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他人に「性転換手術」(性別適合手術)を迫ることの残酷さ(ホルモンバランスからみて)

最近、トランス(トランスジェンダー)バッシングの一環で、「手術していない方が悪い」「手術しろ」などの言説をみかけるようになりましたので、それに対して、私はトランスジェンダーではなく、性転換手術(性別適合手術)をしたわけでもありませんが、考えるところがあったので、ツイートしたものを、noteでも紹介させて頂きますね。

なお、最後の方だけ有料にしています。もしよろしければ投げ銭的に寄付頂けますと嬉しいです!あ、性分化疾患を考えるコースの方は引き続き無料でご覧頂けます。

さて、

外野なのであまりトランスの問題に口出しすべきでは無いと思いつつ、でも気になるツイートを見つけたので。 手術していない(性腺除去手術をしていない)トランスはトランスと認めない言説、確かに一理あると思う部分もあるけど、でも、性腺不全(性腺機能低下症)とか、性腺の問題で苦しんできた&苦しんでる私の立場からだと、もやる部分はあって。

性腺除去手術、単に去勢というだけではなく、性ホルモンのバランスも崩す手術になるのですが(性腺取るので、性ホルモンが出なくなるのは当然)、そうなると性ホルモンの補充を必要とするわけでして、これが難しい。

ハッキリ言って、私は以前は先天性性腺不全(性腺機能低下症)で、戸籍性の男性ホルモン補充療法等を行っていたけど、ホルモンバランス保つのが難しかったし、補充しててもしょっちゅう体調不良起こしたし、切れてきたころがハッキリわかるくらいに体調の波もあったし、合う合わないの問題もあるしで、本当に大変でした。

それだけ、性ホルモンって重要な働きをしてるし、体調やメンタルに影響を及ぼすし、場合によっては健康や命にも関わるものなのですが、薬で補充となると、どうしても普通に分泌されるのとは違い、一定量になるので調整が難しい。変化つけられない。

その、ホルモン補充療法でのバランスの難しさ、しんどさを(先天的理由ですが)知っている身からすると、そう簡単に、性腺取る手術受けろや、とは言えないです。特に手術は不可逆(元に戻せない)ので、取った性腺を戻すわけにも行かないので、性ホルモン補充が合わなかったり、体調・メンタル・健康・命に影響が及んでも、手の打ちようがないのです。

なので、性ホルモンの重要性と、性ホルモン補充の難しさ、しんどさなどを、先天的理由で不幸にも知っている身からすると、さすがに性腺取る手術受けろよとは、残酷すぎて言えないです。

私の場合、男性ホルモン補充療法等が身体にあわず、注射のたびに頭痛・嘔吐・蕁麻疹などに悩まされ、線維筋痛症や躁鬱病などの原因になったとも医師に推定されています。やめた今の方が楽です。先天的理由で性ホルモンが出ない・少ない人の話でも、合う合わないが分かれていて、補充している人でも、副作用に悩まされている人もいますし、補充していない人は体力低下や骨粗鬆症やいろんな健康問題に直面している人もいます。それだけ、性ホルモンって重要な役割を果たしているのです。

その性ホルモンを出す器官を、本人の意思なら良いですが、他人が取れと言うのは残酷すぎる気がします。あくまで実体験ベースですが。

で、こと私の話に戻すと、男性ホルモン補充療法等があまりにも辛くてやめたのですが、不思議なことに(医師も非常に珍しいとした上で)、脳からの性ホルモンを出せという命令系がある程度回復していて、性ホルモンがある程度自力分泌出来るようになっています(血液検査で確認)。ただし、困ったことに、男性ホルモンだけでなく、女性ホルモンも上昇しており、挙げ句、男性ですが月経(生理)まで引き起こした始末ですがねw(と性分化疾患の第一人者の先生から言われた)。

でも、自力分泌での性ホルモンで生活している今の方が、(月経期間を除いて)圧倒的に楽です。まあ、生理周期に伴う気分変動は、まだ思春期女子状態なので、慣れないので、メンタルは波がありますが。男性ホルモン補充療法等がなんだったのだろう状態なほどに、今は楽です。そりゃ、ホルモンバランス的には、自然分泌がいま、女性ホルモンが強いのに、そこに男性ホルモン補充療法等を行っていたわけで、無理矢理GID(性同一性障害)治療を行っていたような状況があった可能性もあり、そりゃ辛いよねと思いつつ、その辛さを知っている分、他人に強制はしづらいです。

引き続き私の話。いま、性分化疾患の第一人者の先生から、卵巣成分と精巣成分双方の存在の可能性を指摘され、セオリーから言うと、片方を手術で摘出するのらしいのですが、今が丁度良いホルモンバランスで生活しており、身体が楽なので、また片方を摘出してホルモンバランスを乱すのは、お断りです状態です。なので、手術を勧められても断るつもりです。悪性腫瘍(癌)化リスクは高いのですが、それを甘受した上で。ホルモンバランスを乱す行為はもうしたくない。セオリーだと戸籍性にあわせて、卵巣成分を摘出し、男性ホルモン補充療法となるのですが、またあの頭痛・嘔吐・蕁麻疹かと思うとぞっとします。なので、月経とかで苦しんではいますが、あと思春期女子状態でメンタルの波がありますが、でも前の男性ホルモン補充療法等してたときの体調不良に比べればマシです。

話を戻します。その、ホルモンバランスを無理矢理乱して、自分で自然調節出来ない状態にする、性腺除去手術を、他人に強制するのは、やっぱり性ホルモンに翻弄されて、苦しめられてきた身からすると、残酷すぎて、しろとは言えないです、実感レベルで。

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