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本当の自分って?繁華街のオナベ・ニューハーフ・ゲイ・レズが演じる「求められる自分」
僕は性同一性障害を抱えて生まれてきた。治療を重ねて今は戸籍を女から男に変えて生活を送っている。鈴木優希 40歳。
仕事は、水商売。昼夜逆転。みんなが寝静まった頃から出勤してみんなが起きる頃に帰宅する。いわゆる夜の街の住人である。
名古屋の錦三と呼ばれる繁華街に僕の店Venusがある。
そしてこの街には実に様々な人が集まっている。
僕たちのような俗にいう「オナベ」からニューハーフ・ゲイ・レズ…
LGBTもこの街では珍しい存在ではない。
そしてここでは、みんなコンプレックスだった「性別違和を感じる自分」を売りにして懸命に生きている。
ホントの自分ではなく「求められる自分」を演じながら。
でもそこに「ホント」は要らないと僕は考えている。それはシンプルに「仕事」だから。
お客様が求めている事をするのが僕たちの仕事。そしてそんな自分を売る。いわゆるセルフプロデュースも大事な仕事なのだ。
求められる自分でいれば、そこにお客様は価値を見出してくれる。
例えば、巷ではオネエの人は明るくて面白い!なんていうイメージがあると思う。もちろん、お店に行ったらキッチリ仕事モードになってくれるから面白い!!
でもお店が始まる前に道で会ってもそれはもはや普通の人。である(笑)
大御所ニューハーフママの話
先日、いつも面白いインスタグラムを上げていることで話題のニューハーフバーのママと話す機会があり、「ママのインスタ凄いですよねー」と僕が言ったら、
SNSであげているプライベートはお店の宣伝用であり、
「本当であり大嘘よ」
「ホントは暗くて無口なおかまの日常なんてつまらないでしょ」と笑った。
その瞬間。あぁ、みんな一緒なんだと僕は妙に安心してしまった(^^)
僕もたまに求められる「オナベ鈴木優希」を演じすぎて、本当の自分とのバランスが取れなくなってしまうことがある。
そして今はSNSでリアルタイムで誰が何をしているのかがわかってしまう時代。
落ち込んでいる時に限って、インスタグラムのストーリーで上がって来るアクティブで充実した他人の毎日に自分の日常との違いすぎる華やかさ、アグレッシブ感も見て焦ってしまう自分がいたり…
でも、ママの話と同じで。みんなの「本当」はきっとそこにはない。
この仕事だけじゃない。みんないろんな顔を持って暮らしている。
父親の顔、母親の顔、仕事の顔、友達と居る時の顔。
全部嘘で、全部本当。
みんな同じ。
※2021.11.6(土)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第3回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!