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続・「自分の子はかわいい」を分解する

「自分の子はかわいい」というよくある現象はなぜ起きるのか?

その謎については、子が誕生した時点で、当事者としての考えを以下に書いた。
今見ても基本的にはそのとおりだと思う。この謎を疑問に思ったことがある人は読んでみてほしい。

そして、7ヶ月経過した現在、「自分の子はかわいい」に新たな補完因子が判明した。

「懐き」だ。

懐きにより、またひとつギアがあがるのだ。

正確には懐きというと語弊があるかもしれない。
だが、子は、3ヶ月くらいを境に、「(ほぼ)自分(だけ!)にめちゃくちゃ心を開きあからさまに好き好き光線を送ってくる生物」に進化するのだ。
それまでの、単純な、「生命維持しないといけない儚い存在」からさらに特異な存在になっていく。

例えば、目が覚めてとなりに私がいるとにっこり笑い、腕をのばすと歯茎でハミハミしてよじ登ってくる。不慣れな人と相対すると不安そうで、こちらと目があうとパアアと安心した顔になる。抱き上げるといっそうニコニコして宇宙語で話しかけてくる。…など。

するとどうなるか。脳神経にダイレクトに「庇護欲汁」的なものがふきでて「ンンンういやつめ……」となってしまう。もう、これは、本能に訴えかけてくる、肉体的な反射みたいなものだと思ってほしい。

ちなみに、別にこれは「母」という属性は関係ない。

さらにいえば、人間の子にも限らない。

"懐き"による庇護欲ビッグバンは、たとえば犬猫とかにも全然感じるだろう(言葉を話さないうちは、かなり似通ったかわいさを持っている気がする)し、もはや「かわいい動物」じゃなかったとしても余裕で発生すると思う。

そうだな…"かわいい動物"じゃないもの…たとえば、デスク上に置いてるガジュマルとかでも。

これ

ちょっと想像してみる。作業中になんとはなしに目を止め、時折水やりをしてきて、日当たりを多少気にしてきた、ガジュマル。

そんなガジュマルがある日、めちゃくちゃ懐いてきたらどうだろうか。

帰ってきたらうれしそうにデスクの端に寄ってきたり、遠くにいるとソワソワとこっちをうかがって自分を明らかに待っていたり、来客があったときはめちゃくちゃ怖がるのに、自分だけには安心して枝をゆるめすりよってきたりしたら?

絶対かわいい。

そういうことだ。

とにかく、「懐き」にはもはや見た目のかわいらしさとかを超えた破壊力があるのだと言いたかった。

なので、この「かわいさ」のエネルギーが臨界点に達している生き物が常にいるんだから、「自分の子はかわいい」もさらに強固になるということだ。もちろん、かわいいだけで済まないのが育児ではあるのだが…。

まあ、だから、周りにひとりはいる、嬉々として子どもの写真ばっか見せてくる奴。

「見せすぎだろ」「そこまでか?」「かわいいのカツアゲでは?」って思うのが正直なところだろうが、「自分の子」は見た目だけじゃなくあらゆる角度で愛着とかわいさのフィルターのレイヤーがめちゃくちゃ上乗せされてると想像すると、そのダルさの行動原理が多少理解できるかもしれない。

だからかわいさの魔法がかかってないこっちとしてはダルいこと山の如しだろうが、生暖かい目で見ていただければ幸いだ。

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松下ゆき
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