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ドラマで読む、猿でもわかる。ブランディングとは何か「売らずに売る」ことだ。
超初心者向けにブランデイングを分かりやすく書いてます。
ブランデイングは企業の生き残りには必須です。しかし昭和時代の石頭の経営者や古い企業体質には対応ができてません。その会社は必ず価格競争に巻き込まれて衰退する可能性があります。なぜか!解説します。
登場人物
佐藤コンサルタント(ベテランコンサル、ブランド戦略の専門家)
田中(新人社員)(マーケティング部配属、まだ売ることにばかり気を取られている)
山本(先輩社員)(田中の指導役)
【会社の会議室】
田中は、マーケティング会議でプレゼンを終えたばかり。
プレゼンでは「競合より価格を10%下げて、売上アップを狙う」と提案。
しかし、佐藤コンサルタントは首を横に振る。
佐藤コンサルタント:「田中君、価格を下げるのは一番簡単な戦略だけど、同時に一番危険な戦略でもある。
ブランドを築くどころか、自ら価格競争の泥沼に突っ込んでいくことになる。」
田中(不満げに):「でも、お客様が安いほうが喜ぶんじゃないでしょうか?」
佐藤コンサルタント:「確かに安いと売れやすくなる。しかし、本当にブランドが強い企業は、『値下げ』ではなく、『価値を高める』ことで市場を制している。
例えば、高級時計のロレックスや、iPhoneのアップルが頻繁に値下げしているか?」
田中(ハッとする):「…していません。」
佐藤コンサルタント:「そう。彼らは『売る』のではなく、『買いたくさせる』のだ、これがブランド戦略だ。」
【ブランドの種類と実例】
佐藤コンサルタントはホワイトボードに「ブランディングの4種類」と書く。
佐藤コンサルタント:「ブランドには大きく4つの種類がある。」
コーポレートブランディング(企業ブランド)
例:トヨタ、ソニー、パナソニック
目的:企業自体の信頼性を高め、全製品の価値を向上させる。
マーケティングブランディング(市場・広告戦略)
例:P&Gの『ママの味方』キャンペーン、ナイキの『Just Do It』
目的:顧客との感情的なつながりを生み出し、長期的なブランド価値を高める。
セールブランディング(販売戦略)
例:スターバックスの店舗体験、Apple Storeでの接客
目的:単なる販売ではなく、『買いたくなる体験』を提供する。
プロダクトブランディング(製品ブランド)
例:ダイソンの掃除機、モンブランの万年筆
目的:製品そのものの価値を高め、「この製品だからこそ買いたい」と思わせる。
山本(先輩社員):「なるほど…。田中、お前の提案はプロダクトブランディングを考えずに、単純な価格競争に走っていたわけだな。」
田中(苦笑しながら):「確かに…値段を下げる以外の方法を考えていませんでした。」
【価格競争を避けるブランディング戦略】
佐藤コンサルタントは、ある企業の事例を紹介する。
佐藤コンサルタント:「例えば、高級ホテル『リッツ・カールトン』は、サービスに徹底的にこだわり、宿泊料金を値下げせずに競争している。」
田中:「でも、値段が高すぎるとお客さんが来なくなりませんか?」
佐藤コンサルタント:「そこで重要なのが『付加価値』だ。
リッツ・カールトンのスタッフは、お客様の好みを記録し、次回宿泊時に『前回と同じワインをご用意しました』と提供する。
この体験が、『リッツ・カールトンに泊まりたい』という気持ちを生み出す。」
山本:「つまり、価格を下げなくても、お客様が『このブランドだから選びたい』と思えば、自然と売れるわけですね。」
【まとめと実践課題】
佐藤コンサルタントは、田中に問いかける。
佐藤コンサルタント:「じゃあ、田中君。君の提案していた商品のブランディングを考え直すとしたら、どんな戦略を取る?」
田中(考えながら):「例えば…競合よりも性能が優れている点を強調して、プロ向けのユーザーをターゲットにする。
また、アフターサービスや保証を充実させて、『このブランドなら安心』と思ってもらう…」
佐藤コンサルタント(微笑む):「そう、それが『売らずに売る』ということだ。値下げ競争ではなく、ブランド価値を高め、顧客に『買わせてください』と言わせる戦略を考えるんだ。」
【エンディング】
田中は自席に戻り、新しいブランディング戦略を考え始める。
彼のデスクには、新しいスローガンが書かれていた。
『価格で売るな。価値で売れ。』
もう一度まとめると
ブランディングの4種類を理解する
コーポレートブランディング:企業の信頼性
マーケティングブランディング:広告や感情戦略
セールブランディング:購買体験の向上
プロダクトブランディング:製品のブランド価値
価格競争は危険!
値下げは簡単だが、ブランド価値を下げる。
競争に巻き込まれず、独自の価値を生み出すことが重要。
付加価値を高める
サービス、ストーリー、体験を通じて『買いたい』気持ちを引き出す。
売るのではなく、欲しくさせる
『買わせてください』と言われるブランドを作る。
【具体例で学ぶ付加価値ブランディングとは】
田中の目が輝き始め、佐藤コンサルタントの話に真剣に耳を傾けている。
しかし、まだ完全に理解できているわけではない。
田中(戸惑いながら):「でも、実際にどうやって付加価値を生み出すんでしょう?単にサービスを追加したり、広告を打つだけではダメですよね?」
佐藤コンサルタント(頷きながら):「その通りだ。
だからこそ、実際の企業がどうやってブランディングしているか、具体例を見てみよう。」
【1:スターバックスの「サードプレイス」戦略】
佐藤コンサルタント:「スターバックスは、単なる“コーヒーを売る店”ではない。
彼らのブランドコンセプトは「サードプレイス」つまり『自宅でも職場でもない、くつろげる第三の場所』だ。」
山本(先輩社員):「だから店内がオシャレで、座り心地のいいソファがあったり、無料Wi-Fiがあったりするんですね。」
佐藤コンサルタント:「その通り。普通のコーヒーショップなら、“コーヒーの味”で競争する。
でも、スタバは“環境”という付加価値を作り出して、顧客の滞在時間を伸ばし、リピーターを増やした。」
田中(感心しながら):「確かに…スタバなら、たとえコンビニより高くても行きたくなりますね。」
佐藤コンサルタント(微笑んで):「そう。価格競争を避け、付加価値で勝つ典型例だな。」
【2:吉野家の「早い・うまい・安い」のブランド戦略】
佐藤コンサルタント:「次に、吉野家を見てみよう。彼らのブランドスローガンは知ってるか?」
田中(即答):「“うまい、安い、早い”ですよね!」
佐藤コンサルタント:「その通り。普通の飲食店なら『味』だけで勝負しがちだ。
しかし、吉野家の付加価値は『時間価値』だ。」
山本(先輩社員):「時間価値…?」
佐藤コンサルタント:「吉野家は、早く食事ができるという価値を提供することで、忙しいビジネスマンや学生のニーズを掴んでいる。
注文から30秒以内に牛丼が出てくる仕組みを作り、回転率を上げ、価格を抑えながら利益を出す。」
田中(驚きながら):「なるほど!
確かに、ゆっくり食べたいならファミレスに行けばいいし、牛丼なら吉野家が一番手軽ですね。」
佐藤コンサルタント:「まさにそうだ。顧客が求めているのは『牛丼』そのものではなく、短時間で満足できる食事体験なんだ。」
【3:ユニクロの「ファッション×テクノロジー」】
佐藤コンサルタント:「じゃあ、ユニクロはどうだろう?
なぜユニクロは、日本だけでなく世界でも売れている?」
田中:「うーん…価格が安いのに、品質が良いから?」
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