SDGs 16: 12 つくる責任 つかう責任

おはようございます。
今日も朝から1℃とより一層冷え込みが厳しい。火曜日になれば、と指折り数えて暖かくなるのを待ちたい…。

さてSDGsに関して学び始めたけれど、今日からは実際にSDGsの17の目標を具体的に見ていきたい。
今日は12個目の『つくる責任 つかう責任』から見ていこう。

持続可能な開発目標

持続可能な開発目標(英語: Sustainable Development Goals、略称: SDGs)は、2015年9月25日に国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標である。さらにその下に、169の達成基準と232の指標が決められている。

つくる責任 つかう責任
SDGs目標12『つくる責任 つかう責任』は、持続可能なモノの生産や消費を目指した目標。この目標は、次の世代にも地球をつなげるために、限りのある資源を長く有効活用するために定められた。

世界にはたくさんの資源やエネルギーが存在しており、私たちは商品や資源を使用して生活している。しかし技術の発展に伴い、世界の人々が消費する資源の量が増加。一方で一部の国では、食料不足により飢餓に陥ってしまうなど、格差が拡大している。また世界各国で環境問題に発展している。

ただ資源やエネルギーの消費量が増加しているだけではなく、廃棄物の焼却や埋め立て問題、さらにはプラスチックごみが海に流れ出て、海洋環境へ悪影響も与えるなど、環境問題も発生している。限りある資源を長期的に使用し、自然環境を考慮した取り組みを実行していかなければならない。

それぞれの項目の達成目標
ターゲットとは具体的な行動指針のようなもので、数字が入る場合は目標に対する具体的な課題を、アルファベットが入る場合は課題を達成させるための手段や策を指す。

12.1 持続可能な消費と生産のための10年計画を推進する。10年計画は先進国が積極的に取り組み全世界で対策を進める。
12.2 2030年までに天然資源を適切に管理する。天然資源が長期的に使用できるようにする。
12.3 2030年までにお店や家庭で排出されるゴミの量を半分に減少させる。農作物などの収穫後や生産・供給時に食品が捨てられないようにする。
12.4 2020年までに国際的な取り決めに基づいて、化学物質やごみを適切に管理する。化学物質などが人々の健康と自然環境に悪影響を与えないようにする。12.5 2030年までにごみの発生を防ぐ。再利用やリサイクルを通じてごみの量を大幅に削減する。
12.6 大企業やさまざまな国に支店をもつ会社が地球を考慮した取り組みを実施する。企業が報告するレポートに持続可能な社会の実現に向けた取り組みに関する情報を含める。
12.7 国の政策や優先事項にしたがって、持続可能な方法でものやサービスを購入する。
12.8 2030年までに人々があらゆる場所で持続可能な開発と自然との調和についての情報と意識を持つ。すべての人々がさまざまな場所で持続可能な開発や、自然と調和した暮らし方に向けて、意識を高める。
12.a 発展途上国が地球を考慮した、持続可能なモノの生産や消費を行っていく。持続可能な生産や消費を実施するために、技術をさらに発達させていく。
12.b 都市部以外の地域や地方にて働く場を増やし、地方の特産物や文化を広める。地方における観光業について、普及する際に地球を考慮した方法で、文化や特産物を広めていく。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留める。税制改正や有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

「つくる責任 つかう責任」はなぜ必要か

食糧問題
世界の食品ロスの現状は非常に深刻で、2021年の段階では毎年25億トンもの食品が捨てられている。これはコンビニやスーパーマーケット、レストランなどで提供される食品の一部が食べることなく廃棄されることなどが主な要因となっている。
一方発展途上国などの一部の国では、食糧不足により飢餓が発生している。特にアフリカやアジア大陸に位置する国の人々の多くが、飢餓状態に陥っている。2022年の段階では、サハラ以南のアフリカで暮らす人のうち1億4,600万人が食料不足となっており深刻な課題だ。

日本においても、恵方巻きだけに限らず多くの食品が食べることなく捨てられている。農林水産省の調査の結果、2021年における食品ロス量は523万トン。この数値は年々減少傾向にあるものの、いまだに多くの食品が捨てられている。
「食品ロス」には飲食店など事業を通じて排出される事業系食品ロス」と家庭から排出される家庭系食品ロス」という2つの種類に大きく分類でき、2021年における食品ロス量は事業系食品ロスが279万トン、家庭系食品ロスが244万トンだった。

ゴミによる環境破壊
世界各国で廃棄される食品のほかにも多くのごみが発生している。2019年において世界で排出されたごみの量は約21億トン、そのうち全体の16%しかリサイクルできていない特に中国やインド、アメリカで多くのごみが排出されており、今後人口増加に伴ってさらに増加すると見込まれている。
ごみの排出は地球環境にも悪影響を与えている。たとえばごみが発生した際焼却炉などを用いて燃やす必要がある。その際に発生する二酸化炭素は地球温暖化を促進する原因の一つ。ごみを大量に排出することで環境汚染が深刻化し、さまざまな環境問題に繋がる。環境問題を悪化させないよう、ごみの排出量を減らしたり、3R (リデュース、リユース、リサイクルという3つの単語の総称のこと。それぞれ「ごみの削減」・「ごみの再利用」・「ごみの持続的活用」を意味する。)を意識するなど、個人が日頃から気を配ることが可能で大切になってくる。

海洋プラスチックゴミ

近年では多くの商品にプラスチック製品が使用されており、日本は食品の個包装などで特にその使用率は高い。しかし便利である一方、多くのプラスチックごみが排出されており海に流れ込んでしまっている。経済協力開発機構(OECD)が調査した結果2019年に発生したプラスチックごみの量は3億5,300万トン。プラスチックごみは年々増加傾向にあり、2060年には10億トンを超える量のごみが排出される見込みになっている。
プラスチックごみが増えるにもかかわらず、リサイクルされる量はあまり多くはありません。2019年におけるプラスチックごみのリサイクル率はわずか9%でした。プラスチックごみが増加することで、海などの自然環境が変化して海で暮らす生き物や植物にも悪影響を与えている。また、海に流れたプラスチックがマイクロプラスチックとなって海洋生物体内に蓄積、食物連鎖で最終的に魚を食べる人間自身もこれを無意識に体内に蓄積してしまうところまで来ている。
これらの問題を解決するためには、私たち一人ひとりがプラスチックの使用について考え、行動を起こすことが求められている。

世界における解決への取り組み事例

では目標11「つくる責任 つかう責任」に対して、日本や世界ではどういった取り組みが行われているか。具体的に見ていこう。

世界の取り組み

デンマークは世界の中でも、SDGsの達成度が高い国で、2022年における世界のランキングでは2位に位置している。そんなSDGsの達成度が高いデンマークが持続可能な社会を実現するための政策として取り組んでいるのが「UN17 Village」の建設です。「UN17 Village」とは、国際連合が採択した17個のゴール(SDGs)のうち、すべての目標の実現を目指した建築プロジェクトのこと。
「UN17 Village」では建設時に発生するごみの量を減らすため、資源を無駄なく使用して建物などの建設を行う。そのほかにも二酸化炭素の排出量が少ないセメントを使用したり建物に断熱効果のある木材を用いたりと、環境への影響を考慮しながら建設している。

LEGO|商品にリサイクル素材を活用
ご存知のLEGOはそんなデンマークに本社を置き、世界各国で製品を販売している会社。事業を展開しつつ、地球の環境を考慮し、持続可能な商品の開発に力を入れている。
たとえばリサイクル素材を活用した商品の製造。ごみの排出量を削減するため、ペットボトルを資源として商品を製造している。またすべての商品の梱包をプラスチックから紙などの持続可能な素材へと変更することも目指しており、プラスチックの使用量を削減している。

Patagonia|Worn Wearの取り組み
アウトドア用品を販売するPatagoniaではごみの排出量を減らし、地球温暖化を抑制するための取り組みとして「Worn Wear」に取り組んでいる。具体的に「Worn Wear」とは、Patagoniaの製品をより多くの人に長く使ってもらうため、製品を修理・再利用し、交換する取り組みのこと。これにより製品を長く使うことができ、廃棄物の量を減らすことが可能になる。

また、フランスでは「食品廃棄禁止法」という法律を2016年に制定し、店舗面積400m2以上の大型スーパーを対象に、まだ消費できる食品の廃棄を禁止して店頭で余った食品を慈善団体に寄付することなどを求めている。

日本における取り組み事例

日本は他国と比べても天然資源が乏しい。そのためエネルギー自給率が低く、石油、石炭や天然ガスのような化石燃料を海外から輸入している。2020年の段階で日本の電力自給率は11.3%で、他の先進国と比較しても日本の自給率がかなり低い。
そんな化石燃料を海外の輸入により依存している日本では、化石燃料由来のエネルギーが約80%以上を占めている。一方で太陽光などの再生可能エネルギーは供給されるエネルギー割合のうち約10%しかない。エネルギー自給率が低いと、万が一化石燃料などのエネルギー資源が枯渇したり、国際情勢が悪化したりした場合、安定して電力を供給できなくなる。安定したエネルギーを提供し続けるために再生可能エネルギーを導入し、化石燃料ではなく再生可能エネルギーによる電力へシフトしていくことが大切になってくる。

イオングループ|食品ロスの削減
イオングループは、SDGs目標12の達成に向けて「食品ロス削減」に力を入れている。長期的な目標として2025年までに食品廃棄物を半減することを目指して取組を行っている。たとえば食品の売れ残りが出ないよう、グループ全体で廃棄された量を把握し、売れ残らないように消費者が購入しやすいサイズに変えるなどの工夫している。またごみの分別を17種類に分類し、可能な限りリサイクルして新たな資源として活用。実際に2021年度における生ごみのリサイクル率は96.3%だった。

無印良品・ユニクロ|Re:MUJI / RE.UNIQLO
無印良品やユニクロは、製品を服として着るだけではなく多くの場で活躍できるように商品をリサイクル・リユースするプロジェクトをそれぞれ展開している。消費者が購入して着なくなった服を回収し、新しい商品として販売していく。これにより限りある資源を有効活用しつつ、環境への負担も軽減していく。また一部の商品は難民へ衣料を支援したり、二酸化炭素排出量の削減に役立つ代替燃料として活用したりとさまざまな取り組みを行っている。

解決に向けて私たちにできること

上でも挙げた「Reduce(リデュース)」、「Reuse(リユース)」、「Recycle(リサイクル)」という3つの単語の頭文字から成る3Rの取り組みを意識することでSDGs目標12の達成に貢献できる。
たとえば必要以上に料理をつくらないことや無駄に印刷しないことは「Reduce」に、また使い捨て商品を使わないようにしたり、プラスチック製品をリサイクルに出したりすることで「Reuse」や「Recycle」につながる。
物を大切に使い、ごみの排出量を減らし(Reduce)、すぐに物を捨てずに繰り返し使い(Reuse)、ごみを別の資源として再び使用すること(Recycle)。このように3Rを意識した生活は、ごみの排出を減らすことにもつながり、環境への負荷も減らすことができる。

身近にできることとして、食品を無駄にせず、食品ロスを出さないようにすることもSDGs目標12の実現につながる。たとえば食材を買いに行く前に、冷蔵庫の中を確認して必要な食材だけを購入する。また食事をつくるときには、賞味期限・消費期限が近づいているものを積極的に使用することで、食材を無駄にすることなく食べる。レストランなどで外食をする時に食べ切れる量を注文する、食べきれない場合は持ち帰って家で食べるなど、出来ることは多い上経済的なので当たり前に行っていきたい。。

またごみを減らす方法としてプラスチックごみの削減も挙げられる。プラスチックごみはさまざまなものや場所で用いられており、生活の中で意識することで排出量を減らせる。たとえば通学や通勤など出かけるときに水筒を使うこと。毎日飲み物を買う際に自動販売機のペットボトルを買うのではなく、水筒に入れて持ち歩くことでプラスチックごみを減らすことができる。同様にマイバッグを用いることで、スーパーに設置されているポリ袋を使いすぎないことも、私たちがごみの削減のためにできることの一つ。

日々の生活でできることとして、毎日使用する家電をエネルギー効率のよい製品や省エネルギー家電に買い替えることも、SDGs目標12の達成につながる。たとえば家電製品を購入する際には、エネルギー消費効率やCO2排出量が少ない「エコ家電」を選ぶことが重要。エコ家電は同じ機能を維持しつつ、エネルギー消費が少ないため、環境負荷が低くできるからだ。
実際にお店で購入する際には「省エネラベル」を参考にしてみてほしい。

違うアプローチで見ていくと、食品などを購入する際に、地元の商品を購入するという取り組みもSDGs目標12の達成につながる。自身が暮らす地域でつくられた商品を購入することで、長距離輸送による二酸化炭素の排出量を減らすと共に地域経済の活性化に貢献できるからだ。また地元の農産物を購入することは、二酸化炭素の排出量を減らすだけではなく、新鮮な野菜や果物を摂取することができる。また地元の工芸品や衣料品を選ぶことで、伝統的な技術の継承や地域の特色を守ることにもつながる、という訳だ。

興味があるところで、出来ることから、取り組んで行きたい。

こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い一日を。

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