校である。国民全員がある水準以上の学力をもっていなければこの富国強兵は達成できないと明治政府は考えたわけである。
とくに明治政府が重点を置いたのが明治天皇の神格化と強い軍隊の設立である。
こうなると優秀な軍人や兵隊を大量に育成しなければならない。今は知らないけれど、以前の軍隊では海図を読んだり大砲を打つためには数学の初歩知識が無ければならなかった。命令の伝達にも文字が読めなければならない。そしてなにより規律が重要である。偉い人が右を向けといったら集団がサッと右を向かなければならない。戦場でこれが出来なければ部隊が全滅してしまうことだってありえるわけである。尋常小学校にはこういった集団行動を叩きこむという目的もあった。
ところがこの尋常小学校、当初は通う児童はほとんどいなかったらしい。何故ならば多くの農家にとって子供は大事な労働力であり、農家に教育は不要と考えていたからである。そのために校長先生や警察署長といった名士が農家を廻って学校に来るよう一軒一軒説得して回ったという。そのときに説得材料とされたのが、教育を受ければ学歴がつき、会社員や公務員になれる、そうなれば農家よりもたくさんのお金が稼げるというモデルケースだった。この背景があるから福沢諭吉の学問ノススメがあり、明治天皇の教育勅語がある。
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すこし話が逸れるがわたしには尾崎豊がわからない。この支配からの卒業とか、盗んだバイクで走りだすとか歌われてもピンと来ないのである。ところが父は身に染みて分かるという。教師にビンタされ殴られ怒鳴られしながら中学高校を過ごした父には身に染みて分かるという。これも昭和と平成の違いなのか。（ＡＳＤのわたしは昭和に生まれていたら首を吊っているだろう）
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勉強がなぜ大切なのか。わたしは甥っ子からそう訊ねられたときに、五歳の甥っ子にも分かるようどう答えればよいのかを一生懸命考えた。
勉強することの大切さはこういうことだと思っている。たとえば、あなたの目の前に普通乗用車が停まっています。タイヤの数はいくつですか？
真横や真正面といった一面からしか見ない人はふたつと答える。斜めから見ることができる人はみっつと答える。じゃあ片面からしか見ることができない人はみんなふたつと答えるのか。
知識や知恵がある人ならば四つと答えるんである。それはクルマってどういうものなのかを考えることができれば、クルマにはタイヤが四つなければならないと考えることが出来るからである。
無学な人間は目の前で起きたことそのまましか理解できないし判断できない。学を身に着けるというのは見えないものでも多分こうではないかと考えて想像する能力を育てる、それが勉強だと思う。だから英単語や漢字や難しい数式を覚えるだけではない、考える力を身に着けるのが勉強の意義だとわたしは思っている。
この部分、わたしが考える勉強の肝を教わることができる環境を用意出来るのであれば、高水準の専門的な知識が必要だったり、組織の中で他者と強調して力を発揮する仕事に就きたい人以外は、別に学校に通う必要はないのでは、と思う。あえて学校に通う意義を求めるならば、苦手な人間との関わり方やしんどい社会のなかでの身のかわし方を学びに行くということだろうか。
わたしはＡＳＤなので、小学校と中学校は地獄のようにしんどかった。高校では不良になった。それらを乗り越えることができてどうだったか。振り返ってみてもよくわからない。大事なことは全て、学校の外で学んだような気がする。
（すみません、論を述べているわけではありませんので反論コメントはなしでお願いします💦）
※追記：学校に通えない子供にもセーフティネットがあればいいのにという趣旨で書きました。学校なんて必要ないというつもりは毛頭ありません。ご理解賜りたく存じ上げます。