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ショートショート・短編

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さらっと読めて、ちょっと考えちゃうようなショートショートが書けたら良いなと思って書いてます。
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記事一覧

【毎週ショートショートnote】人生は洗濯の連続

【毎週ショートショートnote】人生は洗濯の連続

お題:人生は洗濯の連続
(410文字)

「お母さん、行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい」
小学三年生の勇太を最後に送り出してから、パートに出る10時までが家事の時間だ。
まずは洗濯。
夫と私、三人の子供の洗濯物となると、毎日でも洗濯機を回さないと追いつかない。
人生は洗濯の連続だ、選択じゃなくてね。
私はひとりクスリと笑った。

3年前に買った家にはランドリー室があり、大きめのドラム式洗濯機

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【#シロクマ文芸部】レモンから

【#シロクマ文芸部】レモンから

お題:「レモンから」で始まる物語
(1166文字)

レモンから出られないかというのが彼の要望だった。
「レモンか。できるか?彼がどうしてもって言うんだよ」
監督が大道具の高田を見つめる。
「そうですね、できるといえばできますが」
「ちょっと待って」
シナリオライターの井上女史が険のある言い方で割って入る。
「そもそも、季節感重視ですよね、ここは」
「まぁ、そうだけどレモンだって果物じゃないか」

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【ショートショート】野球やろうぜ

【ショートショート】野球やろうぜ

(873文字)

「おーい、磯野ぉ。野球やろうぜ」
「ああ、中島か。今日は忙しいんだよ」
「そんなこと言って、もうどれくらい野球やってないんだよ」
バットを肩に乗せた中島はそう言って不満そうな顔を見せる。
「カツオー、誰か来たのー?」
奥からサザエの声が聞こえる。
「悪いな、また今度」
カツオが玄関の引き戸を閉めようとすると、待てよと言って中島が戸を抑える。
「あんまり運動してないと体が鈍るぜ。お

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【毎週ショートショートnote】ひと夏の人間離れ

【毎週ショートショートnote】ひと夏の人間離れ

お題:ひと夏の人間離れ
文字数:410文字

暑い、眠れない。
夏なんて飛び越えてすぐ秋になれば良いのに。
明日は大事な彼女とのデート。告白するつもりなのだ。
しかし眠れない。
エアコンが壊れたことを管理会社に伝えたのは半月前。
「申し訳ありません、混み合っておりまして…」
何度電話しても返答はいつも同じ。
暑すぎる、暑すぎるのだ。早く秋になってくれ。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」
突然そんな言

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【毎週ショートショートnote】黒幕甲子園

【毎週ショートショートnote】黒幕甲子園

お題:黒幕甲子園
文字数:410文字

高級なスーツを着た男がにこやかに話しかけてきた。
「失礼ですが、あなたは何を?」
話すべきか悩んだが、ここには同じような犯罪者が集まっている。それも黒幕と呼ばれる人物達だ。
「赤坂の100億の土地と言えば分かりますか?」
「あの事件の地面師さんですか」
「そうです。あなたは?」
男は勝ち誇った表情で答える。
「海外を拠点に特殊詐欺。総額は数千億ですかね」

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【毎週ショートショートnote】非情怪談

【毎週ショートショートnote】非情怪談

お題:非情怪談
文字数:410文字

私さ、そんなに悪いことした?
あれで殺されたんじゃたまったもんじゃないわよ。
そりゃ、幽霊になって出るわよ。
それが関係ない人まで「殺される!」とか言って逃げるようになっちゃってさ、被害者は私だっていうの。みんな情のカケラもないわよね。
せめて人情話にしてくれても良いんじゃない?
このままじゃ非情話よね、怪談だから非情怪談。
それで私ね、被害者の会を作ろうと思

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【毎週ショートショートnote】彦星誘拐

【毎週ショートショートnote】彦星誘拐

(410文字)
お題:彦星誘拐

女が片膝立てて物憂げにペディキュアを塗っているとスマホが震えた。

「もしもし?」

ーあ、オレ

「どしたー?」

ーへへへ、彦星誘拐されちゃいましたー!イェーイ!

「テンション高ッ!」

ー初めてだしね!デネブの角のコンビニでさ、黒いサングラスの男たちに、彦星だなって目隠しされてさ、車に乗せられて超ビビった

「あー、それ多分オヤジの手下」

ーえ?オヤジっ

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【毎週ショートショートnote】天ぷら不眠

【毎週ショートショートnote】天ぷら不眠

(410文字)

電話の音で起こされた。テレビをつけると試験放送の画面で静止している。
なんでこんな真夜中に天ぷらを揚げなければならないのか。
良く溶いた卵に冷やしておいた水を注いでかき混ぜ、さらに小麦粉を入れて少しダマが残る位に混ぜる。
鍋に油をたっぷり入れて火にかけ、冷蔵庫から具材を取り出す。
海老にキスの海鮮2種にシシトウ、ナス、カボチャだ。それぞれに打ち粉する。こうすると衣が均一につくので

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【ショートショート】北条さんはロボット

【ショートショート】北条さんはロボット

(1465文字)
北条さんを観察している。
窓際の席でパソコンに向かう北条さんの薄くなった頭頂部に、傾き始めた陽の光が反射する。
歳は50代半ばか後半か。
僕が入社して8年。北条さんは全く変わらない。
たった8年で、50代の男性の外見に大きな変化は見られないと思うが、髪の薄さも全く変わらない。少しは進行してもおかしくないと思うが。
北条さんはいつも姿勢正しく座り、一日中パソコンに向かって入力作業を

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【毎週ショートショートnote】放課後ランプ

【毎週ショートショートnote】放課後ランプ

(410文字)

毎日、決まったルートを配達していると、時間が過ぎるのが早い。
足立区の営業所を出て新宿、渋谷。遅延しないように車内で昼食を摂りながら運転し、配達を終える頃には陽が傾いている。
首都高で営業所に急ぐがいつも渋滞。
1日があっという間だ。子供の頃の1日はあんなに長く感じたのに。
「京橋ランプは渋滞中、お急ぎの方は放課後ランプへ」
ラジオから聞き慣れない言葉。放課後ランプ?
すると目の

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【ショートショート】ロボタ発進

【ショートショート】ロボタ発進

(2392文字)

登山口の駐車場に車を止め、登山靴に履き替える。
平日だからか、駐車場に他の車はなく、仮設トイレが一台立っているのみ。
よく見かける青いトイレ。トイレがあるのはありがたい。
それにしてもこのトイレは、後ろから見るとロボットに見えるなぁといつも思う。
換気口なのだろうけど、丸がふたつとその下に長方形が配置されていて、これがロボットの目と口に見えるのだ。なんだか可愛らしい。
登山靴の

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【#毎週ショートショートnote】命乞いする蜘蛛

【#毎週ショートショートnote】命乞いする蜘蛛

(410文字)

「待て!殺さないでくれ」
そう念じると、私を潰そうとしていた人間の大きな手が止まった。人間は不思議そうな目で私を見ている。
「私たち蜘蛛がいるおかげで、この家に虫が少ないのが分からないのか?」
私を生かすメリットを念じてみたが、人間は「まさか命乞いする蜘蛛なんているわけないな」と言って私を潰した。あの冷ややかな目は忘れない。奴らにとって虫の命など取るに足らないものだ。私を殺したこ

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【第3回54字の宴】チョコレート

【第3回54字の宴】チョコレート

これ、実はオリジナルじゃなくて、落語家の瀧川鯉昇のマクラから。さすがに上手いよねぇ。

というわけで、今回も参加させていただきました。
意外と難しかったなぁ。