日本で有名な曲!と気軽に外国人に紹介してはいけない「最後の雨」
円安&コロナですっかり出不精になり、海外旅行にえいや~といく気分にならない中、旅好きの外国人旅行者たちは、円安の機会を逃すまいとひっきりなしに日本にやってくる。
それに伴い、一人旅をしていたときにお世話になった海外のお友達からひっきりなしに
「日本にいくぞ~」
と連絡があり、仕事の調整の前に、友達が日本にくる日程の調整をするはめになっている。
結果、3月から6月の間に、ニュージーンランド、アメリカ、カナダ、韓国、台湾、ノルウェー、ブータンと7か国から友人たちが続々と来日し、ほぼ同じ観光地をまわり、日本食を食べ、少々げんなり気味の今日この頃。
ちなみにどこにいってるかといえば・・・
ユニクロ、GU、ダイソー、無印良品、オニツカタイガー、薬局、大阪城、奈良の大仏、清水寺etc・・・
このルーチンルートの話はまた今度、改めて書くとして、これだけ英語でアテンドしていると、最初は久しぶりの英語トークに緊張&英単語忘れにより、ルー大柴状態の英語だったのが、ちょっと語学留学して帰省しました学生レベルくらいまでに上達し、調子にのっていたとある日。
なぜか滋賀県にあるメタセコイア並木に行きたいとオーダーがきたため、車じゃないと無理だろと車で行くことにした。
車に乗ると、ラジオを流すのがくせになっているので、ラジオをオン。
ノリノリの音楽が流れてきたのでボリュームアップし、気分をあげ、彼女らをピックアップ。
さすがにうるさいだろうと、止めようとすると、
「ノーノーノ~、日本のラジオ聞きたいね~」
というからボリュームダウンして流していた。
とはいえ、洋楽がエンドレスに流れていたので日本のラジオか?と突っ込みたかったがまあいい。
今回はニュージーランドのスキー場のレンタルやで働いていた時のメンバーで、当時(1999年~2000年)大流行りしていたディスコミュージックとでもいうのだろうかひっきりなしに流れるもんだから、車内で大盛り上がり。
こんなセトリ↓
mambo no.5(lou bega)
livin la vida loca(ricky martin)←郷ひろみのゴールドフィンガー
boom boom boom boom!!(vengaboys)
if ya gettin down(five)
baby one more time(britney spears)
ブリトニーなんて耳にタコができるくらい流れていたから、よく聞いたね~なんて和気あいあい。
するとDJが
「baby one more time、大ヒットしましたよね。アップテンポでもスローでもない独特のサウンドですけど、実はこれ元カレへの思いをつづった曲なんですよね」
え?なんですと?
当時、歌詞の意味まで理解するほどの英語力ではなかったので適当に歌っていたのだが最後の部分だけはしっかり歌っていた。
And give me a sign
”Kiss” me baby one more time
だと思ってた!!!
だから、
「合図して~、そんでもう1回キスして~」
とかそんな意味で、いいな~キスのおねだりもできる彼氏がいて!と今の今まで思っていた。
という心の中の声が顔に出ていたせいか
「What happen?(どうした?)」
あ~これを英語でどう説明するのか・・・
めんどくさいけど、真相が知りたいと
Kiss”me baby one more timeだと思っていたといったら、大爆笑。
”Hit” me baby one more timeだよ!
といわれたんだけど、さらに大混乱。
ど、どおいうこと?
「合図して~、そんでもう一度なぐって~」ってそういうこと?
M側の人の気持ちの歌?
それはそれでヤバいじゃないか!
いやいや、そういう性的趣向も歌で歌えるほどアメリカは昔からフリーダムだった。そういうことか?
ということを身振り手振りでいうと、またしても大爆笑。
彼女らはネットで調べながら、ゆ~っくりと歌詞の説明をしてくれた
That my loneliness is killing me now (寂しさは私を殺す)
Don’t you know I still believe(でもまだ信じてる)
That you will be here(ここに戻ってくることを)
という意味で、要は、失恋してしまったんだけど、彼はもう一度連絡くれるんじゃないかという願望の歌ではないかと。
ちなみにHITは殴るじゃなく、CALLなんですって。
空耳アワ~なんてのが流行ったことがあるけど、言語が違うとさらにややこしくなるもんだ。
まあ、あの頃のかわいいブリちゃんがミニスカートで腰をふりふりしながらあの独特の声で
「Hit me baby one more time」
なんていったら世の男どもは、みんな電話しただろうな~と思いながら運転に戻る。
すると、DJ
「じゃあ、ここからは日本の恋愛ソングにいきましょう!」
と、ここで流れてきたのは・・・
暗闇の中からす~っと音が流れてくる寂しさあふれるバラード。
こ、これは!中西保志の「最後の雨」
いわなくてもいいのに、つい
「この歌は日本でポピュラーな失恋ソングだよ。よく聞きましたわ~」
すると
「え~そうなの?どういう歌か知りたい!訳して~」
とオーダー。ついさっき、恐ろしい空耳アワーを披露したのに、懲りずに、よ~しやってやろうじゃないかとどこから自信がわいてきたのかわからないが二つ返事でOKしてしまった。
そもそもこの歌も多分、失恋ソングなんだろうな~悲しいメロディーだからぐらいの認識で、歌詞をちゃんと理解したことはない。ということで、恐ろしい翻訳がスタートした。
♪さよなら~つぶやく君が~♪
she said good bye(←つぶやくの英語がわからなかったからカット)
♪僕の傘 残して 駆け出していく♪
She is running away left his umbrella(←この時点ですでにみんなの顔がフリーズ)
♪哀しみ 降り出す町中が 銀色に煙って 君だけ消せない♪
He is very sad. It's raining in town、looks silver color.
He can't elase only her(←訳している途中で、悲しみであたりが銀色になっているんだけどそこに彼女がいるようだという意味かと思ったけど、もうわたしは引き返せない)
♪最後の雨に 濡れないように 追いかけて ただ抱き寄せ 瞳閉じた♪
He chases her and hug and close eyes , don"t get wet in the last rain(←抱き寄せるの英語がわからないどころかおそらくほんとに雨に濡れるという意味じゃなくてたとえなんだろうけど、制御不能状態。)
♪本気で忘れるくらいなら 泣けるほど愛したりしない♪
If I really wanted to forget you,don't love you so much I cry(←仮定法と否定が一気にくると愛したいのか愛したくないのか忘れたいのか忘れたくないのかわからなくなってくる)
♪誰かにとられるくらいなら 強く抱いて 君を壊したい♪
I'd rather hold on tight and break you than let someone else take you away.
Hold on me(←なぜかここから主語が自分。このフレーズは聖子ちゃんの「抱いて」で覚えた)
and I want to break you If stolen you(←もう翻訳をあきらめた。力尽きる)
全員から「What did you say???」
と突っ込まれる。そりゃそうだろう、翻訳している自分も「What」だ。
まだ一番だけで2番も続いていたが、車を運転しているし、これ以上突っ込まれてももはや自分自身も最後の雨がなんなんなのか説明できないし、もはや面倒。ということで
「I can't translate it because I've never been broken heart」(←失恋したことがないから訳せない)
といったら
え~いと言いながら、両手で猫招きのようなジェスチャーをして馬鹿にされた。みんな、失恋しかしたことないことを知っているからだ。ニュージーランド時代、英語を覚えるなら彼氏を作るべしという誰かの教えにより、外人の彼氏が欲しくてだいぶハンティングしていたが、すべて撃沈。という話はおいておいて・・・
かなりみんな腑に落ちない感じだったが、彼らの早口英語を聞いていると
「ゆきんこの英語力はものすごい落ちているし、そもそもニュージーにいるときからいろいろ適当だったからこの辺にしておこう」
とごにょごにょディスられて終了。
とはいえ、どうにもこうにも「最後の雨」が気になったので後日、歌詞をチェック。
さよならといって雨の中、傘をほおりだしてかけていったってことは僕が振られたのは間違いない。最後の雨に濡れないように追いかけて抱き寄せて瞳を閉じたのは妄想?いや、最後のあがきか。
しかし、そのあとに本気で忘れるくらいなら泣けるほど愛したりしないし、
誰かにとられるくらいなら、強く抱いて君を壊したいということはやはり妄想・・・
は!つか、これはストーカーではないか。
壊したいって、そういうことでしょうよ。ホラーじゃないか!
だって2番に
♪さよならを言った唇も僕のものさ、君を忘れない♪
完全にストーカーだ。
ああ、素敵な失恋ソングだと信じて疑わなかったわたしの青春を返してくれ~
と嘆きつつも、3番でほっとした。
♪明日の君を救える愛は僕じゃない でもこのまま見つめている
言葉にできないのが愛さ。
言葉では君をつなげない、行き場のない愛がとまらない
傘を捨てて雨を見上げてた♪
愛が止まらないはちょっとまだ油断ならないが、ひとまずよかった・・・ストーカーじゃなかった。
ちゃんと彼女の明日を見てあげていた。
ほんとに壊さなくて安心。
結局、最後の雨というのは最後の彼の涙ということだろうか・・・
後日、彼女らも気になっているかな~と思い、そのあたりをつらつらとおそらく、かなり解釈を間違っている英語でつづり、最後に
”詳細は、中西保志に聞かないとわからないし、中西保志と知りあいじゃないからわからない”としたためた。
理解不能なのか、もうあきらめているのか、突っ込むのもめんどくさいからなのか、数日たった今、誰からも返信がない。