カカオマス

古事記やギリシャ神話に隠されたメッセージを読み解いています。

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  • 星図で読み解く古代史

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    ギリシャ神話の物語と身体の仕組みの相関性について読み解いています

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二十四節気七十二候からみる古代史

二十四節気とは、中国の戦国時代の頃に発明され、四季気候などの視点で地球上の一年を仕分ける方法。 二十四節気をさらに約5日ずつに分けた七十二候という。 今日は10月10日、10月初旬、二十四節気では寒露に入り、七十二候でいうと 初候 鴻雁来(こうがん きたる)雁が飛来し始める(日本) 鴻雁来賓(こうがん らいひんす)雁が多数飛来して客人となる(中国) 次候 菊花開(きくのはな ひらく)菊の花が咲く(日本) 雀入大水為蛤(すずめ たいすいにいり はまぐりとなる)雀が海に入って蛤

    • ギリシャ神話と人体の機能 原初神夜の女神ニュクスと匂いと光

      ニュクス ギリシャ神話に登場する原初の神で、夜の女神である。ニュクスとはギリシャ語で夜の意味で、夜の神格化である。 ニュクスは根元神カオスから生まれ、奈落のタルタロス、大地のガイア、愛と欲望のエロース、暗黒のエレポスとは兄弟。 ホメーロスによれば、ニュクスはゼウスにさえ恐れられ尊ばれている女神であると言われる。 ギリシャ神話は人類がいかにして様々な機能を獲得していったかが記された物語である。 カオスは未分化の細胞塊であり光である。 ガイアとタルタロスは細胞分化の系譜を

      • ギリシャ神話と人体の機能 アルゴナウタイと免疫獲得

        アルゴナウタイ テッサリアのイオールコスの王子イアーソンは、父から王位を奪ったペリアースに王位の返還を求めるが、コルキス(黒海東端の王国。現在のグルジア西部)にあるという黄金の羊の毛皮(金羊毛)を要求される。 イアーソーンは女神アテーナーの助言を受けて、船大工のアルゴスに50の櫂を持つ巨船を建造させ、船名をアルゴスの名から「アルゴー」(「快速」の意)とした。 アテーナーは、ドードーナのオークからものを言う材木をアルゴーの船首につけた。 イアーソーンが船員を募ると、ギリシャ中

        • ギリシャ神話と人体の機能 カサンドラの悲劇とアポロンの呪い 珪素の役割

          ギリシャ神話に登場するカサンドラ。 最近はカサンドラ症候群で有名なような。 カサンドラ症候群 パートナーや近しい人がアスペルガー症候群をはじめとした共感性の低い特性がある場合に起こる、心身の不調のこと。 ギリシャ神話のカサンドラはトロイの王女 太陽神アポロンに愛されたカサンドラは、アポロンから予知能力を授かる。 しかし、その能力でアポロンに捨てられる未来を予知したカサンドラは、アポロンの愛を拒絶したので、怒ったアポロンに「カサンドラの予言を誰も信じない」という呪いをかけら

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          神武東行と北斗七星と星座の誕生

          神武天皇は北斗七星である。 北斗七星の誕生は、時計の誕生であり、 星座ー情報伝達ツール(文様、物語)の誕生でもあった。 それは極めて重要な情報ー水に関する情報であった。 神武天皇は、時計と文字と水の象徴である。 神武天皇は兄五瀬命と共に高千穂宮に坐す。 祖父日子穂穂出見は紀元前3000年頃の北極星トゥバーンであるが、この祖父が高千穂宮に580年間坐していた。 高千穂宮とは、春分点から引いた東の円の事。 トゥバーンが北極星の役割を終えた為、新たな北極星を探した。 全く上手くい

          神武東行と北斗七星と星座の誕生

          北斗七星と神倭伊波礼毘古

          神倭伊波礼毘古は神武天皇の古事記での表記である。 神武天皇は、日本の始祖とされる。 神武天皇は 天下のまつりごとを平らけく聞こうと、東に向かう。 東の空には様々なサインが乱立していたものを統合し、法則化したという意味だろう。 最初に結論から言うと、神武天皇は北斗七星を指す。 神武天皇の祖父日子穂穂出見命は、北極星トゥバーン。その祖母豊玉毘売は海神の女、豊む玉、オリオン座。 海神は黄道を指す。 この頃、春分点はオリオン座方向となっている。 北極星と黄道上の星との関連性に気

          北斗七星と神倭伊波礼毘古

          風水と龍と金星 登美能那賀須泥毘古

          登美能那賀須泥毘古(とみのながすねひこ) 神武天皇が天下を平らげる際に強敵となった相手。 とみの・ながすねひこ 言葉の響きからは 豊富な(東海の)・流す音 漢字の意味からはその具体的内容が読み取れる 登 トウ、ト、のぼる、すすめる、みのる 癶(はつ)と豆とに従う 癶は両足をそろえる形で出発の時の姿勢 豆は踏み台の形 説文では「車に上るなり」としている 北斗七星は天帝の車に見立てられるが、関連性をもつと思われる。 北斗七星の台座が倒立する様が豆だろう。 北斗七星が明け方東

          風水と龍と金星 登美能那賀須泥毘古

          太占の始まり 宇摩志麻遅命

          神武天皇に降った邇芸速日命が登美毘古の妹、登美夜毘売にあいて生める子、宇摩志麻遅命。 物部連、穂積臣、(女に采)臣の祖 宇摩志麻遅は、耳から入る響きは うまし・まち(まじ) 美しい(巧みな)・まち 「まち」とは何か? 太占で骨の表面の割れ目の模様をいう 太占(ふとまに)は古事記では布斗麻邇と記す。 「ふと」は美称とされるが、本当だろうか。 むしろ、何を占っていたかを示していると考えられないだろうか。 布は、形声で古い字形は斧に作り、声符は父。 父は斧の頭部の形「I」と「

          太占の始まり 宇摩志麻遅命

          風水のはじまり 水星と邇芸速日

          風水の起源について諸説あるが、遼河文明の紅山文化に風水の原型と見られるものが出土している。 遼河文明は中国東北部の遼河流域で起こった中国の古代文明の一つ。 BC6200年頃から存在したと考えられている。 興隆窪文化の遺跡からは中国最古の龍を刻んだ翡翠などの玉製品が発見されている。 内モンゴル自治区東部の渾善達克砂丘地帯の堆積物の検討によれば、従来は過去100万年にわたって砂漠であったと考えられていた同地帯は12,000年前頃から4000年前頃までは豊かな水資源に恵まれてお

          風水のはじまり 水星と邇芸速日

          月から読み解く古代史

          月は、月の形の象形であり、三日月の形で、中に小点を加えて実体のあることを示す。 説文によれば、月は闕で音義説をとく。 闕けたるものが月といえる。 夕は、夕べの月の形であり、半月の象とする。 ただし、この文字は小点があったりなかったり、月の象形と互易したりとバラツキがみられる。 無視できない点である。 さて、この月の形を踏まえて、明である。 明は冏(けい)と月とに従う。冏は窓の形。 明は窓から月光が入り込む意味である。 そこは神を迎えて祀るところであるから、神のことを神明と

          月から読み解く古代史

          萬葉集 多知夜麻に込めた祈り

          大伴家持が越中守として赴任した間に、数多くの歌を詠んだ その中に立山を詠んだものは 立山賦として知られる 皇神のうしはきいます立山 神ながら御名におはせる、白雲の千重をおしわけ、天そそり高き立山 など、立山を神の領有支配する、神山と仰ぐ思想が強く打ち出されている 立山は、萬葉集では多知夜麻と表記される。 柳田国男は、タチヤマは顕ち山すなわち神の顕現する山の意であると説く。 果たして家持は、赴任してこの山の壮大さにただ感嘆しただけなのだろうか。 そうではなく、多知夜麻と

          萬葉集 多知夜麻に込めた祈り

          風水 死者の葬いと石長比売

          風水には陽宅と陰宅という考え方がある。 宅とは、住居のことをいう。 陽宅とは街や家といった生きている者の生活空間を表す。 一方で陰宅とは、死者の居住空間であるお墓を意味する。 風水では、陰宅(墓)と陽宅で運気が上がるように工夫すれば、生者は子孫繁栄を得、死者は永遠の幸せを得るとされる。 お墓(陰宅)が良ければ、子々孫々に良い影響を及ぼすことができると考えるのが、お墓の風水(陰宅風水)の考え方である。 これは本来、土葬を前提とした風水技術となる。 埋葬された遺体の骨に存在す

          風水 死者の葬いと石長比売

          萬葉集 立山と片貝川

          立山が登場する最初の文献は『萬葉集』であり 越中守として赴任した大伴家持が神山として讃仰している。 この立山にとりあわせ片貝川を歌い、立山と片貝川はセットとなっている。 この片貝川が黒部川や常願寺川のように壮大な川であったなら、雄大な立山連峰に相応しかろうものを、何故 規模の小さな片貝川を対としたのか?に関しては 片貝川のほとりに立山神を祀る霊場があったためとされる。 これは、全く理由になっていない。 何故、片貝川に立山神を祀る霊場があったのか。 これこそ、謎ではないか。

          萬葉集 立山と片貝川

          萬葉集 大伴家持の残したヒント

          大伴家持が越に赴任中に詠んだとされる歌で代表的なものがある。(本人の歌とはどうしても思えないのだが) 原文 物部乃 八十■(女+感)嬬等之 挹乱 寺井之於乃 堅香子之花 もののふの、八十(やそ)娘子(をとめ)らが、汲み乱(まが)ふ、寺井(てらゐ)の上の、堅香子(かたかご)の花 「もののふの」は八十(やそ)を導く枕詞。 「もののふ」は朝廷に仕える文武の官を意味しているそうだ。 この歌の題詞には、「「堅香子草の花を攀(よ)じ折る歌」」とある。 この歌は一般的に 沢山の少女

          萬葉集 大伴家持の残したヒント

          猿田毘古と天宇受売 音楽と機と暗号

          古事記では、猿田毘古と天宇受売が猿女君に変化する話が挿入されている。 これがまた不思議な話で、 猿田毘古は比良夫貝に手を挟まれて海に沈み溺れる。 底に沈む時の名が底度久御魂 海水の粒立つ時の名が都夫多都御魂 泡さく時の名が阿和佐久御魂 という。 猿田毘古を送った天宇受売は、ハタの広物狭物を追い集めて、天津神の御子に仕えるかどうか尋ねる。 海鼠だけが返事しなかったため、天宇受売に口を切られ、そのため海鼠の口が裂けたという。 こうして御世御世島の速贄奉る時に猿女君に給うとある

          猿田毘古と天宇受売 音楽と機と暗号

          時を知らせる人 彦、姫

          古事記では、 彦は比古、毘古、日子 姫は比売、毘売、日売 書き分けられている。 つまり、同一のモノとしてはいけない。 比は、 匕と匕に従い右向きの人が二人相並ぶ形。 左向きの人が前後に並ぶ形は从にして、従の初文。 つまり右向きに意味がある。 右向きと簡単に言うが、どこに対して右向きなのか。 重要なのは、どこを基準としているか、である。 北極星が不動の星である限り、中心は北。その右は東。 つまり、東=右向きとなる。 さて、匕であるが、右向きの人以外に、匙、小刀の象形でもある。

          時を知らせる人 彦、姫