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4年間続けた間借りチャイ屋の節目 / 想像以上の新生活

早いもので妊娠生活も9ヶ月目に入り、おわりが見えてきたなと思う。(おわりというより始まりなのだろうけど。)

日を追うごとに胎動はどんどん激しくなって、外から見ても分かるくらいにお腹がモニョモニョ動いていて可笑しくなってしまう。

2か月後にはもう外に出てきているのか…と思うとなんとも不思議な気持ちになる。


4年間続けた間借りチャイ屋の節目

先日、産前最後の富士見台トンネルでの出店を終えた。

春に妊娠が分かってから、お店に立つのは11月くらいまでと考えていた。幸いにもつわりで大きく体調を崩すことはなく、一度の急な休みを除いて月曜日の出店を続けることができた。

富士見台トンネルでの月曜出店を始めたのは4年前、2020年の10月。
当時国立には縁もゆかりもなかったのだけれど、別のシェアキッチンを一緒に借りていたクナーファ屋の山田くんに連れてきてもらい、富士見台トンネルを初めて訪れた。

大きなガラス張りの店構えに、天井が高く開放的な空間。シンプルで洗練された店内に一目惚れし、「ここでお客さんにチャイを出したい」と思いその場で出店させてほしいと申し出た。

始めた当初はクナーファ屋さんとの共同出店。

出店を始めた当初の私にとって、週に1日だけ”チャイ屋”をするのはあくまで趣味の延長。メインの収入は他の仕事で得ながら、自己表現の一つとしてチャイを淹れている、という状況だった。

社会人1年目で大きな挫折を経験してからは、とにかく好きなこと・やりたいと思ったことを片っ端からやってみようと決めていて、その当時やりたいことがたまたま「チャイを淹れること」だった。
将来的にチャイ屋さんを開きたいとか、生業にするぞとか、大きな野望があったわけではないし、もしチャイを淹れることが好きでなくなったら、辞めてまた別のことをしようと考えていた。

もともと自分に自信のあるタイプではなく、そこに仕事での挫折経験も加わって下がりに下がっていた自己肯定感を少しでも上げるための、いわばリハビリのような活動。

自分の淹れたチャイを、「おいしい」と飲んでもらえる。「人のために、何かできているのかも」という感覚がはじめてで嬉しくて、毎週お店を開けていた。

出店を始めてから3年が経った2023年の秋、結婚をして家庭を持つことも考えるようになったタイミングでブランドをリニューアル。(リニューアルの経緯は長くなるので、また別の機会に。)
そこから1年が経ち、気づけばもう4年間、ほぼ毎週チャイを淹れ続けてきた。

11月4日の最終日。
祝日が重なったこともあり、開店からCLOSEの18時ギリギリまで、たくさんの人が立ち寄ってくれた。

「元気の出るチャイをありがとう」
「お疲れさま」
「癒しの時間でした」
「身体に気をつけて、元気な赤ちゃんを産んでね」

きちんとお話したことがないのに、営業後にわざわざメッセージを送ってくださる方も。

気が付いたら、色々な人のツカノマの場になっていたんだな。
もちろんお店をやる上では上手くいかないことも多くて、「毎週やるの、しんどい」という時期もあったけれど、それでも続けてきて良かったと心から思えた一日だった。

ここでひと区切りで、出産に向けてしばらくお休み。
早ければ春ごろの再開を目指して、また少しずつ準備をしていきたいなと思う。



想像以上の新生活

ドタバタと国立に越してきてから、早1ヶ月が経った。

新生活に慣れるまで多少のストレスは覚悟していたのだけれど、驚くほど快適な日々を送っている。
仕事をしながら過ごしてきた4年間で、ある程度の土地勘と、人との繋がりができていたことが大きいと思う。

暮らし始めてすぐに「いいな」と思ったのは、国立という街(というか主に谷保エリア)がコンパクトでとても便利であること。
近くにスーパーとドラッグストアがあり、小さな商店街もあってお肉屋さんや八百屋さんなど個人商店も充実しているので、日常的な買い物に全く困らない。大きな買い物をしたければ、立川や府中にもすぐに出られる。
郵便局や市役所も徒歩圏内で、現在妊娠中で特にいろいろな手続きがあるので大変助かっている。

コンパクトであるが故に知り合い(お客さまも)との遭遇率が高くてドキッとすることもある。笑

引越し前は3年ほど国分寺に住んでいて、そちらはそちらでとても便利だった。

中央特快が停まるので都心へのアクセスが良いし、駅ビルに行けば大抵何でも買うことができる。チェーン店も含め飲食店が充実していたので外食するのも楽しかったし、何より大好きなラーメン屋さんが沢山あった。

ただ物質的な豊かさは十分だった一方で、人との繋がりはほとんどないまま生活していた。(これは決して街のせいではなく、積極的に地域活動に参加できなかった自分に原因があると思っている。)

谷保で暮らし始めてから一番変わったのは、自分自身の心のゆとりだ。

例えば朝起きて、夫(基本的に先に家を出る)が洗うはずだったシンクの食器が残されていても、その日出すはずのゴミが残っていても、「やっておくからいいよ」と言えるようになった。以前は文句の一つでも言ってやりたい、と思ってしまうことが多かったのだけれど、今は「まあ私がやればいいか」と思える。

前の家に住んでいた時、家事は正直めんどくさいものでしかなかった。
料理は時間がある時(且つ気が向いたら)にするくらい。洗濯も、狭くて軒のないベランダに干すのが嫌で、2、3日に一度まとめて回しては近くのコインランドリーの乾燥機を使っていた。掃除もマメな方ではなく、必要最低限。

そんな自分が、引越してきてからは少しずつ家事を楽しむようになった。
キッチンが広く料理しやすいので、ほとんど毎日のように自炊をしている。ベランダも広々としていて、朝登校する小学生の声を聞きながら洗濯物を干すのが日課になった。ごみ出しも、風で木の葉が揺れる音や野鳥の鳴き声が聞こえてくるので、気持ちのいい散歩の時間になっている。

今までの暮らしの様子からは考えられない、大きな変化。夫も、私の急な家事意欲の向上にちょっと引いているくらい。

もちろん、引越したてだからこその新鮮さもあると思うし、慣れてきたら今感じている楽しさやときめきはなくなってしまうかもしれない。
けれどこの先も心にゆとりを持って、季節の移ろいを感じながら、穏やかに暮らしを営んでいけたらいいなと思う。


おわり


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