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陶磁器41:日本の焼き物(鹿児島県:薩摩焼)

おはようございます。
今日はとても穏やか晴れの朝、気温も過ごしやすくとても気持ちがいい朝。

さて、日本各地の焼き物の名産地をピックアップしたところで、具体的に1つずつ見ていこう。
32回目の今日は、鹿児島県の薩摩焼。

薩摩焼(陶器)

薩摩焼は、鹿児島県で生産される陶器。
白薩摩、黒薩摩、磁器の3種類から形成される。薩摩焼の特徴は種類が多く、竪野系、龍門司系、苗代川系、西餅田系、平佐系、種子島系と呼ばれる6種類もの種類がある。
白薩摩は白もんと呼ばれ、淡い黄色い焼き物に透明の釉薬を使い、表面にひびをあしらい、その上から装飾したもので主に装飾品や置物等を製作。黒薩摩は黒もんと呼ばれ鉄分の多い陶土を利用しており、釉薬も色味のついたものを利用して主に焼酎を飲むときに使われる器等を製作している。薩摩焼には主原料を陶石とする磁器も存在しますが、現在は流派が途絶え作られてはいません。
薩摩焼の産地は主に鹿児島県鹿児島市、指宿市、日置市等になり、現在残っている窯場は、苗代川系、龍門司系、竪野系の3つの窯場です。
苗代川系は当初は黒もんを中心だったが、現在では白もんを中心に制作している窯場となっている。朝鮮にあった白土を使って作られた「火計手(ひばかりで)」などが有名。
竪野系は苗代代系と同じく火計手などメインに白もん中心で、その後に贈答用や献上用の茶碗などを作るようになり、薩摩焼が日本で作られ始めた当初は薩摩焼の主流として栄えていた。明治時代ごろに途絶えかけましたが、黒もんを作るようになって再興しました。
龍門司系は黒もん中心でさまざまな釉を使ったカラカラや酒器を多く製作してきており、現在でも酒器を中心に、美しい茶器や日常的に使う器などを作っている。。

歴史

薩摩焼の歴史は戦国時代の1529~1598年(享禄2年~慶長3年)に行われた文禄・慶長の役から始まる。この朝鮮出兵した戦争は別名「焼き物戦争」と呼ばれ、薩摩藩藩主の島津義弘が朝鮮人の陶工師を80人連れ帰ったことで薩摩焼が誕生した。
朝鮮人陶工師の朴平意(ぼくへいい)や金海(きんかい)らは、薩摩藩内に窯場を開きそれぞれの陶工のスタイルで、様々なスタイルの陶磁器の制作を行った。これが流派や特徴に分かれ、現在の形に昇華して薩摩焼となる。
現在の薩摩焼は伝統を受け継ぎ、未だに朝鮮の風俗を受け継いでいる。沈壽官(ちんじゅかん)の窯は美山にある窯場で朝鮮の独特の風俗を受け継いだ色絵薩摩の里。また、朴平意の末裔が引き継ぐ荒木陶窯は朝鮮ならではの左回しのろくろに拘り、独自の天然釉薬を利用して祖先から引き継いだ伝統を守っている。
1867年(慶応3年)の江戸時代から明治時代への変遷期には薩摩藩がパリ万博へ薩摩焼を出品し、ヨーロッパの人々に感銘を与えて「SATSUMA」と呼ばれて親しまれた。2007年(平成19年)の平成時代にもフランス国立陶磁器美術館に於いて薩摩焼パリ伝統美展が開催されその名を馳せた。

地理

薩摩焼は、鹿児島県鹿児島市を中心として、鹿児島県西部(鹿児島湾を挟む西側)の南北に窯が点在する形で広く作られている。薩摩藩の影響の強さをここからも窺い知ることができる。
鹿児島湾の一番奥に位置する北の地域では黒もん、鹿児島辺りから南に置いて主に白もんが作られている
各地に川が近くに流れているものの、日置市東市来町美山地帯は神之川から少し逸れた場所にある。しかし、この周辺には池も多く、そこから白もんのべーすとなる土が採れた可能性がある。

作り方

  1. 坏土づくり 数種類の陶土を原料を細かく砕いて調合し練って坏土する。黒もんと白もんは坏土に使う土の種類が異なる。白もんは坏土することにより、黄褐色の陶土となり、黒もんは茶褐色の陶土になる。主原料となる白土とその他の土を巧みに配合することで、磁器と陶器のどちらともつかない風合いを出していく。

  2. 水簸 白もんでは土をこねては水に溶かし沈殿を集めて乾燥させては土を取り出す水簸と呼ばれる作業を繰り返して繊細な陶土を作っていく。黒もんは土の素朴な風合いを大切にするため、水簸の行程は行わない。水簸で繊細な粒子を作ることにより、表面が滑らかな白もんの原型が作られる。

  3. 成形 ろくろを使って成形していく。手で作る手ひねり等もあり石膏型や素焼き型を使う型起こし等、窯場によって独自の成形を行う。現在ではろくろを使った成形が主流になっている。

  4. 乾燥・成形の仕上げ 仕上げまでの少しの間乾燥させる。おおまかに乾燥したところで、カンナで削ったり、彫ったりして形を整えていく。黒もんの場合には、透かし彫りや浮き彫りへら等による加飾で装飾をあしらうこともある。白もんは焼き上げた後に装飾の行程に入る。

  5. 乾燥 成形して仕上げたものを天日で乾燥させる。作品によっては熱風乾燥により充分水分を抜いていきます。

  6. 素焼 750度〜850度の窯で15〜16時間程度素焼きする。素焼きで表面を硬くすることで釉薬の乗りがよくなる。素焼き後冷やしてから、表面のざらつきを落としなめらかにしていく。

  7. 施釉 白もんには透明の釉薬を使い、主に浸掛・流し掛の手法を施す。黒もんには数種類の釉薬掛を行う。釉薬には黒釉、褐釉、飴釉等を用いて行い、配合は作品によって変えていく。

  8. 本焼 1,250度程度で12時間以上焼き上げる。酸素を含んだ酸化炎と酸素を欠乏させた還元炎の方法があり、種類によって焼き方を変えていく。白もんの特徴である貫入と呼ばれる表面の細かいひびは焼成後の冷ます過程で生じる。

  9. 上絵付 白もんにのみ上絵付けを施していく。本焼きされた製品に対して720度〜800度の温度で6時間程度焼き上げる。骨描きと呼ばれる線書きを行い、色込めと呼ばれる色彩を施す。白もんの作品は豪華絢爛なものが多く、赤、緑、黄、紫、金色等を使って色込めをしていく。金色の装飾である、金細工を施す場合には、上絵付けを行った後に金描き又は金盛りを金色の絵の具で施し、600度〜680度で焼いていく。

  10. 完成 窯出しを行い、焼く前にアルミナ等を塗布して焼き上げているため、底のざらつきを取り除く仕上げを行い、釉薬の飛びを綺麗にし完成となる。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tokonameyaki/

https://journal.thebecos.com/yakimono-type/


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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