見出し画像

ポタージュと言う外来語、未知の外来のスープと遭遇した場合、我々は外来語を使うのでしょうか?

20250301 外来語としての「ポタージュ」について、その一知半解。

フランス語のポタージュ(potage)の語源は、 じゃがいも(pomme de terre、台地のりんご)とは無関係です。 フランス語のポタージュの語源は、ラテン語の「pottus」(鍋)→フランス語の「pot」となり 、 鍋の中で煮込んだ物、と言う大雑把な意味合いになります。 具材としては、ジャガイモだけではなく、カボチャ、トウモロコシ、ニンジンなどが挙げられます。 ポタージュは煮込み料理の全般を指す言葉と思われます。 フランス語圏では、ポタージュと言う言葉のもとに、コンソメ、ヴィシソワーズ、ブイヤベース、ポトフなどを含む大きなジャンルを意味すると考えられます。

中国語では「濃湯(nóng tāng)」 と言う言葉を当て嵌めている様です。ちなみに、英語、ドイツ語ではpotage をそのまま外来語として受け入れています。 ただし、ドイツ語ではdie Potage と女性形扱いです。 そこで確かめてみますと、 フランス語のポタージュ(potage) 、 イタリア語の「potaggio」は、 両方とも 男性形名詞です。

気を付けて戴きたいのは、ラテン系の言語だからスープ類の名詞が男性形とは一般的に 言えないですし、ゲルマン系は女性形になる、 とも言えません。 名詞の性の問題は、欧州語圏内でも、極めて任意・勝手に決められていると言えるかな、と思いますが、それでも一定の傾向はあるのかも知れません。 問題は、それぞれの国の言葉の中で、その語がどのような歴史を辿って来たかと言う点をチェックする事かと思います。 残念ながら、そんな事を丹念にやっている人は少ないと思いますし、或る意味この分野はAIに任せた方が良いのかも知れません。

さて、中国語におけるネーミング(濃湯(nóng tāng))の如く、 この語(ポタージュ)を純粋な日本語として訳するとどうなるのでしょうか。「煮込みスープ」 でしょうか? シチューとは違うイメージです。ポタージュ独特の滑らかさが失われる様です。ただし、これはあくまで日本人の感性によるものです。未知のスープを目の前にした際、 外来語によらず、日本語化するという試みをAIは敢えてするのでしょうか? そうしてほしい様な気が致します。


いいなと思ったら応援しよう!