GUCCI ANCORA 【ファッション】
おはようございます。
今日はしとしと雨の曇り空、涼しくて完全なる長さめの秋の1日といった感じ。
昨日、Gucciの2024春夏コレクションのWomen's Fashion Sowが行われた。
このShowは、ただのファッションショーという意味だけでなく、7年間続いたAlessandro Michele(アレッサンドロ・ミケーレ)から新デザイナー、Sabato de Sarno(サバト・デ・サルノ)に代わり最初のコレクションという点で大きな意味を持つコレクション。
デザイナーの違い
ノームコア全盛のごりごりリアルクローズが主流だった2015年に、突如としてロマンティック・ファンタジーの世界観を作り上げて打ち出しファッション界に衝撃を与えたアレッサンドロ・ミケーレ。彼の出現の前後でトレンドは完全切り替わりデコレーションやプリント、懐古主義的なデザインがマーケットに溢れた。そんな大きなインパクトを与えた前任者の後を引き継いだのはサバト・デ・サルノ。Pradaでキャリアをスタートして直近14年はValentinoでデザイナーとして活躍してきた彼が任命されて半年以上の期間に構想を練って発表した今回のコレクションという訳だ。
ブランドの関係性
ValentinoとGucciは、現在Valentino CEOを務めるJaccopo Venturini(ヤコポ・ヴェントゥリーニ)がGucciで商品部門でのVice Presidentをアレッサンドロ就任時から直近まで務め古巣Valentinoに戻ったり、Gucciの親会社であるKeringが7月にValentinoの株式の30%を買い取る形で関係を深めている。
サバトのファーストコレクション
サバトのコレクションを見てみると、個性の塊だった前任者のものと比べると、やはり一般的なスタイルで個性という点では物足りないものだったと言えるだろう。ボクシーなジャケットにミニレングスのスカート、ホワイトのタンクトップなどは他のブランドでも見られるものだった。ただスタイル、デザイン、カラーという点ではフォーカスがわかりやすいものだったし、ハンドバックではJacqueline Kennedyが愛用していたことで知られるJackieバッグ、ベーシックなウェアにGreen/Red/Greenのウェブデザイン、アクセサリーにはクラシカルなマリナチェーン、とGucciらしい伝統のアイコンデザインをGGロゴに頼らずに表現されていた。
サバトは、「世界がGucciに再び恋に落ちてほしい」と願って今回のコレクションを『GUCCI ANCORA』と銘打っている。「Ancora」はイタリア語で「アンコール」の意味の「again」や「more」の意味合いを持つ。
そして、彼はイタリアン・ブランドのデザイナーを歴任してきて、売上規模でイタリア最大のブランドGucciにおいても「イタリアらしさ」に拘っている。これもファンタジーの世界観にアメリカやフランス(地理的に半分イタリアみたいなものだけど)を盛り込んだアレッサンドロとの対比に今後なっていくだろう。
サバトへの期待
強い個性は強い憧れを生むがマスは取れない。
皆が受け取りやすいメッセージではフックになりにくく、すば抜けにくい。
その難しいバランスをうまく取りながら、Gucciの魅力を新たな形で見せながら世界にGucciに改めて恋に落ちさせることができるのか。Valentinoで新たなロゴを打ち出すなどコマーシャル面でも上手い彼がどこまでやってくれるのか、Gucciというメディアを使ってどういったアートや才能を発信していくのか、個人的には楽しみにしている。
(大好きな無印良品にも近いイメージカラーだし笑)
ミラノ中心地Brera地区の路上で、ローカルの人々がバルコニーから見守る中行われる予定だったデビュー作は、残念ながら大雨のために当日已む無くグッチの現代的な本社への移転を余儀なくされた。出鼻をくじかれた形になってしまったが向こう1年、サバトのクリエーションに注目していきたい。
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い一日を。
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