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『ひとりだから楽しい仕事: 日本と韓国、ふたつの言語を生きる翻訳家の生活』感想

確定申告書類を税理士に送ったので、とりあえず確定申告作業からは解放されました。
(まだ確定申告が終わったわけではないので、税理士から確認や追加書類を求められる可能性はありますが、とりあえず私のターンは一旦終わりました。)

急にヒマになったため、『ひとりだから楽しい仕事: 日本と韓国、ふたつの言語を生きる翻訳家の生活』(日本文学を数多く翻訳されている韓国の翻訳家さんのエッセイ)を読みました。

私の翻訳の仕事とは言語が違うし、分野も違うのですが、
共通点もある(SNSをつい見てしまう、宅配便が届いて翻訳作業が中断するなど)ので、
ほどよい距離感がありつつ、共感する部分もあったので、
読み物として気楽に読めたし、おもしろかったです。

翻訳本なのでエッセイにしては割高でしたが、ユーモアが溢れていておもしろく(おそらく日本語訳が上手いせいもあると思います。ちなみに日本語への翻訳を担当されているのは藤田麗子という方。自分で訳してないんかい!とちょっと思いましたが)、一気に読破しました。

著者とは大きく分類すれば同じ「翻訳家/翻訳者」のくくりにはなるのかもしれませんが、出版翻訳には縁遠い私には、
筆者の「本屋で目ぼしい本を見つけては、本を買う前に巻末の出版社の連絡先に翻訳の売り込みをして、OKが出たら本を買って翻訳する」という仕事のやり方は、
どちらかといえば作家に近いな、と思いました。

産業翻訳の場合、クライアント側から頼まれた翻訳をそのままやるスタイルが圧倒的に多いからです。

韓国の出版翻訳は、昔は「買い切り」しかなかったらしいのですが、
今は「買い切りのみ」「買い切り(買い切りのみの場合より料金は低い)+(一定部数以上)印税」の選択肢があるらしいです。
かといって、「買い切り + 印税」の方がお得とは限らないようです。
(本が売れなかったら「買い切りのみ」の方が収入が多くなるケースもあるらしいので)

私は出版翻訳をやらないのですが、出版翻訳もやっている産業翻訳者の方の話を聞く限り、
出版翻訳が経済的に厳しいのは日本も同じのようです。

ちなみに著者はシングルマザーの方。
出版翻訳で自分1人でも食うのは大変だろうに、子供がいたら尚更だと思います。
翻訳家として名を馳せ、子供も育てたというのは大変立派。

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