『光る君へ』第45話を観て・・・ ※ネタバレあり
みなさん、こんにちは。
NHK大河ドラマ『光る君へ』第45話を視聴いたしました。
ドラマももう終盤ですね。
タイトルは「はばたき」。
まひろ(吉高さん)があの年で出奔???
とんでも展開ですが、紫式部の人生も終着に辿りつくようです。
望月の歌の真意
もう長いこと俊賢(本田大輔さん)を加えた新4Fの語らいもこれが最後ということになりますね。年長の俊賢はどうやら引退するということらしいです。
斉信(般若金田さん)は、変わらず暢気に「昨夜のあの歌はどういう意味だったのかのう?」と、ポツリ。
俊賢は「栄華を尽くされて何もかも思いのままであると詠んだのでは?」
と、現代の我々が今まで信じてきた解釈を述べます。
しかし、昨今この歌には新解釈があり、道長はそれほど傲慢な人間ではなく、本当に「ただ良い夜であるなぁ」と詠みこんだのだ、という説です。
そこに学識で秀でた行成(渡辺大知さん)が、「月は皇后に通じるゆえ、三人そろった皇后たちを欠けたる物なき、と表したのでは?」と説明を加えたので、新解釈が採用されたのだとわかりました。
私が前回述べた解釈は個人の感想です。
歌というのは如何ようにも解釈できる自由なものですので、そこに正解はなく、フィーリングでオッケーなわけです。
私が源氏物語を現代語訳した際には、私なりの歌の解釈にさせていただいております。
そういうものなので、「ん?」と感じても、お目こぼしください。。。
源氏物語第54帖『夢浮橋』
まひろはとうとう源氏物語を完結させたようです。
まひろが記していたおおよその内容を説明いたしますと・・・。
宇治川に身を投じた浮舟は、命を長らえ、横川の僧都に助けられました。
僧都の妹である尼が浮舟を小野の山里で面倒をみておりましたが、再び男性に懸想される煩わしさに悩んだ浮舟は出家してしまいます。
横川の僧都は大変徳の高い僧侶で、憑き物に悩まされた今生帝の女一の宮を祈祷すべく内裏へと招聘されました。
そこで無事に女一の宮を物の怪から解放した僧都は明石の中宮から労いの言葉をかけられ、徒然に物の怪にかどわかされた若い女人を保護したことを漏らします。
それが薫の想い人の姫であると気付いた中宮は浮舟が生きているかもしれないことを伝えたのです。
そこで薫は僧都に事情を話し、浮舟の腹違いの弟の小君を使いとして手紙を送ったのでした。
しかしながら浮舟はとうとう小君に会うことも人違いと拒み、小君は手紙を読んでももらえず、返事ももらえなかったことで、使いの役をしくじったと肩を落として薫の元へ戻りました。
そんな消沈した小君を可哀そうに思った薫は、「却って小君を使いにやるべきではなかった」と悔やみました。色々と思いめぐらし、すでに他の男の囲い者になっているのやもしれぬ・・・、と物語はぼんやりと幕を閉じるのです。
私は源氏物語最終帖の「夢浮橋」のこの終わり方がよくわかりません。
そもそも宇治のお話は紫式部が書いたものでなないといわれているのに著しく同意しておりますので、私の宇治のお話は表題を改め、『令和源氏物語 宇治の恋華』として、創作満載に書き下ろしました。
ですから、私はこの上記の小君が落胆して戻ってきた先のお話を創作しております。
そして、浮舟のその後と薫のその後の新たな章「現世(うつしよ)の光」を書き加えました。
賢子の出仕とまひろの旅立ち
源氏物語を書き終えて、まひろはひと区切りとして筆を置きました。そして源氏物語の舞台に設定した須磨、明石、そして夫の宣孝が治めていた太宰府へ、友であったさわが旅立った松前にまで行ってみようと決心しました。
脚本家さんは平安貴族の女性にずいぶん思い切った決断をさせたものですね。
石山詣でとは訳が違います。
しかも女性一人と共は乙丸(矢部太郎さん)のみ。
平安時代では国守が地方を統治しておりましたので、家族を伴い任地へ赴いたわけですが、財産の豊かな受領は妻や子供たち、女房などを乗せた牛車を何両も連ねて都から下っていたものです。
為時パパ(岸谷五郎さん)が越前に下る時には徒歩で、船に乗って向かっておりました。そして、二度目の受領を拝命した折には騎馬にて下向しておりましたね。
ともあれまひろは賊に遭うかもしれない危ない道中を徒歩で乙丸と二人きりで旅立っておりました。
まひろさんおいくつですか?と、聞きたくなるくらいのフリーダム。
須磨の海岸をけっこう全力疾走していたのには驚きました。
さて、旅立つ前にまひろの娘の賢子(南沙良さん)は女房として勤めにでることを決め、土御門邸にいらっしゃる彰子様(見上愛さん)にお仕えすることとなりました。
この邸はもともとは道長の正妻の倫子(黒木華さん)の父であった左大臣のお邸です。彰子様にとっては里であり、この邸では道長が生活を送っているわけです。
まひろから真実を告げられた道長は複雑な心境だったでしょう。
まさかまひろが一人で子供を産んで育てていたとは。。。
しかし賢子が裳着を迎えた際に贈り物をねだっていたので、伏線はあったわけです。
道長がまひろに物語を書いてくれるよう頼みに行った時に、賢子の年齢を聞いていたので、その時に気付いてもよかったとも思いますが。
石山寺での身に覚えはあったはずですね。
道長の出家
道長は体の具合がよろしくなく、御仏に帰依しようと考えたモヨウ。
息子の頼道(渡辺圭祐さん)は今ひとつ頼りなく、叙位の儀に左右両大臣が欠席するという嫌がらせにしくしくと胸を痛める始末。
年若い頼道が摂政となったことが気に食わないのですね。
道長に叱責され、逆に左大臣(宮川一朗太さん)に引導を渡してやれ、くらいの勢いで、それが政事であると説いておりました。
道長が出家すればおのずとしっかりとしてくるのではないか、という狙いもあったのかもしれません。
先日NHKの「朝イチ」に柄本さんが出演した際に、見事なスキンヘッドでした。それは道長が出家し、剃髪する様子をドラマで再現するために、一年以上も前から地毛で行うことを了承していたそうです。
とことんリアルを追求したドラマ制作だと思います。
この場面はしっかりと描かれていて、「なるほど、こうやって出家したのか」と勉強になるシーンでもありました。
さて、ドラマの最後で周明(松下洸平さん)と再会したまひろ。
来週は「刀伊の入寇」という恐ろしい場面を迎えます。
予告ではどうやら周明がまひろを助けてくれるようですが、あと残り数話であるのに、紫式部をそんなたいそうな目に遭わせなくてもいいんじゃないの、脚本家さま?と、思ったのは私だけでしょうか。
周明と出会った頃、まひろは宋に行ってみたいとしきりに漏らしておりましたが、まさかのここで国外へ逃避行ということになるのでしょうか?
(ブッ飛びすぎですね・・・)
では、また来週☆