娘を傷つけてしまった
病院通いをやめてから半年が経つ。
娘は、自分が病院に通っていた事、発達障害だという事、入院していた事…… 全部忘れてしまいたい、出来ればなかった事にしたい!と思っている。
今の娘は、去年のような弱々しい娘ではなく、物事をしっかり考えて計画を立て、勉強やバイオリンを疎かにせず頑張っている。去年の一年間を挽回するかのように、きちんと歩もう!という思いがヒシヒシと伝わってくる。
だが、昨日、そんな彼女を傷つけてしまった……
最近、息苦しさや詰まった感じが再び娘を襲う。夜中に発症しやすいのだが、落ち着くまで眠れなくなってしまう。これが週に2、3回発症する。
今現在、強迫性障害や幻覚幻聴等、症状が何もない娘なのに、息苦しさが突然やってくるのだけは治ってない。
娘を安心させてあげたい気持ちと私も安心したいという思いで、今回呼吸器内科を訪ねてみた。案の定、異常なし。
そして医師に、心療内科の受診を勧められた。
あぁ、やっぱりそうなのか……
あまりに普通に生活出来ていたから忘れかけていた娘の実態。
ASDである事を否定している娘も、きっと再び現実を突きつけられた気分だっただろう……
娘を傷つけてしまった……
病院へ行かなければ良かったのかも知れない……
余計な事をしたかも知れない……
でも私は、これで改めてはっきりした事がある。
娘はやっぱりASDで、娘が感じる様々な身体の異変は、過剰な敏感から来るものだと。
一方、娘はこの特性がバイオリンに活かされている。4つの重音の聴音も容易に聴き取れる耳を持っているし、バイオリンの音に敏感だからこそ音色に拘ることができる。
私はそんな娘の拘りが凄い!と素直に思う。
このように敏感ゆえに優れている事もたくさんあるのだ。
だからASDは悪い事ではない。
娘が発達障害だという事を思わないようにするのは自由だ。(発達障害と思っていると人生甘えてしまうから嫌だという理由だそうだ。)
私も普段は娘を発達障害者だとは見ていない。忘れている。それで良いと思っている。
誰にだって得意不得意があるように、敏感な子、鈍感な子がいたって良い。
娘を一人の人間としてみればいいだけなのだ。
追伸:
娘へ
もし医師の言葉で嫌な思いをしてしまったのなら、病院へ行こうと提案したお母さんのせいです。ごめんね!