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“能トレ” はじめましたで候

グーグルのアルゴリズムにいざなわれ、狂言の世界に辿り着きました。日本人としてお恥ずかしながら、狂言と能の違いもよく知らず、それらをまとめて「能楽」と呼ぶんだ、ふーんそうだったのか(中略)ではちょっと本でも買ってみて知識を得ようかということになり・・・

さっそく“楽市”にて買った書物がこれにて候
『マンガでわかる能・狂言』

これはなんともわかりやすい!!さすがマンガの力なり
思えばいにしえよりマンガで歴史に詳しい子方がいたものよ
この書物にて、それがしの脳内にある “能スイッチ” がオンになり申した
初心者にはうってつけの書物にて、ぜひとも皆の者にもおススメしたいと存じまする

(注:すぐになりきるタイプなので、ことばづかいは気にしないようにww)

初心者における能の観賞でもっとも気がかりなのは、難しくて寝てしまいそうということではあるまいか?ところがこの書物によると、
・考えるな、感じろ(ことばが分からなくても大丈夫)
・眠くなったら寝てもいい(ウトウトと夢見ごこちで鑑賞するのもアリ)
とのことなり

また、ウトウトする時間が夢と現実の境を曖昧にし、なんと瞑想と同じ感覚になるやも知れぬという(謡・お囃子の音やリズムで “ゾーンに入る” 体験ができる)
サウナに行くでもなく、マラソンなどひたすら走るでもなく、はたまた怪しげな薬品を使わずとも、アノ感覚を味わえるとはどういうことか

さらに、能は能動的なエンタメ(鑑賞者が想像しなければならない、 “Show”というより "Art" 感覚?)であるからして、普段あまり使わない能力を使うこととなりにけり

やや?!これはまるで能を使った脳のトレーニング
すなわち “能トレ” ではあるまいか

能の表現や道具などは最小限で(端折れるところは端折るらしい)、あとはこちらの想像力にお任せされてしまう
至れり尽くせりのエンタメばかりのイマドキに、このセルフサービス加減が面白い

動きが少ないゆえ、これは「絵画」に近いやも知れぬ
効果音つき絵画がゆっくりと動いていく、まるで "アハ体験" 
絵画鑑賞同様、何を感じとるかはこちらの自由
さすれば初心者の能への入り口は、意外と広いのではあるまいか

そして最後には余韻を味わう
演者が粛々と去り、舞台上の作り物や楽器が片付けられていき、元の何もない舞台へ戻るまでの時間は夢から覚めるまでの時間であり、観客はゆるりと現実世界に帰還する
ゆえに最後に拍手はいらないというのも斬新なり

解説にもあったが、これはなにより現場で体験するのが一番良かろう

思い立ったら即行動、さっそく近々で見れる公演を探して行って参った
あらすじや見どころの予習もあり、かぶりつくように鑑賞したため眠くなる “夢にごごち” は体験できずとも、それがし大満足の時間を過ごしたで候・・・
*ただ不思議と見た後は瞑想後のような頭になりにけり

以来、動画チャンネルでいくつか曲目を見ていると、「ヨオ~ぉ」とか「ホッ」など真似したくなってくる
意味も分からず感覚的に真似したくなるとは、それだけでもこれが何なのかというさらなる好奇心、探求心がわいてきた
次回は狂言も見たいでござる

どうやら一度入ったそれがしの “能スイッチ” はオンのままゆえ、さらに “能の脳” を鍛えるべく、別公演の席を早々に予約した次第
今度は能楽堂の正面席ゆえ、思う存分 “能動的エンタメ” を体感してみたいで候・・・

ということで、

古いが一番新しいというのか、能は昨今流行りの「没入型」のエンタメみたいですね

単純に、現代人はみんな体感したほうがいい

超スローな動きが忙しさに麻痺した脳を中和してくれるし、
情報過多の世界に疲れた脳には、この能の時間の流れは癖になるかも
適度な現実逃避がストレス解消にもなるし

そして私は "能トレ" で日本人のペースと感性を取り戻したいかな
導いてくれたのがグーグルさんとは皮肉なものですが









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