見出し画像

工芸作家を名乗っても、オリジナル作品を制作出来る期間は長くて7〜10年が多い

例えば、和装製品の産地の人が、作家としてデビューすると、早くて3年、それなりに才能のある人で7〜10年でネタが尽きてしまう事が殆ど・・・というのが私の観察結果です。

それを過ぎると、何か理由を付けて直接的な創作からは離れ、名誉職的な場所に収まるようになります。彼らは歴史の長い世襲の家の者である事が多いので、

元々産地の有力者家系の子息→作家活動→半分引退して名士として活動

・・・のような流れに従い落ち着く事が多いです。

「枯渇」してからも創作を続ける場合は「盗用」が増え、作品のクオリティが著しく下がります。

そういう人たちは産地の特徴や技術を、その人なりにアレンジして制作している時期はまだ良いのですが、元々創作に強烈な熱があるわけではなく美術教育も現場の技術的修練も積んでいない人が多いので「その人の創作的埋蔵量」を超えてしまえば、後はもう、いわゆる「パクリ」しか無いのです。しかもオリジナルよりも著しくレベルの低いものしか出来ません。

しかし、そういう人でも家が有名だったりすればメディアや業界は扱い続けますし、お客さまもその背景までは知る事が出来ないため、なんだかんだで「家柄を買う」のが繰り返されます。それで「どこかからの盗用を産地の技術で制作したもの」が売られ続けます。

それでその分野全体がどんどん劣化して行ってしまうわけです。

斜陽の伝統文化系では良く起こる事です。


いいなと思ったら応援しよう!