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【読書記録#97】 旅路

<2023年10月7日にインスタに投稿したものをシェアしています>

旅路
藤原てい 著

「流れる星は生きている」を読んでとても感動したので、こちらも読んでみた。

本書は著者の自叙伝だ。

著者の生い立ちから夫、新田次郎との突然の別れまで、約250ページに纏められていて読み易かった。

第3章では「流れる星は生きている」のダイジェスト版という感じで、改めて満州から引き揚げてくることがどれだけ大変だったかを思い知らされ、戦争を生き抜いた人たちの精神力の強さに感服。その精神力を学びたいと思った。

第4章では、帰国後の生活、全身衰弱で、病弱だった彼女が遺書がわりに書いたものが、「流れる星は生きている」として出版され、子育てのことや、封建的な社会がまだ色濃く残っていた時代に、女性、しかも母親が突如作家としてデビューし、ベストセラー作家になってからの夫婦関係のことなどかなり赤裸々に書かれてる。

また、彼女の次男の藤原正彦の自叙伝、「ヒコベエ」を読んだことがあるので、息子の目からはあんな感じに映っていたことが、母親であるの著者の目からはそんな感じに映っていたのだななどと思いながら読んだ。

苦楽を共にしてきた夫の突然の死別のくだりでは、藤原正彦氏にとっても大きな後悔になっていることを彼の著者にも書かれていたことを思い出した。

普段はそんなにべったりな関係でなくても、この家族にはしっかりとした心の絆があることが色んな場面で読み取れて、私も早く家族を持ちたいなという気持ちになった。

おすすめ。

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