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僕はLGBTQのTであるトランスジェンダー。女として生まれたが心の性別である男に戸籍を変えて生きている。FTMトランスジェンダー。
鈴木優希 1980年生まれ

仕事は地元名古屋で同じLGBTQの子を集めてオナベバーVenusとレズビアンバーWを経営している。
そもそも僕は「FTM」「LGBTQ]「トランスジェンダー」であることを「売り」にした仕事をしている為、セクシャリティによる生きずらさを感じることは少なくなったが、
LGBTQと言う言葉も生まれ、生きやすくなってきた印象の今も
まだまだ教育、就職と続く人生の流れの中で生きずらさを感じている当事者が多く存在することをVenusビーナスやWダブルに面接に来る子の話や社会人交流会ブラッシュアップで会う子の話で知る。

「やらずの後悔よりも挑戦してみたい」

これは先日面接に来てくれた子の言葉。

最近、40歳以上の子の募集が多い。しかも、未経験。
しっかりと昼間の世界で生きている子も多く。
「今、なぜ?」

僕がオナベバーに応募してくれた動機を率直に尋ねてみると
題名の答えをくれた。

性別変更をしていないと昼間の世界では生きづらい。更衣室、トイレの問題。人間関係など。

例え性別変更をしていたとしても、「自分らしく生きれているか?」そうは言えないことも多いらしい。
そして年齢が高めの人は、
昔からこの仕事に興味、憧れがあるといってくれる人が多い。
歳のハンデは承知の上で、一度やってみたい!
と。

昔は、僕らみたいなセクシャルマイノリティ=夜の商売しかない。という風潮があった時代背景も関係しているのかもしれない。

同じFTMというセクシャリティの枠の中でも、置かれている状況、治療への考え方は千差万別。
それぞれの人生の中で自分がやりたかったことを一度経験してみたい!
幾つになってもそれを実現することは可能だ。

その為にひとつだけ必要なモノがある。
それは「諦めないこと」

「やってみたかったなぁ」と思って生きるより、やった経験は自分だけの宝物。やってみる方が断然良い。

50歳から錦三丁目のレズビアンバーのママに...

系列店レズビアンバーWのママを任されている「ベルさん」は1972年生まれ。50歳で錦のレズビアンバーを任された。
ベルさんとの出会いは今から三年前ほど前。
45歳まではセクシャリティを隠していたというベルさん。
この時の気持ちを「人生は消化試合。そう思っていたと」
この人生は自分らしく生きることは出来ないと諦めていたがお父さんが亡くなったことを機にカミングアウト。そして
女子大という名古屋のもう一つの繁華街でレズビアンバーSENRIを起業。
そのお店のお客として僕が来店したのが初対面だった。

第一印象は「しっかり接客する人だなぁ」と。
元々ホステスとして水商売をされていただけあって、それまではどちらかというと店員さんが席について話してくれるというよりは、
その店に集まった人とのコミュニケーションが主の「出会いの場」というレズビアンバーのイメージを変えてくれた。
ベルさんの接客が心地良くてお客として通っていたが、
ある時それは僕のピンチの時だった。

当時別の人に任せていた系列店のBARを閉めることになりその後をどうするか...
内装に資金をかけた店だったので契約を辞めることは出来ない。
何か形態を変えて存続していかなくてはいけない。

その時にベルさんが一番に浮かんだ。
「錦で店をやってみたい」そんな思いがあると聞いていたからだ。

ただ、自分の店であるSENRIがもうある。
同じ経営者という立場だからこそ、簡単な話でないことは覚悟していた。
少ない可能性に欠けて「錦でレズビアンバーをやりませんか?」と声をかけた。
全く馴染みのない街。自分の店はもうある。50歳という年齢。

あなたならどうしますか?

少し考えさせてください。

そんなことを言われるんだろうと予想していたが、ベルさんの返事は

即答で「やらせてください!」

頼んだ僕の方が驚かされた。
そこから、錦三丁目初の男性も入れるレズビアンバーWダブルが始まった。

今でもベルさんにこの時の気持ちを聞くことがある。

何で即答だったの?

「チャンスだと思ったから」

それはとてもシンプルな答えだった。

あれから1年。

レズビアンバー1周年

錦三丁目この街で前例のない「レズビアンバー」という業態。
認知、集客。スタッフの問題。
などなど...思うようにいかない試行錯誤の日々だけど、

「しんどいけど、消化試合だと思っていた人生が、劇的に変わって、今は生きてる!って感じがします。」

そんな言葉をくれた。

50歳からの挑戦。
あと10年若ければ...そんなことをたまにベルさんは言うけど、体力的にはもちろん若さには敵わない。
ただ、50歳「だから」出来る接客、武器があると僕は思う。

そう!
いくつになっても「チャレンジ」することは出来る。

そしてチャレンジした人にしか見えない景色と経験という宝物がそこにはある。

そんな人生のチャレンジャー達と共に、この有限な人生を僕も楽しみたいと思う。チャレンジャー大募集!

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