#短編小説
【ショートショート】ファミリーレストラン
(1382文字)
ファミリーレストランで人を待つ。
「ごめん!15分くらい遅れる!」
そうLINEがきたのは、5分ほど前にテーブルに案内されてから。
通路の向こうのテーブルには、小学生低学年くらいの男の子と、その父親と思しき男性が向かい合って座っている。
子供は、両肘を上げてテーブルの上に出しながら食事をしている。背丈に対してテーブルが高いのだ。
その様子を父親が頬杖をつきながら眺めている。
時
【#毎週ショートショートnote】夜光おみくじ
お題:夜光おみくじ
文字数:410文字
彼は悩んでいた。彼女に告白するべきか。
小学生の頃から高校生になった今までずっと恋心を抱いている。
毎年、初詣のおみくじに良いことが書いてあれば告白しようと思っているが、はっきりしない答えが続いている。
今年の恋愛運は「待ち人来らず」。
この状況にどういう意味?
彼は今日も仲間達と夜遊びをしていた。
ゲームセンターで遊んでから、ファミレスのドリンクバーで
【毎週ショートショートnote】カフェ4分33秒
(417文字)
お題:カフェ4分33秒
時計台の鐘の音がまだ耳の奥に響いている。
気がつくとカフェの前にいた。
「カフェ4分33秒」と書かれたプレートが下がっている。
男は扉を開けて店内に足を踏み入れ、店員に案内された席に腰を下ろす。
店内は静かでBGMは流れていない。
客は全てひとりずつで、目を瞑って涙を流している人、微笑みを浮かべている人と様々だ。カップの音や、スプーンで砂糖を混ぜる音が静か
【毎週ショートショートnote】告白水平線
「告白水平線?」
「その水平線に向かって叫ぶと、告白が形になるんだって」
学食で上田が噂話を始めた。
「形って?」
「そりゃ、上手くいくって事だろ?そこでユカちゃんに告白したらどうだ?」
ユカはサークルの仲間で、2人で飲みに行く事も良くある。
「付き合ってるの?」と聞かれると、ユカは「ないない」と言うが、俺は満更じゃないと思ってる。
俺はユカをドライブに誘った。
「珍しいね、ドライブなんて」と言い
【ショートショート】あなたのいない世界で #虎吉の交流部屋初企画
ミーン、ミン、ミン、ミー。
セミの声が少しずつ、ボリュームを上げるように街の音とともに耳に入ってくる。
昼寝をしていたようだ。
陽を遮るためにカーテンを閉め、エアコンをかけていたにもかかわらず、じっとりと粘り気のある汗が体を覆っている。ソファまで少し湿ったような感じがする。
読んでいた文庫本は、ページが開かれたまま胸に乗っていた。
僕はページを閉じて傍に置き、体を起こした。
夢を見ていた。
夢とは