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明るい肩こり

コロナ禍から完全テレワークになり、調子にのってるときは一日、パソコンの前でかちやかちゃとキーボードを打ちまくる。

「ぴんぽんぱんぽーんお昼休みです!」
とアナウンスが流れたり
「そろそろ休憩しませんか?」
とナビに諭されたりとか、だれも止めてくれないから、集中していると果てしなく仕事をする。

ようやっと、流れるのはよいこの皆さん向けの夕方アナウンス。
「よいこの皆さん5時になりました。おうちに帰りましょう」
昼を通り過ぎてもう夕方なのである。

いっちょまえに通勤していたときは、行くだけで疲れ、ランチでは仲間とべちゃくちゃしゃべって楽しむも疲れて、あろうことかデスクで舟をこぐこともあった。仕事をサボることしか考えてなかった不真面目人間なはずだったのに、誰の監視の目もない自宅での仕事のほうがまじめにやってる。
これは自分自身驚きの展開であった。

するとどうなるか。視力低下は甚だしく、何より肩こりというやつが右肩に常に居座ってる。

肩こりは今に始まったことではない。
自覚症状はないのに、美容院でもみもみしてもらうと

「おきゃくさーん、こってますね」

といわれてたし、たまに頭痛もすることもあり、肩こってるんだろうなとはうすうす感じてはいた。

よくわからないうちに、少なくとも肩こりとやらを数年抱え、地道に育てていた肩こりがある日を境にじわじわと、座敷わらしでものってるんじゃないか?と感じるくらい重くのしかかってきた。

じわりじわりと肩こりさんはやってきた。普通に生活してる分にはいないのに、肩を回したり、何が重いものをもったりすると、途端に現れ、ピリッと痛みが走る。

肩こりなんて現代病だし、そのうち治るだろうとたかをくくっていた。

普段は全然痛くないから肩こりさんの存在は忘れているのだ。

しかし、だんだん寒さが身に染みるようになってくると肩の可動域が狭くなってることに気づく。すぐに治ると思っていた痛みはさらにひどく、ラジオ体操をしていると腕がまっすぐのびなくなってきたのだ。

ラジオ体操仲間のおばちゃんが回らない腕をみてニヤリとした。

あら、五十肩かしら?
は!肩こりじゃないのか?!なんなんだよ、年齢をわざわざいれる病名とは。

五十肩
特徴的な症状は肩の可動域

AI解説

五十肩じゃないか!!!と、驚くきつつもちょっと嬉しくなった。単なる肩こりから五十肩と病名が確定されただけでなく、年相応のものが我が身にふりかかってきた。

「わたし、五十肩になった!」

行く先々で明るく吐露すると、意外と五十肩さんがゴロゴロいることが判明。

ストレッチがいいわよ
パソコンやめたら?デジタルデトックスよ
肩甲骨まわすのが1番
ひとまず整骨院にいったら?そんなに長引いてるんだったら

ありがたい意見をたくさんいただき、結果、ひとまず整骨院にいくことにした。

肩をまわして、ちょっとマッサージみたいなのをして、ふむふむといった顔をする医者。

「痛みがひどいなら痛み止めだそうか?」

それだけ?薬を飲み過ぎると体が慣れるといった記事を読んで以来、薬は必要最低限と決めてる上、丁寧に断った。薬を飲むほどではないからだ。

シップのようなものをもらうと、そういえば同じようなの家にあったような。

仰々しいほどでかいシップもどきを貼って寝るとなんだか、肩が軽くなってる気がする。

3日貼り続けると、あーら不思議、肩をぐるぐるまわしてもちっとも痛くない。

なんなんだ、この魔法のシップは!1年以上も付き合ってた自分が、ばかみたいだ。

五十肩友達に魔法のシップの存在を意気揚々と伝えてみた。

「それってさ、対処療法でしよ?一瞬痛みはなくなっても、根本治療じゃないからね」

確かに。せっかく明るい兆しがみえてきたのに、奈落の底にずどーんと落とされた。貼り続けるのはよろしくないなと考え、貼るのをやめた。

簡単なところからやってみようと、パソコンに向かう前に肩甲骨体操なるものをするようになったのだが、そのたびに、どうか痛みませんようにと祈る。

でも五十肩さんは再びわたしの肩に降臨してきた。

そしてまた五十肩さんとの生活が始まっている。でも、まあ、方甲冑体操のおかげか前ほどでもない。しかも、体操もルーティンとなると気分転換になっていいのだ。肩こり・・・、間違えた、五十肩なんとかならないかしらと悩むより明るく五十肩さんと付き合っていくぞ!

カモン五十肩さん!

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ゆきんこ
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