図書館の貸出票がつなぐ縁

図書館で本を借りると、たまにその本を過去に借りた人の貸出票がはさんである。

自分が選んだ本と同じ本を借りた人が他にどんな本を借りたのか気になってつい見てしまう。

おお！趣味が似ているな
なぜその本を？
そんな本があったのか！
1冊ごとのチョイスの統一感がない！

などなど新たな本の発見だけでなく、意外性のあるチョイス、同じ本を借りたというだけで親近感がわいちゃって、貸出票リストからその人となりを想像してしまうのである。

たまに古い本を借りると、貸出票も古く十数年前の日付だったりすることもある。そんな古い貸出票をみると、自分が久しぶりにその本を下界に出してあげたようなそんな優越感に浸っちゃたりする。

図書館員の人からすると、貸出票を入れっぱなしにされるのは、いちいち破棄しなくちゃいけなくて、面倒なことなのかもしれない。けれど、そんな本によって生まれる縁が楽しくて、いつも貸出票をあえていれたまま返却するのである。