組織イノベーションの知を耕すメディア「CULTIBASE」をリリースしました:編集長としての3つのこだわりについて
ミミクリデザイン&DONGURIから、組織イノベーションの実践知を発信するウェブメディア「CULTIBASE(カルティベース)」をリリースしました。3月に締結した資本業務提携の裏側であたため続けてきた新規事業が、満を持してのリリースとなります。安斎は、僭越ながらCULTIBASEの編集長を務めさせていただくことになりました。是非詳細はCULTIBASEのウェブサイトをご覧ください。
プレスリリースはこちら。リリースの背景や問題意識など説明しています。
まだ立ち上がったばかりですが、これからミミ&グリの総合力を活かした自社事業として、注力・成長させていく予定です。ぜひお楽しみにしていてください。無料会員登録をしていただくと、非常に使いやすくなりますので、ぜひこの機会にご登録ください!UI/UXは随時改善していく予定ですので、ご要望あれば遠慮なくご指摘ください!
これまでも安斎の個人note、ideariumなどで記事を発信してきましたが、組織のイノベーションに関わる実践知や理論については、今後は基本的にはCULTIBASEに集約する予定です。こちらのnoteのアカウントは、もう少し私的な日記・エッセイの発信に寄せて、継続していくつもりでいます。
CULTIBASEの事業としての方針は今後随時アップデートし、発信していければと思いますが、現時点で考えている個人的な想いをまとめておきます。
1.組織の「内部の変革者」に伴走するために
ミミクリデザインとDONGURIはこれまで、ファシリテーターとして、デザイナーとして、組織コンサルタントとして、組織の外部からアプローチするかたちで、様々なクライアントのイノベーションをお手伝いしてきました。第三者だからこそできることがあると考え、引き続き、BtoBのクライアントプロジェクトは注力していく予定です。
けれども同時に、イノベーションが生まれ続ける創造性の土壌を耕すためには、組織の経営層、ミドルマネージャー、事業担当者など「チームを束ねる立場」にある人たちが、自らイノベーションの実践知を獲得し「内部の変革者」として組織をファシリテートしていくことが肝要です。
CULTIBASEでは、組織の内部の変革者、あるいはその予備軍のみなさまが、メンバーの創造性を解放し、強いチームをファシリテートしていけるように、実用的なノウハウ、そして歯応えのある理論をお届けすることで、みなさまの試行錯誤のプロセスに伴走して参ります。
創造性について学ぶことは、幼少期から持っていた、創りだす衝動と喜びに立ち返ることでもあります。CULTIBASEのコンテンツで学ぶことが、日々の楽しみにしていただけるような、プレイフルなメディアにできればと思っています!
2."情報メディア"ではなく"知識メディア"として
CULTIBASEは、イノベーションの最新のトピックをお届けする「情報メディア」ではありません。少し大袈裟にいえば「知識メディア」でありたいと考えています。
"情報"と"知識"の違いとはいったい何でしょうか?名著『知識創造企業』によれば、知識には「信念」「コミットメント」「目的」があるといいます。
第一に、知識は情報と違って、「信念」や「コミットメント」に密接に関わり、ある特定の立場、見方、あるいは意図を反映している。第二に、知識は情報と違って、目的を持った「行為」にかかわっている。知識は、常にある目的のために存在しているのである。(『知識創造企業』p.85より)
情報メディアとは、文字通り、世の中に飛び交っている「情報」を取捨選択して、読みやすく整理して届けてくれるあるメディアのことです。テーマやコンセプトを定めたら、該当する時事的なトピックやニュース、関連情報をフラットに届けることを目的としたメディアだといえるでしょう。それをどのように解釈し、どんな目的に活かすのかは、読者に委ねられています。
他方で、CULTIBASEが目指す世界は、抽象的ではありますが、非常に明確です。それは、組織の一人ひとりが「創造的衝動」を発揮し、事業と組織をつくりだすプロセスを楽しめている状態。チームの中に絶えず「対話」が生まれ、関係性の中から次々に新たな意味が生み出される状態。そして、それが組織の理念や事業そのものをアップデートし続け、連続的にイノベーションが生み出されている状態。個人・チー ム・組織のそれぞれが創造的である状態(Creative Cultivation Model)が、私たちは「創造性の土壌」が耕された状態だと考えます。
Creative Cultivation Model
私たちが目指す「知識メディア」としてのCULTIBASEとは、私たちの信念とコミットメントに基づいて、組織の創造性の土壌を耕すための「知識」を編み出していくことに主眼をおいています。結果として、イノベーションに関する最新のトピックに抜け漏れがあったり、コンテンツが偏ったりすることもあるでしょう。それでも、情報を網羅的にお届けするのではなく、信念ある知識を生み出すことに、注力したいのです。
是非みなさまも"情報の収集"ではなく、"知識を獲得"するためにCULTIBASEを活用していただけると、嬉しいです!
3.自社にとって最高の学習環境を実現する:WDAのフルリニューアル
同時に、ミミ&グリのメンバーにとっての最高の学習環境であり、最高に遊べるプレイグラウンドであることも、重視したいと考えています。
そんなことをいうと、サービスは「ユーザーファーストであるべきだ」と叱られるかもしれません。けれども、上記の方針を貫くことが、結果として、コンテンツとサービスを持続的に成長させる最良の戦略だと考えているのです。
もともと、ミミクリデザインは創業期からWORKSHOP DESIGN ACADEMIA(WDA)というオンラインプログラムを運営してきました。このサービスこそが、自分たちの理想の学習環境であることを最優先として、ビジネス度外視で、さまざまな動画コンテンツ、研究会やワークショップを実践してきました。2017年12月にオープンして以来、コンテンツやコンセプトに共感してくれる会員様が増え続け、現在では1000名を超えるコミュニティになっています。
当初はワークショップデザインやファシリテーションの方法を学ぶことが目的でしたが、自分たちの組織と関心の成長にあわせて、取り扱うトピックもイノベーション、組織マネジメント、デザイン、アート、学習など、多岐にわたってきました。今回、CULTIBASEのリリースに伴って、WDAそのものもフルリニューアルを予定しており、秋ごろから「CULTIBASE Lab」として、CULTIBASEと直接連動したサービスとして展開予定です。
今後は、CULTIBASE Labが、ミミ&グリのメンバーにとっての最高の学習環境であることを目指して、引き続きサービスを発展させていく予定です。すでにコンテンツがかなりパワーアップしていますので、是非いまのうちにご入会ください!(秋にCULTIBASE Labに切り替わるにあたって、料金や登録内容の変更はありません。自動的にリニューアルされます)
直近は、安斎自身は「問いのデザイン」「組織学習」に関する対談や連載、また単発でのイノベーションに関する記事コンテンツを発信していく予定です。是非、CULTIBASEの無料会員登録、Twitter、Facebook、YoutubeなどSNSの各種登録をお願いいたします!
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