大切なことを、失う前に気付くこと。

京都清水寺でヨガという、なんとも贅沢なイベントに参加させていただいた。

ライターとして関わらせていただいているブランドの、ココロとカラダの繋がりを感じ、ニュートラルでいることをヨガによって実感できるという、素晴らしいイベント。

生まれ育った京都。

高校生の頃から学校が近いという理由もあり、行き尽くしたと思っていた清水寺。

そんな慣れ親しんだ思い出深い場所に、こうして違う形で戻ってこれたことが本当に嬉しく、感慨深い。

ヨガを始める前にお寺で祈祷をしたのだけれど、そこでの住職さんのお話がとても興味深く、今の自分に響くものがあった。

「悟りとは、失って気付く大切なことを、失う前に気付くことです」と。

日々を生きていれば、新しい出会いや得るものがたくさんある一方で、失うものもある。

その悲しみを味わわずに人生を終える人はいないと思う。

よく、「失ってからその大切さに気づく」と言うけれど、それではとても遅い。
後悔が残るこの一文に、なんだかやりきれない思いを感じていた。

今目の前にある大切なこと、大切な人、大切なものを、当たり前に大切にできること。

それって誰にでもできることではないのかもしれないけれど、私も日々想いをめぐらせ、大切な人に愛を伝え、大切なことやものを自分なりの愛で守っていきたいと思った。自分なりの悟りをしていきたい。

清水寺経堂という素晴らしい場所で、お琴の演奏に合わせながらみんなでヨガをしたという経験は、人生に一度きりなのではないかと思うほど、美しい時間だった。

シャバーサナという、ヨガの最後にマットの上に寝転び、全身の力を抜いて全てを感じる行いがあるのだけれど、澄んだ空気とものすごいパワーが漲る空間で行ったそれは、私に大きな自信を与えてくれた。

久しぶりの休暇をとり、休むと意気込んで帰ってきた京都で、思いがけない素晴らしい思い出が生まれている。

何年経っても定期的に会いたいと思える仲間がいて、環境が変わっても応援し合え、お腹が痛くなるほど笑い合えるこの環境が、とてつもなく幸せだと思える。

大切なことを失う前に気づき、大切にできる悟りを、忘れずに日々行なっていきたい。

とても意味のある時間を、毎日を、本当にありがとう。

YUKARI FUJII
Instagram：@yukaringram