デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
初めて知ったのは確か情熱大陸
なんとなく若いのにすごい登山家で、登山しながら撮影して、自分が登山してる後ろ姿を撮影し終えたら、そのカメラを回収しに戻る的な苦労をエベレストとかでやってて鼻水凍らせながら泣く。を自撮り。みたいな楽しそうに大変な事をやってる人
そのイメージのまましばらく経って番組で観たのか、YouTubeで観たのか、
服部文祥さん(サバイバル登山家)が栗城さんを完全に見下してるんです
自信満々で見下してるんですよ。どっちかな?ではなく、登山家でもないと言い切ってる。
自分からしたら「栗城史多ってそうなの?」と。千原ジュニアと同じインパクト
少しネットで調べると、まぁまぁ叩かれてた。
そうなんだと
この時は深堀せずにメディアが取り上げる程すごい登山家ではないんだ。とさほど興味持つ事なく時は過ぎ。
え!凍傷で指が真っ黒になってる画像を何かで見て、それでもチャレンジし続けてたのは知ってたけど...死んじゃったの!!
その時は以前叩かれてた内容も入ってたから無謀な挑戦し続けた挙句にミスって滑落しちゃったんだと思いました。
で、昨年、”開高健ノンフィクション賞”を受賞したこれ読みました
デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
作者の河野 啓さんは栗城さんと番組を作ろうとしていた北海道TV局員だった
密着ドキュメンタリーの仕事だったので長期間一緒にいらっしゃったようです。その過程で感じた栗城さんの人間性、周りの人等への取材を進める中で感じた疑問点や違和感を記しています。過去の登山プロジェクトも懐疑的になり魅力的に写っていた栗城さんに大して別の印象の方が勝ってしまったようでした。
ネットだけではわからない、もっと詳細な栗城史多
要は、
1. エベレスト無酸素単独難関ルート登頂を"やってやる"とスポンサー募る
2. スポンサーを募るからには注目されなきゃと「冒険の共有」という名のインターネット中継の為に自身とプロジェクトの知名度をあげる
3. 敗退し叩かれる
この1-3を定期的にループして生活してたわけです。ループさせながら知名度を上げて講演等、次のステップを企ててたのかもしれません。
少し調べれば理解出来るんですが、
1. エベレスト無酸素単独難関ルート登頂を"やってやる"とスポンサー募る
これが絶対に無理という事。服部文祥さんの動画に繋がるんですが、栗城さんの登山レベルでは不可能という事
それを「冒険の共有」というスポンサー含む信者達に幻想を見続けさせるわけです。中には気づいた人もいたと思うんですよね。「これ無理だろ」と。言えないというか言っちゃいけない雰囲気だったんでしょうか?もしかしたら?と応援してたのかもしれません。死にはしないだろうと。奇跡を見たい的な
絶対無理な挑戦にたくさんの人からお金を出させて応援してもらう
どんな心境で登ってたんだろう
無謀な挑戦をし続けなければならない状況に栗城さん自身やスポンサーを含む取り巻きが上げていってしまったんだと。作り上げたのは"冒険の共有"を継続し挑戦しつづけないと崩壊してしまうキャラクター(仕事)。結果追い詰められていってしまった。SNS時代の寵児はSNSに追い詰められていった。自殺だったのかは本人しか分かりません
本を読んで多数の要因を感じました。
SNS,過程環境,お母さん,お金,占い師,etc
最後の挑戦前のインタビューを受ける栗城さん
ご冥福をお祈りします。