私は偉い人の言葉を鵜呑みにしません
私は一般的に有名人の言として紹介されているものであっても鵜呑みにはしないので、例えばこういう話を鵜呑みにしません。
【〜技術は、つねに古いものを“否定”して、新しく創造し、発見してゆくものです。つまり、芸術について説明したのと同じに“革命的”ということがその本質なのです〜】
・・・これは、昭和の時代の有名芸術家の言葉ですが、芸術や技術に関してのこういう言い回しは本当に良く使われますね。
しかし私は上記のような言葉は疑ってかかります。
私は、色々なものを調べた結果、芸術家・一般社会人の当時の思想の流行がこういうものであった事、当時の思想レベル的にここまでしか言及出来なかった事によりこのような言葉が芸術家からのありがたい教えとして世間に広まったと判断しております。ですので否定はしませんが、私自身はそれはただの情報という事に留め、自分の内部には入れません。「成る程、当時はそういうものだったのね」という風に受け止めます。
良くある「破壊と創造」と言われるこの考えだと最初に否定と破壊があるので「破壊が目的」になり勝ちです。破壊には目的とは別種の破壊そのものが持つ快楽が含まれますからそうなりやすいのです。ですから目的を失った破壊の後の再構築は失敗に終わる事が多く、また成功したとしてもその残骸の処理が大変なので新しい創作の摂理に合わないと私は考えます。
「実際に革新の際に起こる事」は
【新しくより良いものが産まれる事で古いものが淘汰される】
という事だと私は思います。事実はそうではないでしょうか?
もちろん、例えばその摂理とは無関係に一部の狂信者のために社会が狂った方向に動く事などは起こりますが、基本的には私は上記のように考えます。
何にしても、破壊と創造、そのふたつを分離させてはいけません。
それはひとつのものとして機能するからです。
花が咲く際には、つぼみは破壊されます。破壊されるつぼみと、内側から生まれ出る花に本質的な分離はありません。「どちらもその植物である事に必要な要素」です。
説明する際には、それぞれ別々の名称を用いますし、それぞれ特徴も違いますが、そのふたつは、身体で言えばひとつの身体の出来事であるからこそ機能するのではないでしょうか。