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ショートショート・短編

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さらっと読めて、ちょっと考えちゃうようなショートショートが書けたら良いなと思って書いてます。
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2023年4月の記事一覧

【ショートショート】環境保護庁

【ショートショート】環境保護庁

チュン、チュンという軽やかなスズメの鳴き声で目を覚ます。
カーテンの隙間から差し込む朝の光が、本格的な春の訪れを告げている。

ホーホケキョ!

うららかな陽気に誘われて、どこかで鶯も鳴きだした。
こんな都会で、こんなに自然が感じられるなんて。
一時期はスズメさえいなくなって、無味乾燥だったこの街も、鳥や虫たちの声で生命力を取り戻したように感じる。

ホーホケ、ホケ、ホケキョ!

これも全て環境保

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【毎週ショートショートnote】伝説の安心感

【毎週ショートショートnote】伝説の安心感

「わかりました。これなら安心だね。御社にお願いすることにするよ」
クライアントの安心し切った表情に、私と部長は「ありがとうございます!」と声を張りながら深々と頭を下げた。
その横で、今回のプレゼンを担当した木村さんも遅れて軽く頭を下げる。
ビルを出ると「それじゃ、私はこれで」と言って木村さんは直帰した。
駅までの道のりで、私は3ヶ月かけて練り上げたプレゼンが通った興奮が冷めない。
「部長が急にプレ

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【毎週ショートショートnote】グリム童話ATM

【毎週ショートショートnote】グリム童話ATM

「残高が不足しています」
グリム童話ATMが無情にも言い放つ。
赤ずきんがガックリと肩を落とす。
「私もだわ。これじゃSnow Manのライブに行けない!」
シンデレラが通帳を投げ捨てる。
グリム童話ATMには、世界中の子供達に楽しまれた分だけ、童話のキャラクターに給料が振り込まれる。
昔は人気者だったふたり。ホストクラブでブイブイ言わせてた頃が夢のようだ。
今や世界中の人気はラプンツェルに集まっ

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【ショートショート】カタカナ語

【ショートショート】カタカナ語

いつからこんなにカタカナ語が増えたのだろうか。
数年前からのコロナ渦でさらに増えた。
ステイホーム、オーバーシュート、クラスター、ロックダウンなどなど。
それ以前から、ビジネス用語はカタカナ語で溢れている。
アポやクライアント、インセンティブなどは既に馴染みがあるから良いが、エビデンス、デフォルト、ローンチなどはいつから使われているんだ?
マストなんて「必須」で良くないか?
初めて「リスケでお願い

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【ショートショート】イモムシに餌を与える

【ショートショート】イモムシに餌を与える

(535文字)

今日もせっせとイモムシに餌を与える。
イモムシはかなり巨大で、どれくらいの大きさなのか分からない。
しかし、この広大な空間に、同じようなイモムシが沢山いて、同じように餌を与える人たちも沢山いるので、イモムシの大きさや形が分かる。
イモムシの大きさはバラバラだ。
一際大きなイモムシが二匹、その次がオレたちのイモムシ。
昔は2番目に大きかったらしいが、今は3番目になったという。
与え

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【ショートショート】成人免許制度

【ショートショート】成人免許制度

(780文字)
「総理、この防犯カメラに映っている、タバコのポイ捨てをしている人物は総理じゃないんですか?」
「えー、ご指摘の件ですが、全く身に覚えがありません」
「総理!」

遅い朝を迎え、テレビの電源を入れると国会中継が放送されていた。
成人免許制度が施行されてから、国会で行われる議論は議論ではなく、こうした追求ばかりだ。

成人免許制度。

あまりにマナーの悪い大人が増え、国の将来を救うため

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【ショートショート】山手線健康法

【ショートショート】山手線健康法

(659文字)

少子化対策の失敗を続け、いよいよ経済力の維持が難しい人口になった時、ついに政府は移民の受け入れを決断した。
治安の良い日本はたちまち人気となり、東南アジアを中心に、世界各国から移民が押し寄せた。
移民たちは少子化対策に貢献しすぎるほどたくさんの子供を産んだ。
そして2100年、ついに人口は30億人を超えた。
相変わらず人口は首都圏に集中していたので、たちまち鉄道などの公共交通機関

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【ショートショート】コンビニ店員

【ショートショート】コンビニ店員

近所のコンビニの自動ドアを開けて店内に入る。
「おう、いらっしゃい」
まるで昔の酒屋のオヤジのような親しげな挨拶。
雑誌の棚を眺めてから、飲み物の冷蔵庫のドアを開け、ビールを二本取り出す。
ぶら下がったつまみの中から、バタピーとサラミを手に取りレジに向かう。
店員は素早くバーコードを読み「584円ねー」と言ってから親しげに話し始める。
「なんだよ、またひとりで家飲みか?たまにはデートにでも行ったら

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【ショートショート】社員管理システム

【ショートショート】社員管理システム

私は広告代理店を経営している。
政令指定都市であるこの街の地元の広告代理店としては最大手だ。
営業担当の社員は50名。
私はこの営業の社員に頭を悩ませてきた。
営業は顧客や取引先との打ち合わせなどで社外に出て働くことが多い。
しかし奴ら、あ、いや、彼らは本当に働いているのか?
営業車を公園の脇に停め、エアコンをつけっぱなしで昼寝をしているサラリーマンをよく見かける。
我が社の社員も同じように昼寝を

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【毎週ショートショートnote】ポケット大増殖

【毎週ショートショートnote】ポケット大増殖

封筒に入ったポケットが届いた。
添えられたメモにはこう書かれていた。

これは不満を捨てるポケットです。
ポケットの中に不満を言えば、あなたの不満がなくなります。

本当だろうか。
僕は試しに上司に対しての不満を言ってみた。
「いつも嫌味ばかり言うな!」
すると不思議なことに胸がスッとして、そんな不満なんてなかったような気持ちになった。
さらに不思議なことに、手のひらの上のポケットが2つになってい

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