みずはらクリニック 児童精神科・精神科・心療内科
発達障害をどう理解したらいいのか、児童精神科の専門医がわかりやすくキホンを説明します。
発達障害の特性を持つこどもは不登校になってしまいやすいですが、その理由や考え方について解説していきます。
発達特性を持ったこどもをたくさん診療していることもあって、不登校になっているこどもにもたくさん出会います。学校に行けないことは、こどもにとっても親にとっても、学校の先生にとっても頭を悩ませる問題なのですが、まず確認しておきたいことは、そもそも「不登校は問題行動ではない」と国も通知を出していることです。 これには私も賛成です。不登校になったこどもについて、解決すべきことは「学校に行けるようになること」ではないと、まず周囲の大人が理解することが大切です。そのため、不登校児の
発達障害の特性を持ったこどもの子育てでは、保護者や支援者が悩むことは数多くあります。診察ではいつもそんなお悩みの相談をうけますが、その中でとても本質的で大切、だからこそ答えが難しいのは、「どこまで頑張らせたら良いですか?」と言う質問です。 もう少し詳しく書くとするなら「発達障害という生まれ持った特性によって苦手なことについては、年齢相応には出来なくても仕方ないから、その課題について頑張って取り組ませなくても良いのか。それとも苦手だからと言って取り組まないままだと、ずっと
Netflixで「古見さんはコミュ症です。」というアニメがあり、コミュ症の専門家としては押さえておくべきと思い見てみたところ、とても面白かったし、専門家として色々思うところがありました。診療が忙しく、なかなかnoteが更新できていませんでしたが、かなり久しぶりに書いてみたいと思います。 「古見さんはコミュ症です。」は漫画がアニメ化されたもので、ストーリーとしては分かりやすい恋愛ラブコメディーですが、女子高生のヒロイン古見硝子(こみしょうこ)さんの設定が変わっています。皆が振
「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。 今回は「普通の不登校」について考えてみたいと思います。すこし長い文章になっていますが、とても大事なポイントなので、お付き合いください。 ここでいう「普通の不登校」とは、不登校の背景に、これまで書いてきたような「自閉スペクトラム症の不登校」や「ADHDの不登校」、「学習症の不登校」や「不安障害の不登校」とい
「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうです。前々回はADHDの不登校(自己コントロールが苦手)について書きましたが、今回は学習症の不登校について考えてみます。 学習症の特性については「発達障害を考えるときのキホン4 〜限局性
「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。(といっても、前回書いてから、だいぶ時間がたってしまいました・・・) 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうです。前回はADHDの不登校(自己コントロールが苦手)について書きましたが、今回は不安障害の不登校について考えてみます。
「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうです。前回は自閉スペクトラム症の不登校(集団が苦手)について書きましたが、今回はADHDの不登校について考えてみます。 ADHDの特性については「発達障害を考えるときのキホン2 〜ADH
この記事では、発達障害かもしれないと考えて受診される方やそのご家族、さらに発達障害を持つ方を支援する方、あるいはご本人が、発達障害を理解するための基本になる考え方をわかりやすく説明します。先に以下のリンクの記事をお読みください。 ・発達障害を考えるときのキホン1 〜知的障害(知的発達症)〜 ・発達障害を考えるときのキホン2 〜ADHD(注意欠如・多動症)〜 ・発達障害を考えるときのキホン3〜自閉スペクトラム症(ASD)〜 ・発達障害を考えるときのキホン4〜限局性学習症(S
「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうですが、まずは自閉スペクトラム症の不登校から、少し掘り下げて考えてみましょう。 自閉スペクトラム症の特性については「発達障害を考えるときのキホン3〜自閉スペクトラム症(ASD)〜」に書い
長男が「面白いよ!」と教えてくれたアニメ「Dr.STONE」には「スイカ」というド近眼のかわいいこどものキャラクターが出てくる。このアニメはなんらかの理由で人類が石化し、主人公の天才科学少年「石神千空」も石化してしまうのだが、そこから時が経って人類が科学力を失い、原始時代化してしまった未来に石化の解けた主人公が現れて、様々な知識と科学力で仲間を助けていくという話である。そして長男がいうように確かに面白いし、勉強になる。 そしてその「スイカ」という少年はド近眼で全然物が見
この記事では、発達障害かもしれないと考えて受診される方やそのご家族、さらに発達障害を持つ方を支援する方、あるいはご本人が、発達障害を理解するための基本になる考え方をわかりやすく説明します。先に以下のリンクの記事をお読みください。 ・発達障害を考えるときのキホン1 〜知的障害(知的発達症)〜 ・発達障害を考えるときのキホン2 〜ADHD(注意欠如・多動症)〜 ・発達障害を考えるときのキホン3〜自閉スペクトラム症(ASD)〜 キホン1では知的発達症について、キホン2ではAD
この記事では、発達障害かもしれないと考えて受診される方やそのご家族、さらに発達障害を持つ方を支援する方、あるいはご本人が、発達障害を理解するための基本になる考え方をわかりやすく説明します。先に以下のリンクの記事をお読みください。 ・発達障害を考えるときのキホン1 〜知的障害(知的発達症)〜 ・発達障害を考えるときのキホン2 〜ADHD(注意欠如・多動症)〜 キホン1では知的発達症について、キホン2ではADHDについて書きましたが、この記事では自閉スペクトラム症(ASD)
この記事では、発達障害かもしれないと考えて受診される方やそのご家族、さらに発達障害を持つ方を支援する方、あるいはご本人が、発達障害を理解するための基本になる考え方をわかりやすく説明します。先に以下のリンクの記事をお読みください。 ・発達障害を考えるときのキホン1 〜知的障害(知的発達症)〜 キホン1では知的発達症について書きましたが、キホン2ではADHD(注意欠如・多動症)について説明したいと思います。まずは下のパンフレットのイラストを見てください。 これはADH
この記事では、発達障害かもしれないと考えて受診される方やそのご家族、さらに発達障害を持つ方を支援する方、あるいはご本人が、発達障害を理解するための基本になる考え方をわかりやすく説明します。 発達障害という言葉は昔に比べるとかなり世の中に浸透してきているので、今では幼稚園や小学生といったいわゆるこどもの頃に「発達障害があるんじゃないか?」と疑われて、お医者さんの受診につながることが増えてきました。それ自体は良いことですが、そのせいでほぼ日本中どこでも、こどもの発達障害を診
~こどもから大人まで、地域の専門家として知識と経験に基づく医療を~ 発達障害の含む多くの児童青年期の精神的な問題は、病気というよりは個人の特性と、環境との相性が良くないことで引き起こされます。 そのため児童精神科医の関わりとは、こどもを正しい方向に「治療する」というよりも、その子の個性や得意なことを伸ばし、苦手なことで必要以上に自信を失ってしまわないようにすることです。安心できる環境で、その子が自分の個性を生かして、心も身体ものびのびと成長できるようにすることが重要です