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光の胞子の拡がりをつくりだせ

第37週 12月15日〜12月21日 の記憶。 それを探る試みです。 
一年間のルドルフ・シュタイナー超訳に挑戦中です。

今週メッセージは、ひと言で「伝えることの重要性」だけでもよいのかもしれません。自分自身が何か役立てるものを世に広めることの大切さが伝わってきます。自分本位から利他的なものへと意識を拡張し、自分に与えられた役割をしっかりと受け取り、伝えていくことの重要性なのです。

では、受け取っていきましょう。

L‘. SIEBENUNDDREISSIGSTE WOCHE (15. DEC. – 21. DEC. [1912])

37.
Zu tragen Geisteslicht in Weltenwinternacht
Erstrebet selig meines Herzens Trieb
Dass leuchtend Seelenkeime
In Weltengründen wurzeln
Und Gotteswort im Sinnesdunkel
Verklärend alles Sein durchtönt.

Anthroposophischer Seelenkalender, Rudolf Steiners,1912


  世界中の夜半(よわ)の冬
  光輝く胞子が多くの土地に根ざすよう
  心の光を運ぶため
  幸いにも努力する衝動にかられる
  
  そして、心の奥底にある大いなるものの言葉は
  すべての存在を変容させる

「夜半(よわ)の冬」とは、さえざえと空気が澄み、星や月の輝きが増すようにみえる冬の夜のこと。日本語の多様なボキャブラリーには、本当に美しい単語がひそんでいます。

いよいよ、冬が到来。空気も精神も澄みわたってゆく感じを静かに味わいたいものです。

しかし、年末が近づくにつれ、なぜか忙しさに巻き込まれ、心の中に降り積積もる「断片的なやり残し」に気づかされます。私も例外ではなく、この季節、大掃除や整理整頓の計画が立てられてゆく一方で、心の中で「今年前半に立てた、あのスピノザ攻略計画はどうなった?」とか、「参加してみるはずだった、あの講習会はどこに行った?」とか、心の中の上司がブツブツと小言をいってくるのです…。

でも、一年を振り返れば、結構できたこともあります。このシュタイナーの翻訳事業も、みなさまの応援に助けられて、だいぶ回を重ねられました。ほかにも、新しい取り組みをいくつか始めましたが、それらは光の胞子のようなもので、何か大いなるものにつながる役割をきちんと果たしているかを検証し振りかえる季節なのかもしれませんね。

みなさまは、いかがでしょうか?

今週は、先週のメッセージにあった

「あなたの仕事の目標を
 大いなるものの光で満たし
 他者に捧げるように活動せよ」

というものに対して、それを世界中に拡めるようにというメッセージのように感じられます。「他者に役立てるものを世に広める」宗教を信じる人、善意や愛を与える人、お金儲けが得意な人、…アートを届ける人。

それらは、光輝く胞子であり世界中に拡散してゆきます。それぞれがそのまま発芽し多様性を維持しながら、拡げる役割を担っているのでしょう。

つまり、届ける内容も大切ですが、誰かに届け伝えることの重要性をいっているのだと思います。ただ漠然と自分の役割を内省するより、外界に向けて発信し伝えることを考慮することで、自分本位から利他的なものへ内容も変わってきますよね。

誰しもが与えられているであろう、大いなるものからの役割を自分でしっかりと受け取り、伝えてゆく義務みたいなものが自分にもあるのだと考えるべきでしょう。

そんな大層なものが自分に与えられているのだろうかと、考えてしまう方も多いのではないかと想像できます。大層なものではなく、素直にあたりまえに誰しもがもっている自分自身の良識を、暮らしの中で伝えられることがたくさんあります。たとえば、「公園の紅葉がキレイだったよ」と伝えるだけでも価値はあるのです。みえない想像の世界に美しい風景を再生している可能性があるわけです。素晴らしい芸術作品をつくり出すという役割を担っていなくても、身近な愛する人とそのような会話を交わすこと自体が、素晴らしいのではないでしょうか。

そのためには、澄んだ夜半の冬のような精神をもちあわせ。透き通った空間の中で、光漂う美意識の胞子を感じとれるように、自分のあり方が成長する努力を喜んですべきなのでしょう。


2023年12月 サザンカ


気のせいか例年にくらべてサザンカの花びらのシワシワが増しているように見受けられます。多分、気のせい?だとは思いたいのすが、気温が高かったり、雨の量が少なかったり、なにか原因があってそうなっているのか?ただの思い過ごしか?確かめてみるのには来年まで待たなくてはいけません。

何かを観察するときには、一瞬を観察することと、時系列を追って観測する必要がでてくるのです。

人の成長をみてても、若い人などは1年ですっかり、見た目も考え方も変わっていてビックリさせられることが、しばしばあります。きっと、そういう人は、心の奥底にある大いなるものの言葉に気づき、自分自身の存在を変容させるのでしょう。

いろいろな人と出会いお付き合いをする中で、前に自分がいっていた言葉をその人が発していたりするのを聴くと「あぁ伝わったんだな!」と歓喜に包まれたの気分になるのです。

今日も熱く自分の役割を果たせたのか?振り返ってみたいと思いました。

第36週。冬の夜の美しい光の輝きを感じると、心の中にある、まだ自分ができることのに断片に気づかされるものです。一年を振り返り、自分の取り組みが光の胞子のように何か大きなものにつながっていることを実感できるはずです。

そして今週のメッセージは、「他者に役立てるものを世に拡める」ことの大切さを伝えています。自分本位から利他的なものへと意識を拡張し、自分に与えられた役割をしっかりと受け取り、伝えていくことが重要なのです。

自分自身の良識を大切にし、身近な人との会話を通じて、たとえば美しい風景を共有することからでも…。



シュタイナーさん
ありがとう

では、また

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