雪風 吟路

「表情」の魅力。笑顔,泣き顔,怒り顔...人には多くの表情があります。色の,文字の,光…

雪風 吟路

「表情」の魅力。笑顔,泣き顔,怒り顔...人には多くの表情があります。色の,文字の,光の,影の,森羅万象の中に溢れています。愛すべき隣人「猫」にも,それは満ちています。そんな隣人たちを通して,「表情」と「感情」を,「動」の中の「静」をご覧ください。Fujifilm X-100F

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Series "Rembrandt" -Op.6-: A wish to the moon

”A wish to the moon”  久石譲さんのアルバム,コンサートから拝借いたしました。 ”A wish to the moon” 月に願いを。星ではなく,月に願いを。 ”A wish to the moon” なぜ,月なのでしょうか? かの有名な ”When you wish upon a star ~星に願いを~” はなぜ星なのでしょうか? ”A wish to the moon” ”A wish to the moon” ”A wish to the m

    • 隣にある“当たり前” は 隣にある“奇跡”

       「人という字は・・・!」 なんてセリフがありましたが, 人とはなかなか弱いもので,どうにも1人では生きづらいものです。  1人で強く生きているという人も中にはいるかもしれませんが,それはほんの一握り。  1人でも生きてはいけるでしょう。  大抵のことは何とかなるのでしょう。  ただそれは,少々寂しいものです。  家族の下から離れて一人暮らしを始めた時,大冒険の始まりのような自由を感じます。  ところがある日,眠る前の静けさの中で,あんなにも煩く感じた実家や家族が妙に懐かし

      • Series ”コトノハノコト” Page 3: フユガスギハルノキタルコト

        祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす。 驕れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し。 猛き者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ。                  ー平家物語ー 平家物語の文頭。 ”メロスは激怒した” と同じくらいに有名な筆始まりでしょうか。 ”栄枯盛衰” 時代の移りゆく様を記した名文です。 栄ー枯,盛ー衰,この世界はすべて,きっと,突き詰めれば,"二面性" でできているのでしょう。 表ー裏,陰ー陽,虚ー実

        • Series ”コトノハノコト” Page 2: カワズトビコムミズノコト

          「芝浜」という落語のネタがあります。 人情噺の大ネタでして, 魚屋の勝とその女房の夫婦愛を描いた温かなお話しです。 このお話しのタイトルである芝の浜。今は東京タワーの足元に芝の地名が残っていまして,東京は港区,第一京浜の通る辺りを呼ぶようです。 その昔は袖ケ浦と呼ばれる海岸線の,海に出れば芝浦,陸においては芝浜と呼び分けられていました。 これはまったく,驚くばかりです。 東京タワーの足元に海が広がっているというのですから。 人間の叡知と言うべきか業と言うべきか。 生きる場を

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        Series "Rembrandt" -Op.6-: A wish to the moon

          The tail tale

          フランス人は,日常の些細なことを ”幸せ” と感じる人たちだそうな。 禅にも ”日日是好日” という言葉があって, 「にちにち これ こうじつ」と読みます。 晴れの日もあれば,雨の日もある。 同じように見えても同じ日はなくて,その日その日が大切な一日ってこと。 「スカイ・クロラ」という森博嗣の小説,押井守が映像化したそのアニメーション版でも 「いつも通る道でも,違うところを踏んで歩くことができる。いつも通る道だからって,景色は同じじゃない。」 と,言っていました。 まぁ,こっ

          The tail tale

          Side storiesⅧ:Oasis

          夏の盛り,水が滴るのならイイ男だけれども,汗が滴る昼日中。 お天道様の足元で,季節が肌を焦がします。 街中では,どこかセミの声も遠く聞こえて,耳にワンワン響くこともないものです。 大地は何処と探し回り,たどり着いたら電信柱じゃ,なんとも報われないはずなのに,それでもどこかでミンミン言っている。 そんな真夏に歩いていると・・・ 最初の内は,頭の中を「暑い」が歩き回っていたのに,だんだん「熱い」が走り出す。 そのうちなんだか世界が真っ白で,頭の中で「あつい」が倒れてる。 なんて

          Side storiesⅧ:Oasis

          真面目とはね,君,真剣勝負の意味だよ。

          ”にらみ” と言うと,歌舞伎でしょうか? 先日も11代目市川海老蔵さんがスカイツリーで行った ”にらみ”。 歌舞伎における ”にらみ” は,見得のひとつですが,成田屋(市川團十郎一家)だけが披露できるお家芸だそうです。 「ひとつ,睨んでご覧にいれましょう」とくればヨヨイ。 カッと見開かれた眼,一文字に結ばれた唇。 その姿はあたかも,天地にはびこる魑魅魍魎を,許すまじと燃盛る不動明王。 実はこの ”にらみ” ,特定の誰かを睨みつけているわけではなくて,”すべてをみているぞ” と

          真面目とはね,君,真剣勝負の意味だよ。

          水は涼しく,氷は冷たく

          梅雨も明け,梅雨明けの大雨も乗り越え,夏がやってきました。 冬の寒波は ”冬将軍” というわけですが,夏の大暑はなんと呼べばいいでしょう? ・・・”夏奉行” ? 巷ではお奉行様の御沙汰を待って炎天下に座らされていたのか,熱中症が大流行でございます。 お奉行様のお沙汰ならまだ良いですが,閻魔様のお沙汰が下ってしまっては大変です。 こまめな水分補給を行いましょう。 実は私,病院薬剤師だったりします。 病院薬剤師って,なんぞ?という方は,アンサングシンデレラという作品にお目通しい

          水は涼しく,氷は冷たく

          7月7日は願う日じゃなくて叶う日?

          2日ばかり過ぎてしまいましたが,七夕でございました。 さらさらと 願いをかけて 笹の葉の           舟が越えるは 星の海原 なんて句があるかどうかは存じませんが,”ロマンティック” というものであります。 1年に1度だけ会うことができる恋人たち。 現代文明で考えるならば,スマホもインターネットも発達していますから,連絡くらいはできますが,その昔ならば手紙さえ届くかどうか・・・。 七夕の物語の美しいところは,離れ離れであってもなお,想い続けることができる2人がいる

          7月7日は願う日じゃなくて叶う日?

          Series ”コトノハノコト” Page 1: オモシロキコト

          ”おもしろき こともなき世を おもしろく    すみなすものは 心なりけり”            ー高杉晋作(下の句:野村望東尼)ー はじめにお断りさせていただくと,私自身は歴史に詳しいわけではありません。幕末の動乱期における高杉晋作という人間についても,長州藩士,吉田松陰の塾生,上海見聞,奇兵隊,S&Wを坂本龍馬にあげた人。 ・・・そんなものでしょうか。 したがって,高杉晋作なる人物の人となりを正確に知るわけではありません。 しかしながらこの銘句は,たしかに,私に1つの

          Series ”コトノハノコト” Page 1: オモシロキコト

          Series ”コトノハノコト” Page 0: ハジマリノコト

          新しいシリーズを作っていきたいと思います。 主人公は ”言葉” 。 呆れてものも言えねぇ!って文句を言っていそうな彼が発する ”言葉” は,人のそれとはまた違うものなのでしょうか? 世界には,たくさんの言葉があります。 言語の違いではありません。 意味を持った ”音” という意味での ”言葉” です。 世界には,そんな ”言葉” が溢れています。 小説の中に,漫画の中に,映画の中に,ドラマの中に,ラジオの中に・・・。 それは文字であったり,音であったり・・・。 言葉は,情

          Series ”コトノハノコト” Page 0: ハジマリノコト

          強い人の背の,負った傷の数と深さよ。

          ひとりぽつんと座る背中に, 遠く窓の外を眺める背中に, 寂しさと優しさを感じます。 寂しいことが虚しいことを, 虚しいことが哀しいことを, 哀しいことが切ないことを, 切ないことが悲しいことを, 悲しいことが痛いことを, 痛いことが苦しいことを, 苦しいことが寂しいことを・・・。 寂しさを知る人は,きっとそれを知っているから, 優しく,温かく,なれるのでしょうか。 ひとりになることが,寂しいということではないのです。 理解されないことが,寂しいということではないのです。

          強い人の背の,負った傷の数と深さよ。

          Side storiesⅦ:Blue bird

          あなたの隣にいる人へ, 最大級の感謝をいたしましょう。 あなたの隣にいる人の, ひとつでもたくさんの良いところを見つけましょう。 あなたの隣にいる人が, あなたの隣に来る前は, あなたは今より空っぽだったのだから。 ついつい,隣の芝をみてしまいます。 不思議なことに,隣の芝は青いんです。 とても溌溂として,きらめいて見えるのです。 あなたの芝が枯れた時,あなたは気づくのです。 どれほどあなたの芝が青かったのか。 無駄遣いをする時, 他人からしたら無駄なものでも, その人に

          Side storiesⅦ:Blue bird

          Series "Rembrandt" -Op.7-: It's show time !

          ー帰路ー 夜も深まって,そろそろ百鬼夜行のそんな時間。 百鬼の代わりに人が夜行の都心と違って,あたりはすっかり眠りについておりました。 肌に触れる風はわずかにヒヤリと心地よく,夜の静けさもまた心地よく。 角を曲がると,我が家がみえます。 今時,ガラス格子の引き戸と古風な我が家の玄関。 ガラスから漏れる灯りが,待つ人の有難さを語ります。 ー出会いー ガラス格子に手をかけた時, 小さな気配と声がきこえました。 「やぁ,人間が昼間っから出歩いてるなんて,珍しいじゃないか!」 あた

          Series "Rembrandt" -Op.7-: It's show time !

          チープなたからもの

          時期はだいぶズレますが,毎年2月の14日は ”バレンタインデー” として親しまれています。 本命もあれば義理もあり,嬉し,楽し,悲し,寂し,羨まし。 豊穣と繁栄を願うルペルカリア祭りの前日,結婚を司る女神ユノの祝日2月14日に殉教した聖ウァレンティヌスに由来するそう。 ちなみに,もうすぐ6月と言えば ”ジューンブライド” 。ジューン=Juneは女神ユノに由来していたり,女神ユノのフランス語読みがJunon(ジュノン)だったり,ずいぶんと話が広がりますね。 さて,そんな日のキ

          チープなたからもの

          ”わたしの” スキ,”あなたの” スキ。

          「なぁ,アイツみてみろよ。」 『なんだよ,どこ?』 「ほら,あそこ。」 『ん?んー・・・。あぁ,アレか。』 「・・・なにやってるんだろうな。」 『いつもあんなだよな。』 「・・・・・・。」 『・・・・・・。」 「なぁ。」 『ん?』 「・・・飽きないのかな?」 『どうだろうね?』 「なぁ。」 『ん?』 「楽しいのかな?」 『さぁ?』 「・・・・・・。」 「なぁ。」 「・・・なぁ。」 「・・・あいつ,なにやってるんだろう。」 ~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~

          ”わたしの” スキ,”あなたの” スキ。