シェア
「お菓子な絵本」 兄は幻想世界、弟は現実世界。 異なる次元で生まれ育った兄弟の出会い…
わたしたちが望んで行動すれば、 きっと そのとおりになる。 ロ…
2.秘密指令 「マシュー・シュヴァルツ! 今日こそは」 真利江は息子のワイシャツの衿首を…
3.お菓子な絵本 パジャマに着替え、真秀はベッドに潜り込んだ。急激な眠気が襲ってくる。 …
4.黒すぐり Blackcurrant 噂では 17、8 の若者らしいということだった。 〈黒すぐり〉B…
5. 王子ジャンドゥヤ 「あーっ! もうっ、何てこと!」 マドレーヌは悲鳴をあげた。 「あ…
6. 鷹は舞い降りた 狩りに参加すべく待機していた全員が即座にひざまずき、王子に敬意を表した。 たった今まで悪口を言っていたアルジャンテでさえも、そうせざるを得ない空気が王子を取り巻いていた。創造者の息子としての、そして王子としての威厳。その華麗にして突飛な行動で、どんなに周囲を振り回そうとも、軽口をたたこうとも、アホっぽい歌を口ずさもうとも、宿命的について回る威厳が、彼にはあった。 ブレッター・タイクの森の管理小屋に置いてあった間に
7. 黒すぐり あらわる マドレーヌは木の幹や生い茂る枝葉に抱かれて、深い眠りに陥りつつ…
8.決闘 「あ……、あれ?」 消えた? 鷹は? 王子はどうなったんだ? 真秀は混乱して…
9. 人間チェス Living Chess 「アルヴィンの息子なら」 カイザー・ゼンメル城の薄暗い書…
10. チェック・メイト 「ナイト、f3」 いきなりジャンドゥヤ・ナイト、自ら飛び出した。…
11.陰謀 「実に痛快な幕切れでしたね」 ひとりごとを言いながら真秀は白のルークを手に取り…
12. 白の庭で 小犬を連れた羊飼いの少年。 横笛を吹く少女。 弓矢を引き絞る狩人。 …
13. 降ってきた助っ人 「マドレーヌさま……」 どこからか、遠い呼び声。 「どこですのー?」 静かに、そして確実に。二人の幸福な眠りを打ち破るかのごとく、響いてくる。 ── 彼女だわ ──。 「マドレーヌさまー!」 ── いやよ。来ないで。ずっとこうしていたいの。幸せな夢を、いつまでも見ていたいのに! ── ジャンドゥヤはいさぎよく立ち上がり、マドレーヌにかけてあったマントをそっと外して自分の肩に引っかけた。 彼女と話したかったのだけどな。 リンゴの