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鬼の使い方

大人計画、グループ魂、松尾スズキときたら、クドカン。

20代のときはクドカンに翻弄されて生きてきた人間にとってクドカン脚本となるとなにはともあれ見ねばとなる。

1月スタートの「不適切にもほどがある」だ。

昭和のダメおやじの不適切発言満載!のPRみた瞬間、わっしょいわっしょい。

なんてったって当時、不適切なんて思いもしなかった言葉が今じゃ、不適切だらけ。きっと共感すること間違いなしだ。

案の定、1話から、ブス、ケツバット、チョメチョメと懐かしいワード満載。

ブスといえば、中学校1年生のとき。遠足か何かの写真が掲示板に貼られて、自分の顔に「←ブス」と書かれた。

かわいいとは思ってなかったが、ブスと書かれるほどブスでもないじゃんねと当時から自己肯定感たっぷりのわたくしめがとった行動は

←とブスの間に←をさらにかいて「隣の人よりは」

と書き足した。ツーショット写真の隣がかなり美人さんだったのでそのせいでしょといわんばかりに。

ケツバットといえばこれも当時やられた。中学校の教室で、男子と一緒になってほうき野球をやり、これまた案の定、窓ガラスガッシャーんだ。

やったのはわたしではないし、そのときもうほうき野球から退散していたにも関わらず、その場にいた全員の「連帯責任」と先生にいわれ、男女問わずロッカーの淵に手をおき、尻を出して、ケツバットよりもいたそうな竹刀でばっちばっちたたかれた。ちなみに、剣道の先生だったから。

チョメチョメは言ったことはないが、「A、B、C」はよく言っていた。

とまあ、今でいう不適切発言が昭和の人間にはものすごく響く。
何か言い分があるときに和らげる効果を期待してか、いきなりミュージカル調になるのは微妙だがまあよしとする。

そんな昭和の時代によくいたあるある体育教師が阿部サダヲこと「地獄の小川」。

中学時代の体育教師は、地獄ではなく「鬼の佐藤(仮名)」と言っていた。

そんなことを思っていたら、自転車を必死にこいでるシーンをみて
「おお!当時、鬼こぎでいくぞ!」
とかいってたなと思い出した。

同じ「鬼」でもなんかニュアンス違うな~。と国語辞典で確認


1.想像上の恐ろしい怪物
2.残酷で血も涙もない
3.他をかえりみずに一つのことに集中すること

鬼の佐藤が2番で、鬼こぎが3番といったところだ。

よく「鬼の居ぬ間に洗濯」といって、怖い人(先生)がいない間にくつろぐ(自習をしない)なんてこともしたし、「鬼の目にも涙」といって、いつもは怖い監督も、手ごわい相手に奇跡的に勝って、うるんでたなんてこともあり、よくよく考えてみると「鬼」って怖いだけじゃないのよねとドラマをみて、中学時代の「鬼」の使い方を考えていた。

そういえば、北斗晶が「鬼嫁」なんて言われているけれど、ほんとうは情に厚くて家族のことを考える「良妻」というのが垣間見える。

「鬼」って言われている人、モノほど、怖い、恐ろしい人じゃないのではなかろうか。

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