ギリシャ神話 金の羊とセロトニンと腸内細菌
ギリシャ神話に登場する羊で有名なのは、アルゴナウタイに登場する金の雄羊。この羊は、牡羊座になっています。ギリシャ神話では羊は消化を象徴した存在として描かれていると思う。
アルゴナウタイはコルキスの金羊毛を求めてアルゴー船で航海をした総勢50名の英雄たちの総称である。
まず、金の雄羊の出自から。
カドモスとハルモニアーの娘イーノーは、ボイオーティアの王アタマースの後妻となる。 アタマースには前妻ネペレーとの間に二人の子、プリクソスとヘレーの兄妹があり、イーノーはこの二人に悪意を抱いていた。 イーノーは、密かに土地の女たちに種麦を焙らせて作物が実らないように工作した。穀物が芽を出さないのを怪しんだアタマースがデルポイの神託を仰ごうと使者を送ると、イーノーはこの使者を買収し、プリクソスをゼウスの生け贄に捧げるよう神託があったといわせた。
アタマースがプリクソスを生け贄にするために山頂に引き立てたとき、ヘーラクレースがプリクソスを救った。プリクソスは妹のヘレーとともに金毛の羊の背に乗って逃れ、二人が乗った牡羊はコルキスの「金羊毛」として後のイアーソーンとアルゴナウタイの冒険につながる。
イーノーの父カドモスは、あのエウローパの兄。 母は軍神アレースと美の女神アフロディーテの娘ハルモニアー。 後述するが、この二人は、脳下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン「バソプレッシン」と幸せホルモン「オキシトシン」のこと。
イーノーの姉妹には、セメレーがおり、ゼウスとの間に酒と酩酊の神デュオニソスを産む(実際はゼウスの太腿から出てくる←これ重要)
最高中枢視床下部(ゼウス)から伸びる脳下垂体前葉、そこから分泌される甲状腺刺激ホルモン(チロキシンの分泌を促す)が、デュオニソスになる。
甲状腺ホルモンチロキシンは、Lフェニルアラニンからチロシンとなり、それから生成されるが、チロキシンはさらにLドパ→ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンになる。
Dフェニルアラニンは、フェネチルアミンに変換される。フェネチルアミン誘導体には広範・多様な化合物が含まれ、神経伝達物質、ホルモン、覚醒剤、幻覚剤などがある。デュオニソスが狂気の顔をもつ所以である。
フェニルアラニンはタンパク質構成アミノ酸であり、必須アミノ酸(食物から摂取必要)
血液脳関門を通過する際にトリプトファンと同じチャネルを使用しており、大量に存在するとセロトニンの生成を阻害する。
この相関性を踏まえて、物語を見ていく。
イーノーはフェニルアラニン。フェニルアラニンが妨害するのは、セロトニンの生成。 セロトニンは、必須アミノ酸トリプトファンから体内では主に小腸にある腸クロム親和性細胞、および腸クロム親和性細胞様細胞が産生し、腸の蠕動亢進に働く。 また、特定の腸内細菌がセロトニン生成に関わっていることも明らかになっている。
セロトニンは、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させるほか、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。
プリクソスを救うのは、ヘラクレス。
これも後述するが、ヘラクレスは受精卵のDNAの複製、螺旋構造を象徴している。 セロトニンが「らせん卵割」の分裂方向の決定に関与するらしいことから、山頂に生贄にされたプリクソスは、細胞分裂時の極性としての、セロトニンの役割を指し、これをDNAがキャッチするということだろう。
こうしたセロトニンを乗せているのが、金の羊になる。
金の羊ー腸内細菌
金の羊は、腸内細菌、そしてその毛皮は腸管免疫になる。
アルゴナウタイの英雄達は、腸管免疫獲得のシステムを象徴している。