『光る君へ』第44話を観て・・・ ※ネタバレあり
みなさん、こんにちは。
『光る君へ』待望の「望月の夜」を視聴いたしました。
素直によい場面でした(ジーン)。。。
(貶しもしますが、ちゃんといいところは褒めます!)
後一条天皇の即位
ドラマの冒頭で、三条天皇(木村達成さん)の病が進み、公卿の公任(町田啓太さん)と俊賢(本田大輔さん)が御前にて譲位を促しても、耳も聞こえず目も見えずでは話は一方通行どころか、施政など無理なお話です。
二人はますます困惑して、「これでは政事もままならぬ、大丈夫か?アンタ?」と思ったことでしょう。
(私は一視聴者としてツッコミましたが、帝の臣下である二人は口に出せない言葉でしょうね)
事の重大さに道長(柄本さん)は譲位させるべくさらに強くプレッシャーをかけてゆきます。
それを牽制するため、三条天皇は道長を摂政にして政事を任せ、娘の禔子(やすこ)内親王を道長の長男である頼道(渡邊圭祐さん)に降嫁すると提案しました。
ようやく得た帝という地位をどうしても手放したくなかったのですね。
在位五年でそのすぐ後に亡くなってしまう方ですので、この頃はとてもお加減が悪かったハズ。ものすごい執念を感じます。
しかしながら、愛妻家・頼道は断固拒否!!
皇太后・彰子(見上愛さん)も女人の生き方の辛さを噛みしめ、まるで物のようにやり取りされる辛さを鑑みて、禔子内親王を慮ります。
そうして弟の為にも愛の無い政略結婚を回避してあげたかったのですね。
彰子さま、本当に国母にふさわしく成長されました(ジーン)。。。
策略家道長はもう一人の息子である教道(姫子松柾さん)に内裏で噂を流すよう命じました。
その噂とは「頼道が伊周の怨霊によって重病である」というもの。
さすがですね~。
呪詛や怨霊がまことしやかに息づく平安時代だからこその方便です。
貴族は暦に従い、陰陽博士に従って物忌みなどをしていたので、こうしてみずから出仕しないこともあるのでした。
重病のふりをして妻を守れ、と息子に知恵を授けたわけです。
「万策尽きた・・・」と諦めの三条天皇に実資(ロバート秋山さん)が次の東宮を息子の淳明親王にするならば譲位するという切り札を授けました。
このことによって三条天皇は譲位を承諾したのです。
しかしながらこの淳明親王は強い後ろ盾もないので、後に自ら東宮を辞します。
めでたく道長の孫である淳成親王が後一条天皇として即位することとなりました。
道長退く
即位した後一条天皇は御年9歳という幼い君主です。
摂政という肩書をもって帝の側に控え、万事答えを吹き込む道長は、某料亭で食品偽装があったあの事件のまさに「囁き女将」さながらでした。
仕方のないこととはいえ、鸚鵡返しに言葉を発する帝に深々と頭を垂れる家臣の心裡は如何ばかりのものか。
道長と話しているのと変わらないのです。
そうとして公卿たちの会議である「陣の定」にまで参加し、この上は自分たちまでも管理されるのか?という気持ちになるのも致し方なきこと。
偉い人はいるだけで圧になるので、そこまで口を出さないで、というのを公任が代弁して道長に左大臣職を辞するよう突きつけました。
先例を見直したり、政治を改革しようと意気込んでいた道長が、ちょっと可哀そうと感じてしまいましたが、独裁者は孤独というものなのでしょう。
しかし、道長は自分がそうしてきたように、自分も一線を引く時が来たのだと摂政の役目を息子に譲る決意をしました。
まひろ(吉高さん)の局を訪れた道長は自分が職を辞することを先に告げるところはニクい演出でしたね。
そして道長の昔からの変わらぬ志を知るまひろは発する側と受け取る側の意志の疎通の難しさを訴え、息子の頼道にその心を伝えるべきだと訴えます。
娘との関係を乗り越えて、ようやく人の心を思いやる温かみのある紫式部になりました。
倫子さま(黒木華さん)がそこにやってきたので一触即発!?
と、おもいきや、こちらもたいした女性です。
薄々気づいていても見ないふりで、道長の生涯を書いてほしいと依頼したのでした。
やはり最後まで道長に添うのはこの人なのですね(アッパレ)!!
望月の夜
前回の視聴感想でも触れましたが、彰子、妍子、威子と「一家三后」を成した道長は威子が中宮となる宵に宴を開きました。
この宴の場面が壮観でしたね。
前回予告で「紅葉賀」をオマージュした場面でしょうか、と感想に記したのがこの宴でした。
摂政となった頼道と弟の教道の兄弟舞でしたね。
源氏と頭中将が舞ったのは「青海波」という舞楽です。
ドラマのように挿頭として紅葉の一枝を冠に挿して登場した源氏の姿に、紅葉では負けてしまうので、菊に差し替える場面が印象的です。
その朱雀院行幸の場面はこちら・・・
そして道長は実資を介して息子の頼道に盃を下します。
一同に会した公卿たちで固めの盃で団結を促した場面も見事でした。
今回の見どころはやはりこの宴で道長が望月の歌を詠んだところでした。
この世をばわが世とぞ思ふ望月の
欠けたることもなしと思えば
私はこの歌を最初に聞いた時、というか歴史を教わった時に、先生が「道長君、こんな大胆な歌を詠んじゃったよ」と軽いノリでディスっていたので、これだから権力者は鼻持ちならない、と感じました。
しかし、今回のドラマは新解釈ができる演出だと思いました。
帝を支える后が揃い、公卿たちも心を一つにして政治に携わってくれるでしょう。
この場にいる者たちがすべて必要な存在で、それこそ欠けたることの無い月である、と道長は詠んだのではないかと感じたのです。
そうした心持ちでもう一度見直していただくと、意外と感動しますよww
さて、来週は・・・
エ?松下洸平さん???
名前を忘れてしまいましたが、本当は日本人であった宋人ですよね?
まひろ越前に行くのか???
うーん。
また、来週☆