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大切なもの

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(創作)ミルコと鹿せんべい

(創作)ミルコと鹿せんべい

この話を私と次男のために
奈良にミルクスタンドを開店してくれた私の友人に捧げたいと思います。

「この夏私が飲んだアイスミルクだけは絶対鼻ミルクだった。」
秋の夜、デイブ・スペクターのジョークを聴きながら、私は相場の3倍の値段で購入した鹿せんべいを眺めていた。

何度聴いても相変わらずデイブ・スペクターの面白さは面白くないところだ。

奈良駅近くの「ゆったんのミルクスタンド」が姿を消してから久しい

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太陽は嗤う

太陽は嗤う

  夏の眼球を舐めたくなって生唾を飲んだ。黒水晶のように煌めく瞳、白磁のような白目。そこに走る毛細血管から赤い金魚の尾鰭が優雅に靡く様を空想した。だから、寝不足の夏に目薬を差すはずの私は心ここに在らずで、夏の呼びかけで我に返った次第だった。
「雪子、何ぼーっとしてんのよ。目薬まだ〜?」
夏が無邪気に私の腕を握る。夏の手は私が蝋人形なら溶け出すほどに熱っぽかった。大学食堂のクーラーは効いておらず、七

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雨降りの後

雨降りの後

  彼女の顔は、出会った時からずっとぼやけていた。僕の視力が悪いわけじゃない。彼女の顔は誰から見てもぼやけている。彼女自身も自分の顔がどんなか知らない。分かるのは顔の輪郭くらいで、目や鼻、口の位置は手に触れた感触でしか分からない。鏡にもはっきり映らない。だからもちろん、彼女がどんな表情をしているのかも分からない。でも、彼女のことが好きだ。声から伝わる凛とした明るさや、ふとした時の指の仕草、ふんわり

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ゆったんの世界に魅了されて。

ゆったんの世界に魅了されて。

 no+eの路地裏に来てから、私は敬愛する書き手さんに出逢った。
その名はゆったん(スナックゆったん@路地裏9番地)
 彼女の書くストーリーを読んでいくうちに、ああ、これが「ゆったん」なのか、と思うようになった。ストーリーから感じる「ゆったん」 
 カラッとしているのだけど、深みのある空気感があって、読み終わっても私はまだそこに居たいなと思うのだけど、煙みたいにふわっと消えていく。私はそんなゆった

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ゆったんへ

ゆったんへ

ゆったんの記事読んで、あとまあ、今は夜ってこともあって、この曲が思い浮かんでさ。

思いっきり私信に使ってみました笑

これはただの遊びなんだけど、気が向いたら面白半分でやってみて。

次の画像に文章をつけて文学にしてください。
(文字制限なし。何文字でも可。)

私昔こういうことばっかりやってたの。
案外気晴らしになるから、面白いよ。
あ、強制じゃないからね笑
なんにも書けないなぁって時に、使っ

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