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家を継いで始めたモバイルハウス制作:窓・ドアの設置編

父の病死をきっかけに兼業の米農家と、建具屋の曽祖父、大工の祖父、建築士の父という家のDNAを継ぐと決めた結果生まれた『米の移動販売車兼モバイルタイニーハウス作りプロジェクト』。

制作過程の記録も、第六弾。制作記録に関しては、今回で最後になる予定です。前回の屋根張り・壁張り編に引き続き、今回は窓・ドアの設置編です。

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いよいよ、屋根と壁を大方張り終え、「屋内」と呼べるスペースができてきました。

まずは、突き出し部分の板を張り終えてしまいます。

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張り終えてみると、こんな具合です。

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屋根部分は微妙に傾斜させているため、三角屋根っぽい板を切り出す必要があるのですが、今回はこのように設置予定の部分に板を取り付け、鉛筆で縁をなぞってその部分を切り出すというアプローチを取ることにしました。

こうすれば、作業途中で余ってきた資材を有効活用しきることができます。

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続いては、窓の取り付けにかかります。

この作業が、地味に一番辛い作業の時間となりました。

窓を取り付けるためには蝶番を窓および窓を設置予定の位置へ取り付ける必要があるのですが、うまく並行を保たないと蝶番や窓、ハウスの角材にストレスがかかり、窓が歪んで嵌らなくなってしまうかもしれません。

作業するにも、片手で窓をもち、片手でネジを締めるというのも難しい。

窓を固定する手を手放し、ネジを締めるために両手を使える状態が望ましいのです。

結果として、脚立と資材の板を有効活用しながら、工事現場の足場のようなものを作って窓を固定することにしました。

この、ちょうど良い位置を見つけるのが難しく、どんどん時間が過ぎてしまいました。

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一度やり終えてしまえば慣れてきます。

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窓作り編で作っていた大サイズの窓は、このような形に仕上がりました。

続いて、小サイズの窓ふたつの設置に取り掛かります。

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小サイズの窓ふたつは、両開き窓になりました。

取手は百円ショップで購入したものですが、なかなか良い味を出してくれています。

さあ、窓の設置が終了しました。

残すは、ドアの設置のみ!

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ドアの設置は、最後の難関となりました。

蝶番をつけるにしても、これまでの窓とはサイズが大きく異なり、一人で固定するのはどうしても難しかった。

様子を見にきた母に最後は支えてもらい、やっとの思いでドアを嵌めます。

やった!これで終わりだ!

と思った矢先、ドアが嵌らない。閉まらないという悲劇が発生。

ドアが閉まらず詰まっている箇所を、サンダー(電動ヤスリ)で小一時間削り、ようやく完成へ。

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私が電動ヤスリをかけている間、いつの間にか母は絨毯と電池式ランタンを持ち込んでいました。

「二畳くらいあるかな?ここで寝られるわ〜」

「余った木を使ってこんなものが出来て……いや、発想がすごいわ〜」

「ここでコタツ敷いてもええな!子供部屋にしても子供たちが喜ぶわ〜」

などなど、妄想が膨らんでいっている様子。

こちらは疲労困憊でフラフラですが、それでも母に何か楽しみやワクワクが芽生えたのなら、それも、良かったかもしれません。

このモバイルハウスを制作し始めた当初、自分は米の移動販売車やキャンピングカーとして活用することを想定していました。

それが、母や祖母の視点が入ることで子供部屋になったり、キッチンカーになったりと、その人から見える使い方等によって可能性が広がるのを目の当たりにしました。

それもまた、面白いかもしれません。

少なくとも、祖父や父が亡くなり、遺された工房と資材は行き場所を失っていた訳です。

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それが、自分が曽祖父や祖父、父の仕事の一端や家を継ごうと考え、工夫を凝らした結果、このようなモバイルハウスが出来上がりました。

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何か、小さくとも思いを持って一歩踏み出し、活動を貫き通そうとすれば、人は面白そうだと感じたり、ワクワクしてアイデアを乗せてきてくれる。

それは、長年付き合っているはずの家族の間でも、まったく新しい一面が引き出される形で、起こるかもしれない。

父の病死をきっかけに兼業の米農家と、建具屋の曽祖父、大工の祖父、建築士の父という家のDNAを継ぐと決めた結果生まれた『米の移動販売車兼モバイルタイニーハウス作りプロジェクト』。

と銘打ってきた今回の取り組みも、ここにきて物理的なハウスの完成以上の何かが家族の中で芽生えたような、そんな気持ちになれました。(勘違いかもしれませんが。)

最後の最後は、家族との共同制作となった今回のモバイルハウス制作も、これにて一区切りです。

次回の記録で、今回のハウスがどのような仕様に仕上がったのかを確認していこうと思います。


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大森 雄貴 / Yuki Omori
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