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伝統工芸品:越中和紙@銀座
おはようございます。
今日も朝から清々しく晴れる一方で、相変わらず気温はかなり寒い。
昨日は銀座松屋でこの3連休まで開催されている銀座名匠市に。
東京にいながら日本各地の、金物、木工、彫り物、漆器、焼き物、ガラス、織物、石や竹、筆、仏具まで手仕事で作り上げられた作品を実際に作られている方々にお話を伺いながら見ることができる貴重な機会。作品だけ見ていても気がつかない、そして話だけを聞いていても作品がわかっていなければピンとこないという様なことも、実際に作品を作った方に作品を見ながら教えていただければ避けられる。作品や技術の難しさ、作りが今に至る背景なども理解することができる。
もちろん去年漆器を初めて買うきっかけになった輪島塗りのお母さんがいらっしゃる見て回ると今回はいらっしゃらないようなので、会場をぐるっと回って見ていく。工芸展に来て感じるのは、その分野に興味あるなしに関わらず(僕は大抵興味あるからかな)どれもやはり洗練されたデザインでそれを実現する細やかな技術を含めて完成度の高さを感じさせてくれる。
そんな中、今回僕が目に止めたのは和紙のポチ袋。
図柄がめでたい、けれどポップでかわいい、しかも丈夫。
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こちらは富山県の五箇山(ごかやま)、八尾(やつお)、蛭谷(びるだん)の3つの産地をまとめて越中和紙と呼ばれている作品の中で五箇山のもの。
富山県内で隣り合う3つの街だが、それぞれ和紙に求められた背景が藩が違ったことで仕上がりも異なり、異なる個性があるものが楽しめるようになっている。
ご紹介くださった方は八尾の作家さんだったけれど、僕が興味を持った五箇山の作品に関しても熱心に、八尾や蛭谷との比較をしながら特徴を教えてくださる。
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素材にこだわって、手間暇を掛けて、モノとして完成度も当然高い。
でも『値段が高い』という理由でなかなか売れない。
(ポチ袋が2つで¥550、祝儀袋が1つで¥880、一般的なものの2~4倍といったところか)
ご紹介してくださっている方も『やっぱりすこし値が張っちゃうんですよね』と申し訳なさそうに仰っていたのが印象的だった。
お話をお伺いしてやはり“和”紙というくらい日本の大切な文化だし、ポチ袋や祝儀袋(というか封筒)は急に必要になることが多くその時に慌てて探して良いものがないのに買わなければいけないという状況を避けたいという気持ちもあって、気に入ったものを全て購入させていただいた。
今は”高くて良いもの”も“安くてそれなり”のものも両方あるから良いけど、このまま“安くてそれなり”の物だけ買い続けたら”高くて良いもの”は廃れて、その文化は消えて無くなる。
“安くてそれなり”に数買ってどれも人生に残らないなら、”高くて良いもの”を人生の相棒の様にずっと使う方がずっと幸せ。
こういう価値観を広めていきたい。
これだけものが溢れて、コンセプトもデザインもコピーされたり使い古された中で『品質が高く完成されたデザインで長く使われる一生もの』の価値観が再評価されるチャンスが来ているように思う。そして自分もそれに関わっていきたい。
松屋の銀座名匠市にて。
本日2/24まで。
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い週末を。