チープなたからもの
時期はだいぶズレますが,毎年2月の14日は ”バレンタインデー” として親しまれています。
本命もあれば義理もあり,嬉し,楽し,悲し,寂し,羨まし。
豊穣と繁栄を願うルペルカリア祭りの前日,結婚を司る女神ユノの祝日2月14日に殉教した聖ウァレンティヌスに由来するそう。
ちなみに,もうすぐ6月と言えば ”ジューンブライド” 。ジューン=Juneは女神ユノに由来していたり,女神ユノのフランス語読みがJunon(ジュノン)だったり,ずいぶんと話が広がりますね。
さて,そんな日のキーアイテムは ”チョコレート”。
もともとは男女相互の愛の日でありますが,日本では女性から男性にチョコレートをプレゼントすることが通例になっています。
2月は実によい月です!
世界中の名だたるショコラティエのショコラと出会えるのですから!
ピエール・マルコリーニ,ジャン=ポール・エヴァン,ピエール・エルメ,ユーゴ&ヴィクトール,デルレイ,カカオ・サンパカ・・・。
マリベルやフランク・ケストナー,イルサンジェーも素晴らしい。
個人的にはルノートルが一押しです。
だいぶ興奮してしまいました。
そんな高級チョコレートを食べられることは,間違いなく幸せでしょう。
でも,今日のわたしの幸せは,noteを書きながら,ちびちび食べてる ”麦チョコ” です。
これぞ,至福です。
何の変哲もないコンビニの麦チョコ。
中にサクサクが入っているから,袋には ”準”チョコレートなんて書かれています。
数々の高級チョコレートとは比べるべくもない ”チープ” な一品です。
そんな一品ですが,僕にとっては ”逸品” 。
小さいころから食べていたお菓子。
ひと粒ずつチビチビ食べるのが好きで,ひたすらチビチビチビチビ。
夏に食べるとけっこう溶けちゃいます。
甘すぎるわけでもなく,口いっぱいにサクサクだけ残してみたり・・・。
チビチビやってる間に,気づくと無くなっていて,なんとなく寂しくなったりします。
麦チョコも,ラムネとかタマゴボーロとか,
無性に食べたくなったりしませんか?
きっとそこには,思い出や,ノスタルジーがあるからでしょう。
舌の上で感じる幸せだけではない,プライスレスな幸せがあるのでしょう。
広いソファーで寝ればいいのに,
今日の彼のお気に入りは体いっぱいの網カゴ。
ピッタリなことが気に入ったのか,何か思い出があるのかは,猫のみぞ知るところ。
今日の宝物を見つけられたのなら,
他にどんなに嫌なことがあったって,
今日はいい日です。
今日の宝物がどんなに小さくたって,
宝物だと思えたのなら,
今日はいい日です。
つらさも悲しみも寂しさも,
一杯のお茶でもよし,
一声の誰かの言葉でもよし,
一音のギターの音色でもよし,
一目の空の雲でもよし,
一粒の麦チョコでもよし。
その小さなひとつが,きっとあなたを幸せにしてくれます。
・・・そんな心持ちで,毎日を過ごせたら,
優しくなれるなって思うのです。