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「お菓子な絵本」長編ファンタジー(全39章)

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兄は幻想世界、弟は現実世界。異なる次元で生まれ育った兄弟の出会いと運命の物語。冒険活劇に、ほのかな恋や謎解きも。最終話はエンディングテーマ〈End of Dream〉の録り下ろし…
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「お菓子な絵本」長編ファンタジー(目次 & 登場人物)

「お菓子な絵本」  兄は幻想世界、弟は現実世界。  異なる次元で生まれ育った兄弟の出会い…

「お菓子な絵本」 1.プロローグ

  わたしたちが望んで行動すれば、   きっと そのとおりになる。           ロ…

「お菓子な絵本」 2.秘密指令

2.秘密指令 「マシュー・シュヴァルツ! 今日こそは」  真利江は息子のワイシャツの衿首を…

「お菓子な絵本」 3.お菓子な絵本

3.お菓子な絵本  パジャマに着替え、真秀はベッドに潜り込んだ。急激な眠気が襲ってくる。 …

「お菓子な絵本」 4.黒すぐり

4.黒すぐり  Blackcurrant  噂では 17、8 の若者らしいということだった。 〈黒すぐり〉B…

「お菓子な絵本」 5.王子ジャンドゥヤ

5. 王子ジャンドゥヤ 「あーっ! もうっ、何てこと!」  マドレーヌは悲鳴をあげた。 「あ…

「お菓子な絵本」 6.鷹は舞い降りた

6. 鷹は舞い降りた  狩りに参加すべく待機していた全員が即座にひざまずき、王子に敬意を表した。  たった今まで悪口を言っていたアルジャンテでさえも、そうせざるを得ない空気が王子を取り巻いていた。創造者の息子としての、そして王子としての威厳。その華麗にして突飛な行動で、どんなに周囲を振り回そうとも、軽口をたたこうとも、アホっぽい歌を口ずさもうとも、宿命的について回る威厳が、彼にはあった。                  ブレッター・タイクの森の管理小屋に置いてあった間に

「お菓子な絵本」 7.黒すぐり あらわる

7. 黒すぐり あらわる  マドレーヌは木の幹や生い茂る枝葉に抱かれて、深い眠りに陥りつつ…

「お菓子な絵本」8.決闘

8.決闘 「あ……、あれ?」  消えた? 鷹は? 王子はどうなったんだ?   真秀は混乱して…

「お菓子な絵本」9.人間チェス

9. 人間チェス Living Chess 「アルヴィンの息子なら」  カイザー・ゼンメル城の薄暗い書…

「お菓子な絵本」10.チェック・メイト

10. チェック・メイト 「ナイト、f3」  いきなりジャンドゥヤ・ナイト、自ら飛び出した。…

「お菓子な絵本」11.陰謀

11.陰謀 「実に痛快な幕切れでしたね」  ひとりごとを言いながら真秀は白のルークを手に取り…

「お菓子な絵本」12.白の庭で

12. 白の庭で  小犬を連れた羊飼いの少年。  横笛を吹く少女。  弓矢を引き絞る狩人。  …

「お菓子な絵本」13.降ってきた助っ人

13. 降ってきた助っ人 「マドレーヌさま……」  どこからか、遠い呼び声。 「どこですのー?」  静かに、そして確実に。二人の幸福な眠りを打ち破るかのごとく、響いてくる。 ── 彼女だわ ──。 「マドレーヌさまー!」 ── いやよ。来ないで。ずっとこうしていたいの。幸せな夢を、いつまでも見ていたいのに!  ──  ジャンドゥヤはいさぎよく立ち上がり、マドレーヌにかけてあったマントをそっと外して自分の肩に引っかけた。  彼女と話したかったのだけどな。  リンゴの