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『光る君へ』第47話を観て・・・ ※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。
NHK大河ドラマ『光る君へ』第47話を視聴いたしました。
来週はとうとう最終回です。
一年間綴った視聴感想も次で最後ということになりますね。
第47話のタイトルは「哀しくとも」でした。


 刀伊の入寇と朝廷

太宰権帥・藤原隆家(竜星涼さん)の活躍によって、賊は退けられましたが、その報告を受けた朝廷はなんとも薄情で曖昧な態度を取ります。
時の摂政は道長の息子である頼道(渡邊圭祐さん)ですが、静観すると決めこみ、頼りの道長(柄本さん)には相談しようともしません。
数多の犠牲が出て、拐わかされた人も多くあるのに、事の重大さを理解していないようですね。
あまつさえ隆家への報償を渋って、「朝廷が命を下す前に行った勝手な戦闘」と切り捨てます。
隆家はこのことを想定して親交のあった実資(ロバート秋山さん)に文を送り、実情を伝えたのでした。
実資は著書の『小右記』で知られる公卿ですが、その人柄は権力におもねらない、誰にも変わらぬ態度で接するポリシーを持った人物というように伝わっています。
ドラマでもそのように描かれており、事の次第を詳しく道長に伝える役目を果たしていました。道長は公卿たちの意見を取りまとめる場である陣定の不甲斐ない様子をつぶさに把握し、賊が都に上ってくる可能性を危惧しましたが、何の対策もできない公卿たちの事無かれ主義を批判しました。
史実によりますと、道長は若かりし日の隆家の軽率な行動(長徳の変)があったとしても評価しているようでした。
凋落した中関白家の隆家でしたが、それから後もあまりいいことはありません。
どうやらこの刀伊の入寇で戦ったことを批判する輩もいたようで、さらに隆家が帰京した頃に小規模の天然痘が流行したことから、京に病を持ち込んだと揶揄されるのです。本来ならば称賛される武勲も甲斐の無い事でした。
そして再び大宰府へと下向するのです。
さて、雅の宮廷文化花開く平安時代からこの事件をきっかけに武士が台頭する時代へとシフトしてゆきます。
しかし、それはまた別の物語。
ここで一括りですね。

 乙丸の訴え

今回のお話で皆さんきっと乙丸(矢部太郎さん)の訴えに笑みを浮かべた人も多いことでしょう。
周明(松下洸平さん)の死の衝撃から立ち直れないまひろ(吉高さん)がなかなか帰京する決断をしません。
乙丸としてはこんな暗い思い出の詰まった旅先から早く逃げ出したい一心だったでしょう。
賊は退きましたが、また襲ってくる可能性もあるのです。
この主従、暮らし向きの悪い時から長く連れ添ってきた間柄でもあります。
矢部さんのけしてよいとは言えないガタイでも、姫を守るために一生懸命仕えてきた従者です。妻に会いたいと切実に訴えるのも、まひろを守りたいという気持ちあってのことと思われます。
歴史学者の方々の見解によりますと、紫式部が大宰府へ旅をした、というのはやはりトンデモ設定で、刀伊の入寇に遭遇したというお話もさらにトンデモな事であるということです。
そもそも松浦にまで至らず帰京とは、なんのための旅であったのかということになりますね。(「紫式部日記」執筆の伏線の為だけですか。ムムム)

 賢子の奔放宣言

無事に帰京したまひろを一家は安堵の表情で出迎えました。
大宰府での一件はすでに聞き及んでいたでしょうから、心配だったのでしょう。
まひろの報告で双寿丸(伊藤健太郎さん)が肥前に向かって旅立ったことを知った賢子(南沙良さん)は、失恋再びで躍起になり「女光る君になろうかしら」と、大胆な発言をしました。
それを許す母親もどうかと思われますが、実際に賢子は数多くの男性と浮名を流すことになるのです。
賢子は後に天皇の乳母となり三位を叙位されます。
大弐三位と呼ばれた彼女の子孫は宮廷のなかで栄えてゆくのでした。

さて、まひろが無事に帰京し、その顔を見た道長はあからさまにホッとしておりましたね。
そして、衝撃のラスト。
道長の正妻の倫子(黒木華さん)のいつ飛び出すのかもしれない発言が最後の最後で炸裂しました。
「ところで、二人はいつからの仲なの?私が気付かないとでも思って???」
もしかしたら勘の良い倫子は賢子が道長の子であるという事も気付いているかも知れません。
黒木さんの微笑む倫子がついぞ本当のところを切り出した瞬間でした。

さて、来週でとうとう最終話。
では、また来週☆


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